再会、バイバイ
「なんだよこれ……」
僕は唖然とした。それはもう酷い日記だったからだ。
「私とお母さんがこれを見た時、どんな気持ちだったかわかる……?」
「……ごめん。」
「もう二度と、しないで。もう二度と、死なないで。」
非常に申し訳ないことをした。家族には、とんでもない迷惑をかけてしまった。
だが、気がかりだ。この日記、どこかおかしい。日に日に文字数が減っているし、そもそも僕にしては字が綺麗すぎる。
……まぁ、その時の気分だったのかもしれない。それ以外、考えられないし。
「……そうだ!卯月のお見舞いに行きたい!」
「そ、そうだね。私が連れてくよ。」
「……?う、うん。」
僕は姉に連れられて卯月のいる病室に行った。母は僕の病室に居るそうだ。……どうしてだろう。
そうこう考えてると、卯月の病室の前だ。というかお見舞いってこんなに気軽にできるものなのか?まぁ、姉が連れてくるなら大丈夫だろう。
ノックをし、ドアを開けた。その先には、綺麗な顔をして眠っている卯月がいた。
それを見て、僕は自然と涙が流れた。ここに卯月が居る。意識はなくても、死んではいない。その事実が、僕を泣かせた。
嬉しさや悲しさ、今までの感情が溢れ出すように泣いた。
「ありがとう……そこにいてくれて、ありがとう……」
姉は病室には僕と一緒に入らず、外で待っている。
卯月の周りには何も置かれていなかった。よく分からないのだが、基本的には入院している時はお見舞いの品とかが近くに置いてあるものではないのか?……まぁ、僕は学校の人達からも何も無かったようだけど。
卯月のお母さんがお見舞いに来ていないわけがないよな。いや、来ないか。あの人は。
その時、突然頭痛が僕を襲う。
「……うっ、あぁっ!」
「大丈夫!?」
僕の声を聞いて心配した姉がすぐに病室へ入ってくる。
頭がかち割れそうな程の痛み。そして同時に、一つの言葉が頭によぎる。
「……殺す。」
「え……?」
「あれ……今、僕なんて言った……」
「……とりあえず自分の病室に戻ろう。無理させるんじゃなかった。」
卯月の病室から出て、自分の病室へ戻ろうとした時、看護師さん達の会話が耳に入る。
『卯月ちゃん、若いのに可哀想だよね。』
『そうね、お母さんも死んじゃったみたいだし。』
『聞いた話によると、誰かに殺されたなんて言われてるもんね……』
『本当に……可哀想だね。』
……卯月のお母さんが殺された…?誰に……?
姉に肩を力強く掴まれてこう言われる。
「……早く戻ろう。」
「う、うん。」
僕は頭の痛みと溢れ出る疑問を堪えながら病室へ戻った。




