やっと出たエマールちゃん
「オゴウさん!20人乗りの小型バス借りて来たわよ。」
「おおボヤッキーさんありがとう。」
「あれ?陛下も行かれるんですか?」
「そりゃ死ぬ前から世話になっとる人の妹じゃからのう。」
「カオーくんは結構敏腕だったでまんねん?」
「共和国との和平会談を設定してくれたんじゃ。わしが殺されて共和国にも迷惑をかけたが強硬派をキャティが牛耳っておった故カオーくんにも迷惑かけてしまってのう…」
『まぁその辺りは陛下の責任でも無いですし…』
「んじゃそろそろ出発しゅるわよ?」
「運転するでまんねん。」
『場所は判りますか?』
「JUNちゃんがナビゲーションしてくれるそうです。」
あわてて車載ナビ起動しましたよええ…
軍警察病院カラミ領首都星本部隔離病棟…
金髪の美しい女性が苦悶の表情を浮かべて腐肉にまみれている。
いや~これ甘く見てたわ…
「常に傷口が腐り続けてる状態です…いくら除去しても治るどころか酷くなる一方でなんとか生かしておくのが精一杯で…」
看護師のお姉ちゃんが泣きそうな声で語る。
『お疲れ様でした。この病気は屍霊術の呪いが引き起こしてます。カオーくんとキキョウさんは手伝いお願いします、それ以外は宴会の準備お願いします。』
「治るんじゃなオゴウさん?」
『呪いを術者に跳ね返しますがそれに平行して腐敗箇所の排除と再生を行います。』
{以下は極秘情報最高機密、バイオニック改造手術カルテ
カオー・エマール、女23歳、元プロ美少女
職業、患者
瀕死の重傷ネクロマンサーの攻撃
負傷個所、両足、右腕、右耳
手術内容、バイオニック組織移植
費用、極秘}
『遊んどらんでおのれも手伝わんかい!クリム、手術はお前の中でやりたい。頼めるか?』
[病室覆えばいいんだね?はいどうぞ。]
『まず解呪するから瘴気を回収してくれ…太陽の姫の御心を持って我が前に倒れしこの者の全ての穢れをうち払いたまえ…呪詛返報!』
あ…黒い煙が出た。
[障気吸入!…完了!おーるくりあ!]
『カオーくん、呼びかけて!キキョウさん、切り口にエリクサーかけていって!』
とか言いつつ手足を除去していく…悪人じゃないから痛く無いように切除するのがこんなに手間かかるとは…
{おっさんの切断スピード通常の30%…}
『そりゃ殺す為に斬るのと生かす為に斬るのとは違うわい!』
神眼鑑定!呪詛罹患部………除去100%!
『状況終了!あとは病院に体力復活をお願いしよう。』
「あの…オゴウの旦那ぁ…あの子の切った手足は…」
『これ?呪いによる腐敗が来てるよ?』
「いや妹さんのこれからの手足でまんねん。」
『もうちょっと生えて来てるよ。一晩眠れば元通りだよ。』
エマールの肘からは小さな手のひらが再生している。
『看護師さん、できれば明日の朝までは寝かせておきたいのですが…』
「はい、睡眠ガスを使用します。顔の傷は包帯巻いておきますか?」
『いえそちらも明日の朝にはきれいに無くなってるはずですので不要です。もしこれと同じ症状が出れば宇宙軍ドロンボー部隊に知らせて下さいね。』
「はい…貴方は?」
『胡散臭いロボットです。』
「胡散臭い皇帝じゃ。」
「「「「胡散臭いドロンボー部隊です!」」」」
「まともなのはわたくしだけですか…」
『キキョウさん、リョクとナベちゃん知らない?』
「さっき小児病棟の方に行かれましたよ?」
『看護師さんすいません、あとお願いします。』
「うわぁ~!」
子供の声が聞こえる。
「うわぁ~!おじさんもう一回!」
「はっはっは、ほぉ~ら。」
(ぼぉや~良い子だねんねしな~♪)
この子供大好きモンスター共は…ってリョクは人間体だな?
『リョク変身せんの?』
(衆人環視の中で裸になれと?)
なんで嬉しそうに言うかな?
『閃光使ってシルエットでやれば?』
(ステッキか何か作って下さいよ?)
βカプセルか…ウルトラアイも捨てがたいが…
(そっち方面じゃなくてね…)
風車付きのベルト…
(これおっさん!)
『そう呼ぶあなたはアナコンダ。』
(ヘビちゃうわ!)
「先輩方…子供達が混乱してるでやすよ?」
『このおっちゃんはベフノ村って所で人間と暮らしてます。早く元気になって会いに行って下さいね。』
「あ!このおじさんたちすたんぴーどかいけつしたひとたちだ。」
「ミーン・マシーンと言うのじゃよ。みんなも早く元気になって外で遊ばなきゃいかんぞ?」
何しに来た陛下?
「わ~!こうていさまだ~!」
「おうおうかわいいのう…おじさん達は次の事件に向かわなきゃならんのじゃ、寂しいだろうが看護師さんやお医者さんの言うことを聞いて早く体を治すのじゃよ?我が帝国最強の精鋭たちよ!」
「は~い!」「がんばる~!」
「ではまた元気で必ず会おう!皇帝との約束じゃよ?」
あ…上手いなこの人、人心掌握術に長けてる。
で、駐車場ではドロンボー達が待って居た。
「陛下もオゴウさんもずるいでまんねん。」
「あたしたちも子供達に会いたかったよゥ。」
「エマールが治る…」
「カオーくん、涙は似合わないわよ?ほら笑って笑って…ね?」
「で、オゴウさん、子供達に呪いの痕跡はなかったかのう?」
『そちらは大丈夫でした。寝たきりの子供までは見れませんでしたが…』
「まぁ何か有れば僕ちゃん達に連絡来るわよ。」
『あ!ボヤッキーさん、お母さんに。』
クリム特製エリクサーを渡す。
『会津若松に送って下さい。』
「はぁ?なんでしゅかそこ?」
『え?ボヤッキーさんキャティ領会津若松出身って…』
「僕ちゃんは漁業研究都市出身なんでしゅが…本当だ?」
『もしかしたら俺の敵が罪被せるのに改竄した可能性も有ります。』
(そう言えばチームドロンボーってどこから出したんですか?)
「軍のコンピューターで出て来たんだよゥ。」
「あ?僕ちゃん達の顔写真も無い!」
『ふむ…すいませんがしばらくこのままで我慢してもらえますか?おそらくネクロコンピューターはかなり宇宙軍を掌握してる。』
「ネクロコンピューターでやすか?」
『正式にはケベ博士が偶然作った試作精神定着コンピューターなんだけど盗まれて帝国で3台コピーされてる。俺の目的はそれらの破壊または回収、一つは帰らずの迷宮でキラーマシンに成り済ましてた。』
{ネクロコンピューターか…}
ほとんどエマールに呪いかけた犯人言ってるけどな。
{ネットに潜り込まれたらどうしようもないな。}
なんで独裁国家にしたと思っとる?
{偶然って怖いやね。この後エマールちゃんは?}
独身の子爵様に任せるか辺境伯邸でメイドするか…
{一応考えているのか…}




