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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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第290話「守る場所」

夜。


配給区画。


灯り。


白い。


温かいスープ。


湯気。


人々が集まっていた。


静かだった。


だが。


悪い静けさではない。


生活の音がある。


話し声。


食器の音。


小さな笑い声。


それだけで違った。


その時。


美月が子どもたちへ毛布を配る。


「寒くない?」


優しい声。


子どもたちが頷く。


一人が聞く。


「明日もくる?」


美月は少し考える。


そして笑う。


「来るよ」


静かな声。


「みんなで迎える」


短く。


子どもたちが少し笑う。


その時。


遠く。


カァン。


鐘。


一回。


長い音。


皆が少し止まる。


でも。


すぐ戻る。


食べる。


話す。


生きる。


外では影が近づく。


侵食も止まらない。


それでも。


この灯りは残る。


この生活は残る。


守るべきものは。


ちゃんとここにあった。


(次話へ)


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