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第112話 「崩壊の一歩手前」

重い。



 空気が。



 さっきまでと違う。



 外周。



 崩れている。



 壁。



 一部が壊れたまま。



 侵食体が。



 入り込んでいる。



「……戻せ」



 黒崎 恒一の声。



 短く。



 だが。



 全員が動く。



 即座に。



 補修。



 応急。



 だが。



 手は止まらない。



「ぴー!」



 ぴーちゃんが叫ぶ。



「回復足りない!」



 範囲が狭い。



 侵食が近い。



 余裕がない。



「……押されてるな」



 白峰 蓮が言う。



 冷静に。



 だが。



 事実。



 完全に。



 崩れかけている。



 その時。



「……立て直す」



 悠真が言う。



 ゆっくりと。



 立ち上がる。



 さっきの一撃。



 まだ残っている。



 体が重い。



 だが。



 止まらない。



「……まだ終わってない」



 短く。



 だが。



 強い。



 その時。



 蓮斗が言う。



「当たり前だろ」



 笑う。



 少しだけ。



 だが。



 折れていない。



 その時。



 侵食体が動く。



 壁の隙間。



 そこから。



 一気に流れ込む。



「っ!」



 白峰 蓮が言う。



「止めきれない!」



 その瞬間。



 悠真が踏み込む。



 境界ギリギリ。



 そして。



 一撃。



 侵食体へ。



 直接。



 ぶつける。



 止まる。



 一瞬だけ。



 だが。



 確実に。



「……今だ!」



 蓮斗が動く。



 壁を押し込む。



 隙間を埋める。



 侵食体。



 流れが変わる。



 逸れる。



「ぴー!回復戻る!」



 ぴーちゃんが叫ぶ。



 範囲。



 戻る。



 ギリギリ。



 だが。



 成立する。



「……持ち直したな」



 白峰 蓮が言う。



 静かに。



 だが。



 確信。



 その時。



 黒崎 恒一が言う。



「いい」



 短く。



 だが。



 強い。



「崩れていない」



 その言葉。



 全員が理解する。



 完全には。



 壊れていない。



 踏みとどまった。



 その時。



 悠真が外を見る。



 重殻。



 あの個体。



 元の位置。



 動かない。



 だが。



 違う。



 さっきとは。



 ほんの少し。



 距離が近い。



「……削れてるな」



 小さく言う。



 九条に壊された。



 だが。



 ゼロにはなっていない。



 積みは。



 残っている。



 その事実。



 大きい。



 その時。



 ぴーちゃんが言う。



「……怖い」



 小さく。



 だが。



 正直に。



「さっきの……また来るかも」



 全員が黙る。



 分かっている。



 九条。



 あれは。



 別格。



 対処できない。



 今は。



 その時。



 悠真が言う。



「……来てもやることは同じだ」



 短く。



 だが。



 揺れない。



「止める」



 それだけ。



 シンプル。



 だが。



 確実に。



 全員が頷く。



 怖い。



 だが。



 止まらない。



 その時。



 黒崎 恒一が言う。



「いいか」



 全員を見る。



「壊されるのは前提だ」



 短く。



 だが。



 核心。



「その上で」



「残せ」



 その一言。



 全員が理解する。



 完全を目指さない。



 “崩れても残す”。



 それが。



 今の戦い。



 その時。



 悠真が小さく言う。



「……次で決める」



 短く。



 だが。



 確信。



 次。



 最後の一押し。



 そこまで来ている。



 その事実。



 全員が感じている。



 だが。



 同時に。



 分かっている。



 まだ。



 終わっていない。



 その時。



 外。



 静かに。



 風が吹く。



 何もない。



 だが。



 どこか。



 違和感が残る。



 “あれ”が。



 まだ。



 近くにいるような。



 その気配。



 消えていない。



 崩壊は、まだ起きていない。


 だが。


 すぐそこまで来ている。



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