森の主その物の正体
キーセントシア執務室で、わたしは事の次第をリゼッタ様に報告すると共に、明日もう一度魔の森に行く事を伝えた。
「この前は観察途中で帰って来てしまったけれど、今度はもっと調べて来ます。それから対策を考えた方が良いと思うので」
「わかりました。でもどうか無理はしないで。アリーの報告を待って対策するとして一番遠いガレスティアからだと、早くても1ヶ月は見ないといけません。それまで何も起こらねばよいけれど....」
「無理矢理『瞬間移動 』で連れて来ますよ。南と北はそれで良いとして東の王はどうしようかな?! 文句言ったらママ様使うか...」
「「いやそれは...」」
「ゼス、バリーパパ様は急所を見つけられるエテを持ってるって言ってたよね?」
「あぁ、確かそんな事を聞いたゼ」
「明日バリーパパ様連れて行こうかな!」
「「.....」」
その日は宮殿にそのまま泊まり、朝食もご馳走になった後、ガレスティアの実家に飛んだ。
「ただいま!」
「あらぁ、アリーちゃんお帰りなさい。今日はどうしたのぉ?」
「実はね...!」私はママ様とパパ様ズに森で見た事を話し始めた。
最初こそいつものぽや〜っとした感じだったママ様とパパ様ズの顔が少しずつ険しく成っていった。
「それでねバリーパパ様も出来れば一緒に行ってくれないかな?と思ってきたの」
「うんうん成る程、わかったよ マリーちょっとお昼ご飯遅く成るけど待っててね」
「えぇ、こっちは気にしないで良いわ。後で状況を教えて頂戴」
「うんうん、わかった 行ってくるね」
わたしの『瞬間移動』では一遍に2人しか連れて行けない事も有り、ルークには実家で待っていてもらいバリーパパ様と、ゼスを伴い魔の森の奥、あの混沌たる場所に向った。
着いた瞬間から私は3人の周りに『障壁』を張り、念の為バリーパパ様とゼスには『身体強化』を掛けた。
前回も大きく感じたそれを今回は良く観察する...
「パパ様、私これを見た時に凄く急かされたの。それに、沢山の思考が頭の中に一変に入って来て吐き気が酷かった。今回はまだ、ましかな」
「うんうんアリーも強く成ったんだね。パパはここに居るだけで圧迫感で押し潰されそうだよ。そうだな、コイツからは命の輝きは感じられないけどでも、死んでる訳でも無いね、なんなんだ?」
「パパ様、急所みたいな物解りそう?」
するとパパ様は、両手を広げその広げた手を少しづつ狭めて行く。
「アリー、丁度真ん中だそこに白く光る場所がある。でも横からでは届きそうも無いな。そしてこいつが....ドレイドだ」
わたしは『火球』を出し横から当ててみたが当たった側から元に戻って行く。
「ドレイドって魔素溜まりの名前じゃ無かったのね...しかも横からではパパ様の言う通り直ぐに回復してしまう?」
「あぁ、パパもそう教わったよ。でもどうやら違うみたいだ。こいつがこの森の主だって何かがそう言ってる」
「な、こいつ話せるのかよ!」
「いや、話せる訳じゃ無い。ドレイドの横に張り付いている真新しい死骸がそう言ってるんだよ。これこそがドレイドだとね」
「パパ様って死骸と話せるのね....」
「アリー!ア、アリー?誤解だよ!パパそんな怖い事出来ないよ!たまたまだからね怖がらないでね、パパを嫌ったら嫌だからね!」
「パパったら... 」
私はドレイドを見上げる。そしてゼスに頼む。
「ねぇゼス私を高く上に投げられる?少しでも上から見てみたいの」
「出来るっちゃ出来るけどよ、降りてくる時受け止め損ねたら...駄目だあぶねぇよ」
「このまま帰ったら、ドレイドって名前しか解らないままじゃない。急所が解っても横からじゃ届かないなんて。後は上からしか無いでしょう?だから上から確かめてみたい。大丈夫、ゼスは私を受け止めてくれると信じてるから」
「ア〜畜生!解ったよ。そこまで言われてやらねぇ何て言えねぇじゃねぇかよ」
「(ニコリ)ゼスは何だかんだ言っても私の期待を裏切らない人だと思ってるもん」
ゼスは天を仰ぎながら「これが惚れた弱みなんだよなぁ」と呟いた。
「ゼス君、妻には素直に従って置く方が夫婦は上手く行くもんだよ」
「ですかねぇ...仕方ねぇ、やっぞ」
私は自分に『身体強化』を掛け、ゼスにも掛け直しておいた。
ゼスは腰を下げ前で手を組む。そして私はその組まれた手に足を乗せる
「アリー、良いか落ちる時は背中を下にしろ良いな?」
「うん、解った」そう答えた後ゼスの額にキスをした。
「チッ、馬鹿!投げたくなくなるから、よせ」
そう言って一度地面近くまで手を下げ思いっきり上に上げる。
物凄い衝撃と共に私の身体は上に向かって飛んで行った。
そして頂点に達した時『遅延』これで落下が少しでも遅くなる事を想像する。
私の魔力は想像だから...。
眼下を見ると(これは...まるで4本足のイソギンチャク?真ん中に口らしき穴が有るのを確認したけど今は閉じてるのね。4本の足はそれぞれ四国に向いて伸びそうだけど今は中心に向かって丸まってる。まだ本体は眠ってる状態なの?)
そこまで考えると急に加速しながら落下して行った。
身体を回す用に私は背中を下に成るように体制を変える。
どうやら『遅延』は余りもたないのだと知った。そして次の瞬間には無事ゼスの腕の中に居た。
「ありがとうゼス、お陰でドレイドの全貌が解ったよ」
「そうかよ、お帰りアリー」そう言ってキスのお返しをくれた。
私達3人はガレスティアの実家に戻る事にする。ドレイドの話をする為に!
次回決意と思い




