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第63話 「少しのズレ」

「……あの」


 声。


 少しだけ。


 強い。


「それ、私たちの分じゃないですか」


 振り返る。


 水。


 少ない資源。


 それを巡って。


 小さなズレ。


「いや、順番で……」


「でも、さっきまだ飲んでない人が」


 空気が、少しだけ張る。


 怒鳴り合いじゃない。


 でも。


 困惑。


 戸惑い。


 どうすればいいか分からない。


 その感情が混ざる。


「……どうする?」


 蓮斗が小さく言う。


 前に出る。


「……順番、決めよう」


 全員が見る。


「子供と年配優先」


「そのあと、作業してる人」


「最後にその他」


 シンプルに。


 分かりやすく。


 迷わないように。


「……いいと思います」


 さっきの女性が言う。


 少しずつ。


 頷きが広がる。


「……それでいこう」


 決まる。


 空気が、戻る。


 ピリついていたものが。


 ほどける。


「……よかった」


 誰かが呟く。


 大きな問題じゃない。


 でも。


 こういうズレは。


 積み重なると崩れる。


 だから。


 ここで整える。


 それが大事だった。


「……助かりました」


 声をかけられる。


 小さく頷く。


 特別なことはしていない。


 ただ。


 整えただけ。


 でも。


 それで。


 守れるものがある。


 この場所が。


 壊れないように。


 そのために。


 必要なこと。


 それが。


 “役割”だった。


 優しさだけじゃ、続かない。


 だから。


 仕組みを作る。


 それが。


 この場所を強くする。


 次の一歩だった。



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