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第65話 「外の気配」

 落ち着いてきた。


 少しだけ。


 人の動きも。


 役割も。


 形になってきた。


 水も。


 回っている。


 小さい。


 でも。


 確実に。


 “生きられる場所”になり始めていた。


「……いい感じだな」


 蓮斗が言う。


 白峰が頷く。


「初期段階としては上出来だ」


 玲奈が、ぽつりと言う。


「……あんしん」


 ぴーちゃんが光る。


「……いい!」


 その時。


「……あの」


 声。


 見張りの人。


 少しだけ。


 顔が強張っている。


「……外」


「なんか、おかしいです」


 空気が変わる。


 全員が止まる。


「……どういうことだ」


 外へ向かう。


 慎重に。


 入口付近。


 そして。


 見る。


「……多いな」


 影。


 数。


 明らかに増えている。


 そして。


 動きが違う。


 ただ彷徨っているんじゃない。


 “集まっている”。


「……なんでだ」


 蓮斗が言う。


 白峰が分析する。


「ダンジョン入口に反応している可能性がある」


 玲奈が、低く言う。


「……よってきてる」


 ぴーちゃんが震える。


「……いや」


 ただの偶然じゃない。


 これは。


 “変化”だ。


 世界が変わったあと。


 さらに。


 進んでいる。


「……数、増えるなこれ」


 蓮斗が言う。


「時間の問題か」


 白峰が言う。


「……どうする」


 全員が、こちらを見る。


 選択。


 逃げるか。


 閉じこもるか。


 戦うか。


「……閉じるだけじゃ無理だ」


 はっきり言う。


「ここに来る」


 確実に。


 このままじゃ。


 押し潰される。


「……なら」


 蓮斗が笑う。


「やるしかねぇな」


 白峰が言う。


「防衛ラインを作る」


 玲奈が、静かに頷く。


「……まもる」


 ぴーちゃんが光る。


「……まもる!!」


 後ろを見る。


 人たち。


 まだ知らない。


 この危機を。


 でも。


 守ると決めた。


 だから。


 やることは一つ。


「……準備する」


「守るために」


 この場所を。


 壊させないために。


 そのために。


 戦う。


 ここで。


 初めて。


 “守るための戦い”が始まる。


 ただの戦闘じゃない。


 拠点を守る戦い。


 人を守る戦い。


 それが。


 ここから始まる。


 外は、変わり続けている。


 そして。


 それは、ここにも届く。


 だから。


 止まっていられない。


 次の戦いへ。


 進むしかなかった。



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