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力を使うとお腹を空かす桜狐の姫は今日も僕に懐いてくれない~追放された底辺調伏師の僕はヒーローを夢見る~  作者: 滝藤秀一
第2章ー1 僕の幼馴染はご機嫌斜め

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幕間 僕と同じ盾役の女の子が思うこと

 私の名前は橘凛香。

 土の神様と契約を交わした女子高生です。



 牧颯太君が所属していたチームを抜けてからも、スカウトされては去るを繰り返す毎日。


 というのも、調伏師協会での颯太君とあの元リーダーの1件をたまたま目にしたのです。



 心が震えたというか、誰かのためにあんなに一生懸命になれる子がいるのかと衝撃を受けてしまいました。


 その事もチームが決まらない理由なのかもしれません。


 牧颯太君のことについても調べずにはいられませんでした。


 最近まで神降ろしも出来なかった見習い調伏師。にも関わらずチームないで一番危険な楯役を担っていた子。


 それがどんなに凄いことかは楯役を経験した人なら説明するまでもないでしょう………


 同じ楯役だったのに、彼に興味を示さなかった事が恥ずかしいです。


 少し気持ちがモヤっとしながらも派遣されたチームに今日も向かいます。



★☆☆☆★



 月明りに照らされ、敵の顔が確認できました。

 怪異は爬虫類の見た目、うねる首に長い尻尾………

 気持ち悪い!

 わたし、蛇やカエル苦手なんです!


 視線をなるべく合わせないように、地面を蹴る。

 敵が初撃のモーションに入った時には硬化させた砂で手足の拘束に成功。



 すると―――



 合図をするまもなく、チーム全員が総攻撃し、電光石火で怪異は調伏。

 粒子が上空に舞い輝石を落としました。


 どうやら、このチームの総合力はなかなか高いようです。


「凄いねっ! えっと橘さん。場数的には少ないはずなのに完璧な楯役だよ」


 私より1つか2つくらい年上でしょうか………

 優しそうな女の人が労ってくれます。


「ありがとうございます。りえさん」


 お名前、合ってますよね?


「短期じゃなくて、末永くチームに入ってくれると助かるんだけどなぁ…」


 願ってもない申し出…

 でも、なぜか即答出来ない私がいます。

 それを感じ取ったのか――


「条件なら、もうちょっと上乗せ出きるよ。やっぱり信頼できる楯役がいないと、いざってときに困るから」


 次々に私に感謝の言葉をかけてくれるメンバーさんたち。

 チームの総合力、メンバーの人柄……以前の()()()()()とは比べ物にならない。

 ここなら上手くやっていけそう。

 決めてしまおうかな………


 声を出そうとしたところで、りえさんのスマホが震えたようです。


「ちょっとごめんね………」


 相手の名前を確認し、少しにやけたような………

 彼氏さんでしょうか?


「どうしたの? ヘルプコーリング? ………ふーん………明日、うん昼間なら大丈夫だよ」


 わたしが手渡されたペットボトルに口を付け水分補給をしていたときです。


「どうせ颯太くんの話でしょう? わかってるんだから………あはは、はいはい誰にも言わないよ。じゃあ帰ったらメッセージ送るから…うん、それじゃあね」


 颯太君? 牧颯太くんだろうか?


「あ、あのう、牧颯太くんとお知り合いですか?」

「うんっ! 彼が協会に入ってきたときから知ってるよ。それが、どうかした?」


「え、えっと…彼が今所属しているチームってメンバー募集してたりしませんか?」

「………なにっ! 颯太くんのチームに入りたいの?」


「いえいえ、そのう…楯役としてあの子が1番なんじゃないかなと思って。成長するために近道かもしれないなって」


「そっか。でもあの子達のチームはメンバー募集してないかな。美優ちゃんですら、色々大変そうだし…でも、どうしてもと言うなら、タイミングみて紹介してあげるけど………面白そうだし」


「面白い?」


 首を傾げずにはいられませんでした。


「深い意味はないからね」


 さてどうしましょう?


 わたしは颯太くんのチームで自分を磨きたい。


 でも、求めていないのに売り込むのはちょっと…

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