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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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334/451

第334話「恒一と悠真」

夜。


拠点の廊下。


恒一と悠真が並んで歩いていた。


特に目的はない。


ただ。


歩いている。


恒一が先に言う。


「白影が北側でも出たそうだ」


静かな声。


悠真が頷く。


「聞いた」


短く。


しばらく沈黙。


恒一が続ける。


「怖いか」


短く聞く。


悠真は少し考える。


「怖い」


正直に答える。


恒一が頷く。


「俺もだ」


静かに言う。


「でも怖いまま動ける」


続ける。


「それで十分だ」


悠真は恒一を見る。


祖父は変わらない。


騒がない。


諦めない。


ただ。


今日もここにいる。


「ありがとう」


悠真が小さく言う。


恒一が少し笑う。


「礼はいらん」


短く。


「飯でも食え」


二人は配給区画へ向かう。


廊下に灯りが続いていた。


(次話へ)

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