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春過ぎて
巻一(二十八)
春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣ほしたり 天の香具山
持統天皇
「春が過ぎて夏がきたようですね。天の香具山に純白の衣が見えます」
というような歌ですが、
山に干した衣が里から見えるか?
「春が過ぎて夏になりましたね」っていうのはなんだかわざとらしい。
の2点が気になります。
わざわざ「春が過ぎて」というのは、実はまだ春が来ていない時期にうたったのではないかと思うのです。
で、山の木々にも隠れずに見える白妙の衣は、雪ではないかと。
女官達が毎朝毎朝
「寒いですね」
「ええ本当に」
と「寒い寒い」とあいさつするのにいい加減うんざりした持統天皇。
(寒いって言っても、暖かくなるわけじゃあるまいし、言うだけ不毛だわ~
でも私が『寒いって言わない!』なーんていうのも無粋だし・・・
あ。そうだ!)
「ねえねえ。みんな。
最近寒い寒いって言ってるけど、いつの間にか春が過ぎて夏が来たみたいよ。
天の香具山が、神事に使う白妙の衣で真っ白じゃない」
なんて言ったのだったりして。
衣は「山にかかる入道雲である」とか「衣を干しはじめたというニュースを聞きましたよ」と言ったような解釈もありっぽいですね。
「春が過ぎて」とわざわざ断るのも、短歌だから別に不自然ではないかもしれません。




