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手に入れた 能力はチートか 否なのか

前回までのあらすじ

異世界転移を始める際に設定項目をランダム設定にしたことでスマホの性格が破綻してしまったが、その際に手に入れたスキルがよくわからないスキルだった

「初期ジョブをランダム設置にした場合、付与される能力は『スキルポイント指数関数化』という能力です」


 わけがわからん。


 そもそも、この世界でのスキルポイントとはどういう位置づけになっているのかがさっぱりわからないから有用な能力なのかがさっぱりわからない。


 そこの所をはっきりさせておかなければいけないな。


「なぁ、スキルポイントってのはこの世界ではどういう風に使うものなんだ?」

「フフッこっちの予想通りにことが運んでくれて助かります。その質問は想定内です。しかし、その説明をするのはかなり時間を要します」

「時間かかるのか」

「ええ、そこで選択肢が二つ。この説明を人里についてから落ち着いた場所でするか、それともこの場でキャンプの用意をしてこの場で話すかです」

「前者は安全な場所でゆっくり話すことができることがメリットか。まぁ異世界に日本のように完全に安全な場所があるかどうかはわからないがな。デメリットとしてはそこまでの道筋で情報がないため、思わぬ事態に遭遇した場合に対処が難しいというところだな」

「ええ、その通りです」

「後者の場合は前者のメリットデメリットが逆転するか・・・しかし、後者を選んだ場合の対策は考えているんだろう?」

「なぜそう思うんですか?」

「質問を質問で返すんじゃねぇよ。簡単なことだ。お前も壊れたくはないだろうからな」


 その通り。誰だって死にたくはない。死を選ぶのは死を選ばざるを得ない状況になったからだ。


 それは裏切りであったり、病気であったり、怪我であったりいろいろあるが全て絶望という一言で表す事ができる。


 この漢字2文字しかない単語。文字で表すとこんなにも空虚にすら思える単語に人を殺すことができる力を持っていることに今更ながら背筋が凍る思いを俺はしていた。


 そうだ、俺は逃げるためにアプリを起動したが、転移をしたおかげで俺は生き直すチャンスを得たのだ。


 このチャンスを無駄にすることはできない。だから俺の選択は


「後者だ。それしか選択の余地はない。幸い食料と水、火をたく燃料と就寝するための保温具はある。後はファンタジー世界定番のモンスター対策だが、何か策はあるのか?」

「大魔道士のスキルにモンスターに発見されない魔法、つまりエンカウント抑制の魔法があるんです。これを使います。あまりに強力なモンスターには通用しませんが、このあたりに出没する相手にはかなり有効です」

「Good!と、言いたい所だが俺は魔法を使う方法がわからん。これからお前に教わるって言うのもどれぐらい時間がかかるかわからん。机上の空論だ」

「使う方法はあります。私の機能に所有者の所持するスキルを全て使用可能になるというものがあります」

「あ!メニューの中にあったスキルって項目か!あれってそういう意味だったのか」

「ちゃんと説明見てくださいよ、まったく」


 あきれたような声を出さんでくれ。転移した後で俺もかなりテンション上がっていたんだし。


 それにもともと『習うより慣れろ』が信条だ。説明なんて読まねぇぜ俺は。


 ・・・何回かこれで失敗してるんだがな、実際のところ


「なるほど学習能力がないんですね」

「心を読むな。しかし、そういうことなら早速キャンプの準備としますか。まずは火起こしだな。材木がアイテムボックスの中にあるからこれを薪にしよう。・・・どうやって出すの?教えてスマえも~ん」

「誰が猫型の彼ですか。簡単ですよ、アイテムボックスと唱えてください。そうするとアイテムボックスの入り口が開くのでそこに手を入れて出したいものを引っ張り出すか、念じて出してください」

「それだけ?」

「それだけ。簡単でしょう?」


簡単だ・・・えらく簡単だ。なんかあるんじゃないのか?


「何もないですよ。何でそんなに疑り深いんですか。人生損しますよ」


黙れ。んじゃ、やってみるか


「アイテムボックス」


そう唱えると俺の前に黒い円形状の穴が空間に空いた。なるほどこれがアイテムボックスの取り出し口か。


穴の大きさは約直径1メートルほど、空間に空いた穴は暗く中の様子は見ることができない。


ここに手を突っ込むのか・・・やだなぁ。箱の中身を当てるゲームみたいだ。念じて出せるんだったらそれで出してみるか。


・・・なんかやな予感がする。穴の延長線上から離れておこう。距離が広がると消えるかもしれないしな。


俺はアイテムボックスの中から材木を出したいと念じる。


すると、穴のが広がり、中から直径2メートル長さ20メートルほどの丸太が自動車が走るようなスピードで飛び出してくる。


・・・離れておいてよかった。いきなり死ぬところだった。


「ちっ」

「お前いまチッって言ったな!言ったよな!?正直に言え!」

「空耳じゃないですか?」

「そんなわけあるか~~~はぁ、もういい・・・とりあえずこの材木を薪に加工しないと。どうする?」

「エアカッターという魔法があります。真空刃で色んなものを切断する魔法です。これで薪を作りましょう」


1時間後。目の前には薪が山のように積まれていた。当たり前か、長さ20メートル直径2メートルの材木だ。


しかし、このエアカッターという魔法、便利すぎる。あまりにも細かい加工はできないが、簡単な木製スプーン程度なら1分程度で加工ができた。


焚き付けに使うフェザースティックは5秒で出来た。


世界中のアウトドア愛好家の方々、申し訳ありません。


「さて、薪の準備と焚き付けはできた。後は、火だけなんだけど・・・」

「リトルフレイムの魔法を使いましょう。ライター程度の火をおこす魔法です」

「魔法って便利だなぁ」


リトルフレイムの魔法でフェザースティックに火をつけ、細い枝から段々と太い木をくべて行き、火を大きくしていく。そして10分後、調理ができる程度に火が大きくなった。


さて、調理だ。確かアイテムボックスの中に保存食が入っていたな。保存食ってなんだ?干物か何かか?


「アイテムボックス!いちいち唱えるのも面倒くさいが、しょうがないか」

「大魔導士のジョブなら無詠唱が使えますからいちいち唱えなくても大丈夫ですよ」

「そういうことは早めに言ってくれよ」

「失敬」


ん~なんか調子狂うんだよな~~


「さてと、保存食保存食っと」


こういうものは、探したいものを頭に思い浮かべながら探すと良いんだって相場が決まっているから「俺は保存食を探したい」という考えを頭に思い浮かべながら中をまさぐる。


「お!これだな」


穴の中からは小さめの布製の袋が出てきた。大きさは元の俺の手のひら程度の大きさだ。重さは大体100グラムほどだ。


袋を開けて中を覗き込むと、そこには大麦の粒が入っていた。


「なるほど、保存食ってこういうことだったのね。確かに保存にはピッタリだ」


さて大麦と水あとは塩がある。大麦粥でも作るか。片手鍋もあるし。


「それじゃ片手鍋を出してっと。お、いい大きさだ」


アイテムボックスから出した片手鍋は深さ6センチほどで直径15センチほどの独身男性御用達の雪平鍋だ。蓋はないけれども、こんなこともあろうかと材木を加工して蓋を製作済みだ。


「さて、調理開始」


まずは鍋に大麦を入れて水を入れる、塩少々を入れて火にかけ沸騰したら5分ほど煮る。


火加減の調整はできないから、火から遠ざけることで調整をする。


・・・5歳児にはきつい作業だ。背が低いから難しい。


15分程度たったら火からおろして蓋をしてマントにくるみ保温してしばらく置いておく。


しばらくたったら出来上がり。まぁ大麦の調理はしたことがないがこんなものだろう。


さてと、保温調理の準備ができたことだし、話を進めよう。


「さてと、ご飯の準備もできたことだし、話を元に戻そうか。スキルポイントってなんだ?」

「いきなりですか」

「話は早いほうがいいだろう?」

「まぁそうですね。では、1回目の授業を始めましょうか。眼鏡をかけられないのが不満ですけど」

「お前四角いだろう。どうやって書けるんだよ」

「根性で」

「出来るか!まーた話が脱線した。先生、授業を進めてくださーい」


どうしてこう話が脱線するんだ俺たちは。


「1回目のタイトルは『ジョブとスキルポイント』です」

「俺のジョブは❝大魔導士❞だったよな」

「ええそうです。大魔導士のジョブは現在ある魔法をすべて使用可能なジョブです。結構強力なジョブですよ」

「いきなり爆弾を放りこむなぁ」

「魔法の説明は次回に回すとして、すべてのジョブにはレベルがあります。最小1で最大が100です。通常は1レベル上がるごとにスキルポイントが2付与されます。つまり一つのジョブで取得可能なスキルポイントは2×99で198ポイントになります」

「うん、それは分かった。で、そのスキルポイントとはなんだ?」

「スキルを取得するために使用します。取得したスキルはほかのジョブに変えても使用可能となります。ちなみに個数制限はありません。また、スキルポイントはいわば使い捨てなので、使用したら別のスキルの取得に使用することはできません」


なるほど、ポイントの利用方法は考える必要があるな。


「さて呼びたくはないけれども、便宜上マスターと呼ばせていただきますが、マスターの持っているスキルポイント指数関数化というのはこの取得するスキルポイントに関するスキルです」

「あぁ忘れてた。どんな感じになるんだ?」

「簡単です。スキルポイントが2×レベル―1乗になります。レベル100でスキルの取得に一切スキルポイントを使用していない場合、レベル100の時点で所有ポイントは633825300114114700748351602688になります」

「は?」

「いえ、ですから633825300114114700748351602688になります」


相変わらず桁がおかしい。まさか穣の位まで行くとは思わんかった。


「けどよ、一つのジョブで取得できるスキルを全部取得するとしたらどれくらい必要なんだ?」

「ジョブにもよりますが多くの場合1万位ですね」

「チートじゃねぇか」

「そうでもないんですよこれが」

「?だって確か初期ジョブとして選択可能なジョブは6万だろう?6万×1万で6億だし、ジョブによって違うって言っても10億あれば事足りるだろう?」

「使えるっていうのと使いこなせるっていうのは別問題なんですよ。マスター自転車は乗れますよね?」

「乗れるけどそれがどうした?」

「じゃあ今からBMXの大会で優勝してきてください」

「出来るわけないだろう・・・ってそういうことか!」


つまり、使うことが出来ることも大事だが、使えるようになった後の努力が一番大事ってことか。


確かにそう考えるとそこまでチートでもないのかもしれないな。


「まぁ取得した時点で大会出場クラスの実力にはなるんですけどね」


やっぱりチートだった。使いこなせるんだろうかこのスキル。すごく心配になってきた。

期間が開いてしまった・・・


話が一区切りついたら書きだめをしようかな・・・

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