小田原攻め 決着
いよいよその時がきます
「官兵衛、敵はどう動く?」
「は、勿論新隠れ蓑を十分に活用した作戦に出ることでしょう」
「うむ、南蛮渡来に熟知してるとみてよい。多分個別撃破作戦じゃろう」光圀
「削りあいか・・」秀吉
「敵の姿は今の所見えませぬがこちらも見えないのも事実」光圀
「うむ、これよりしばらくは全兵隠れ蓑着用を命ずる」秀吉
「殿下、我々もでござる、評定中であっても油断めされるな」官兵衛
「これで両軍動きが取れぬな」秀吉
「は、今は時間稼ぎの時、必ずや敵新隠れ蓑の弱点解明してみせまする」
「敵にしてみれば大軍の兵站問題をつく作戦じゃろうが」光圀
「は、敵は知りませぬ、我が軍のほとんどが南蛮渡来兵、でんげんなるものを
操作すれば兵糧を大節約出来る事・・・ふふふ」光圀
「なによりもおいてこの石垣城を築城した訳が南蛮渡来兵の保守の為とは
敵とて知るよしもあるまいて」
「は、長期戦は我が軍有利にござる」官兵衛
「しかし、敵も策士じゃ次なる手、どうでるか」秀吉
官兵衛の予想通り先に動いたのは正宗軍、北条領内の各地でゲリラ戦法が
実施されたが主な作戦は一般民を襲う野党紛いの略奪、放火そしておぞましい陵辱・・
「鬼畜」の所業、北条領内の治安が著しく乱れた
「殿下、予想通り北条の領民どもが我が軍に保護を要請して来ました」
「正宗め、おかげで我が軍は北条領内を蹂躙する手間がはぶけた」秀吉
「御意、敵の目に余る略奪行為に民の怒りは頂点にございます」官兵衛
「しかし、敵の新隠れ蓑のが看破できなければ民を救えぬぞ」秀吉
「ご安心ください、このほど敵兵より新隠れ蓑を鹵獲しました、ご覧下さい」
「成る程下まですっぽり着込むタイプか、これなら陰影が出ずらい」
「しかし、このタイプは運動能力に劣ります」光圀
「対策は出来るのか?」秀吉
「は、新開発の音響そなーなるもので敵位置を把握できる事が分かりました」
「うむ、して?」
「今までの通り発見さえすれば自動的に識別タグを照射出来ます」
「二度と同じ隠れ蓑は着用できぬ訳か・・」
「ですが敵はどのくらい新隠れ蓑を保有してるのか分かりませぬ」半蔵
「だが局地戦、すなわち住民の略奪行為阻止には効果ありそうじゃ
早速行動せい」秀吉
「は、」
直ちにステルスドローンが上空にて索敵開始、みるみる成果が上がり出す
民百姓が秀吉軍と協力しあい伊達軍を個別撃破していく
見えないはずの隠れ蓑が見えてしまったらもうなんの役にもたたない。
「ばかもの、この作戦は失敗じゃ、我らのせいで北条領民は完全に秀吉側に
ついてしまった、本来ならば蹂躙されて恨まれるのは秀吉軍だったのに
今では神様仏様と崇められてしまったぞ。どうするのだ?」正宗
「殿、大局観でみてください。これで各地に分散した敵兵は領民保護のため
集結に時間が掛かるは必定、作戦通りでございます」小十郎
「成る程、兵力分散の術か・・」正宗
「御意、我が軍はほんの少数の兵損失のみでした」小十郎
「しかし、苦心の新隠れ蓑もあっけなく看破されてしまったぞ?どうする」
「は、敵はなにやら上空にて索敵をしてる様子」小十郎
「南蛮渡来か?」
「いえ、人智を超えてまする、正に妖術の類かと・・」小十郎
「秀吉は普段から南蛮渡来南蛮渡来とうるさいが・・それ以上なのか?」
「御意、南蛮渡来と偽り官兵衛か光圀か・・妖術を操ってるようでござる」
「そんな輩が日の本を収めたら民百姓の未来はないぞ」正宗
「不思議なのですが秀吉の領地を探らせてたところ領民の不平不満は一切
ありませぬ」
「今は、だろう。天下を取ったら豹変するのやもしれぬ」正宗
「とにかく初戦は我が軍の作戦勝ち、秀吉軍を負かしたのは初めてでござる」
「うむ、大義であった」正宗
兵力は分散したが北条領土を多数掌握した秀吉、これでは正宗勝利とは言えない
「小十郎、これでは我が軍の位置敵に絞られたのではないのか?」
「大丈夫でございます、北条領内は広大、全てを掌握された訳ではござらん」
「しかし、分散されたのは我が軍も同じではないのか?」
「分散されたと思わせる手口にござる。次なる手は大軍合戦にござる」
「どこを堕すのじゃ?」
「もちろん敵本陣石垣城にござる」
「ば、ばかな・・南蛮渡来の巣窟じゃなにが潜んでるのかもわからんのに」
「ですが敵は分散、我が軍も分散出来たと油断してまする、今が好機」
「しかし・・」
「殿も見ての通り石垣城はまだ完成してござらん、本丸すらない状態」
「しかし、地下の設備は完成してる様にみえたぞ」
「あれは兵員宿舎にござる。今はほとんど無人でござるよ」
「探らせたか?」
「は、忍者にて常に情報を得ています今石垣城には2千もいないでしょう」
「なるほど、それは確かに好機、いかな南蛮渡来とて限界があるな」
「は、多勢に無勢でござる、敵にしてみればどこから沸いて来たのかも分からぬ
大軍に押し囲まれてアッというまに落城でござる」小十郎
「しかし、本陣を落としたとところで50万の兵力は変わらないぞ」
「さにあらず、秀吉もしくは官兵衛、光圀などの首をあげれば我が軍大勝利」
「ふむ、南蛮渡来に頼り切ってる秀吉にしてみれば灯台もと暗しか・・」
「戦とはいかに敵の虚をつけるかに掛かってます」
「うむ、では全軍新隠れ蓑をあらたに装着しなおして作戦開始じゃ」
「急報」伝令
「何か動きか?」
長浜総司令室で情報管理する者から秀吉に急報が走る
「は、長浜情報室よりの報告では一瞬ですが正宗全軍の姿が捉えられて
その後消滅したそうです、これは照射無力化以外の新隠れ蓑に着替えた証とのこと」
「うむ、これは新たなる作戦行動に出たな」光圀
「と、言いますと?」官兵衛
「どうせ小規模戦だろうと油断させた上での大戦展開じゃろう」光圀
「標的はここ(石垣城)か・・」秀吉
「手薄になった本陣を大軍で押し囲み制圧し、殿下の首をとるつもりかと」
光圀
「飛んで火に入る夏の虫か・・」
だが事態はそんなに甘く無い
「急報!」
「なにごと」
「見えない敵からの発砲を受け地上守備隊ほぼ壊滅、被害200」伝令
「う、早い」
「正宗めのどもとまで伏兵しておったか」秀吉
「大丈夫です地上には碌な装備はりません、地下通路は発見不可能なはず」
「いや、まずい以前に正宗を地下に案内してしまってる、その時から敵の
作戦ははじまってるのじゃ」光圀
「敵軍地下一階に押し寄せてきました、その数5000以上!」
「敵ながら天晴れじゃ、無駄がない」秀吉
「殿下、そんな悠長な・・」半兵衛
「だがな地下二階には侵入不可能な守りがある」秀吉
「急報、地下二階に敵軍侵入!」
「ば、ばかな!ありえない」官兵衛が狼狽する
「本陣の地下5階まであと三つか!」官兵衛
「これは情報漏洩してるとみて間違いないぞ」秀吉
「殿下戦支度を、甲冑に着替えて下さい」小姓
「ばかもの、ここまで敵が来たら甲冑など意味が無い、余は部下を信じる」
「地下三階抜かれました・・敵軍すでに2万以上」伝令
「こうなってはUFOによる上空脱出は不可能にござる」光圀
「長浜からの上空索敵によると抜け穴出口も敵兵に囲まれてるそうです」
「ば、ばかなこれでは八方塞がりではないか」官兵衛
「地上敵兵さらに膨れ5万以上」伝令
「あ、呼応した小田原城から北条兵も殺到してますその数6万以上」
「本当に呼応か?」
「違いました!戦です戦が始まりました」
「恨み骨髄の北条が伊達軍などに呼応するはずはないと思っていた」秀吉
「北条軍が圧倒的にございます、まさかの北条軍に伊達軍は隠れ蓑装着が
間に合わなかった模様」
「敵の隠れ蓑あくまでも敵から身を隠す手段、戦には不向きと言う事じゃ」
光圀
「は、我が軍の隠れ蓑はぽんちょ式なる物、兵装のまま装着出来るのが強み
敵のはそこまで開発は進んでなかった様です」
「ふふふ、敵にながれたのは初期の隠れ蓑、その後も開発はすすんでる」
「しかし、閃光弾による索敵を逃れたのは優秀でした」
「うむ、その点は見事、我が軍にも取り入れなけらばならん」光圀
しかし当初圧倒した北条軍も次第に伊達軍の増援が進み劣勢に落ちだす
「殿下地上軍の戦に構ってる場合ではありません、すでに地下四階まで
敵は侵入してきてます、落城寸前ですぞ」側近
「正に首の皮一枚という状況か?」
「で、殿下!」
「ふふふふ、ふはははは」
「殿下がご乱心めされた?」
「光圀、官兵衛、もういいだろう?敵を欺くのも!」秀吉
「は、十分にござる、そこの者の首をはねよ」官兵衛
「な、なんと・・ご無体な」側近
「其方は正宗の間者であることは当初から存じていた、泳がせていたのに
まだ気がつかんのか?」秀吉
「お、おのれ・・・」
「バシュ」側近の胴と首が離れてしまった
「あ、首が飛ぶ前に真相を教えてやろうと思ったのに」秀吉
「殿下、その者には自爆装置と電波通信装備があります、真相など言ったら
いままでの苦労が水の泡ですし、その前に自爆ボタン押されてしまいます」
官兵衛
「ばか間者め、良く聞け。すでに北条と我が軍は和議をかわしてるのじゃ
敵は其方たちだけ。思い知ったか!」秀吉
「死人には返事などできませぬ」苦笑いの光圀
すでに北条氏直の切腹による小田原無血開城の和議が結ばれていたのだ
そして北条領はすべて秀吉に割譲も決まってる。今回の蜂起も秀吉の要請による
「さ、反撃の時は来ました」官兵衛
「敵の動きは予想以上に早く焦りましたがそれ以外は全て予定通り」光圀
突如地下3階にある隠し扉の門が開き秀吉軍10万が現れた、しかも最新装備
天下無敵情け無用の新種子島がふりそそぐ
「ダダダダダダ・・・」不思議なことに秀吉軍の新種子島全兵が四方八方に
乱射してるのに味方には絶対に当たらない、ロックオンした敵に必中なのだ
「うぎゃあああ」城内阿鼻叫喚がこだまする地獄絵図、一帯は血の海と化す
「敵兵討ち取りました、その数推定2万以上、一方的な大勝利」
「今回は実弾でござる」光圀
「うむ、時として非常さも必要なのだ」秀吉
「は、罪も無き北条農民を蹂躙した罰は万死に値します」官兵衛
援軍を得て反撃に転じた正宗軍だったが次第に集まる秀吉大軍勢の前に
数で圧倒されはじめた、しかも完全包囲されたうえ事実上の野戦状態
石垣城の地上部分は伊達軍自らが破壊の限りをつくしたのが裏目にでた
これでは籠城戦も出来ない。
「敵兵膨れて60万以上にござる」伝令
「ぐ、奇襲戦法は完全に読まれていた・・間者の情報まで操られてたか」
悔しがる小十郎
「此度は負け戦じゃ、覚悟せい。余と其方の首をさしだしてなんとしても伊達の
家門は守るべきだ」
「御意、それではそれがしが休戦協定の場に参りまする、今生の別れです」
「うむ、来世でもよろしくな、あとからすぐに行く」正宗
休戦が成立し銃声がやんだ・・・
「小十郎め腹を切ったか・・」正宗
直ちに評定が開かれ正宗が呼ばれる
「伊達政宗殿おこしにございます」
「うむ、通せ」秀吉
「ばっ」と襖があき政宗登場まばゆいばかりの白装束
「む、すでに覚悟の上か」秀吉
「は、此度の戦我が軍の大敗にござるその責任をとりに参りました」
「うむ、天晴れな覚悟じゃ」秀吉
「負けた上での我が儘は承知なれど我が首ひとつでどうか伊達家だけは守りたく」
「北条領民を陵辱したあげく自兵までも大被害を与えた其方がまだ言うか」
「領土は全て差し出しますがどうか一家だけはお救いください」
「殿下、一つだけ質問よろしいですか?」
「もうせ」
「此度の小田原攻めは我をおびき出す手段でしたな」
「いかにも、其方が従属してくればばこのような無益な殺傷はなかった」
「痛恨の極みにございます、秀吉様の実力を見誤った我が全ての原因」
「うむ、本来ならばその方の首で償って貰うしかないのだが・・」
「は、ありがたき幸せ、我が首一つで済むのなら」
「だがな、其方の首を落とすのはいかにも惜しい」
「は?」
「其方の軍師、小十郎とやらとも相談したのだが、助命するのが日の本に
一番の策なのじゃ。簡単には其方死ねぬぞ、民の為に尽くすのじゃ」
「は?小十郎は存命なのですか?」
「うむ、今後の日の本の為活かす決断をしたのだ」秀吉
「し、しかし我らは大罪人・・・」
「いや、戦では時として非常さが必要な時もある。数で劣る其方達にしてみれば
苦渋の選択だったにちがいない」秀吉、人垂らし
「評定を下す」秀吉
「ははっ」家臣一同平伏す
「伊達政宗、および家臣全員こたびの戦の責任は不問、すべて無罪
よって領土すべて安堵といたす」秀吉
「ば、ばかな・・」政宗
「しかし、今後は朝廷からの詔にしたがい「惣無事令」を守る事、これを違えば
どうなるのか、此度の戦が全てを物語ったはずじゃ」秀吉
「ははっ」
ほぼ同時期に九州勢を毛利の命令の元強制動員した連合軍が仇敵
長宗我部軍を完全沈黙させた。長宗我部は当主自刃によりついに滅亡した。
「殿下、長宗我部が落ちました」半蔵
「うむ、大義であった」秀吉
この時点をもって日の本に秀吉に対抗しうる勢力は皆無となり事実上の「天下統一」
百年以上続いた戦国時代が終わりをつげたのだ
すべてが終わった
長きにわたる戦乱の世が終わりました。
秀吉は日の本の覇者となったのです。




