田んぼ
良くある?
今日は、じいちゃんの田んぼに遊びに来た。
建て前はおてつだい、実際は田んぼの生き物を捕まえて遊ぶためだ。
「おーい、行くぞ~」
「うん」
じいちゃんが、あぜ道の草を草刈り機でウィンウィンいわせながら刈り取ってる。
じいちゃんすっげーかっこいい。
「おーい、草刈っとるときは危ないから近づいちゃダメだぞう」
じいちゃんが叫んでる。
「わかったよ~!」
ぼくも大きな声で返事を返す。
じいちゃんが草刈りしてる反対側のあぜ道から田んぼを覗く。
基本オタマジャクシばっかりだ。
じいちゃんの田んぼはあんまり農薬を使ってないから手を入れても大丈夫だ。
オタマジャクシを捕まえるときは手づかみじゃないといけない。前にタモで捕まえたらお腹にキズが付いて内蔵はみ出ちゃってた。可哀想だったからそれからはずっと手づかみだ。
おかげでオタマジャクシを捕まえるのはちょっとした名人だ!
でも今日のターゲットはオタマジャクシじゃない。
ゲンゴロウだ。
ちっこいヒメゲンゴロウは前に何回も捕まえた事があるけど、でかいゲンゴロウ、ホンモノのゲンゴロウを捕まえたい。
…
……
いない。
「じいちゃ~ん、ゲンゴロウって居ないの~?」
大きな声でじいちゃんに聞く。
「!…なんじゃ~?」
草刈り機を止めながらじいちゃんが相づちを返してくれる。 「だから~、ゲンゴロウって居ないの~?」
「ゲンゴロウ?」
「うん。ゲンゴロウ、でもでっかい奴だよ」
「…そういや、最近見たこと無いな…。」
「居ないの?」
…ちょっとショック!
「っ! いや、全く居ない訳じゃ無いぞ! 良く探せば居るはずやぞ?」
じいちゃんが慌てた感じで言ってきた。
じいちゃんのリアクションを見ると居ないみたい。
まあ、この辺ド田舎じゃないからしょうがないのかな。
まあいいや。
ほかにも面白い生き物はたくさん居る。
よく見るとちっこいカブトガニみたいな奴とかドジョウなんかもいるし、ゲンゴロウの偽物みたいなガムシって奴。
ほかにはずっと逆さまのまま泳いでる奴とか、ミズカマキリなんかもいた。
…
……
「じいちゃん、この赤と黒のトカゲみたいなのなに?」
「どれ?」「あいつ!」
ぼくは赤黒を指差した。
「あれはイモリや」 「イモリ?」「そう。」
「あれがイモリか!」
ぼくはちょっと賢くなった。
他には
…
……
……!!
あれはまさか!
よしっこっちこい!
よしっ よしっ
慎重に田んぼに手を伸ばした。
うおぉ! ゲ、ゲンゴロウ!マジですか? そうですか。
「じいちゃ~ん!居た!やった~」
テンションか上がったぼくは叫びながらじいちゃんに向かってあぜ道をダッシュ!
「じいちゃん、じいちゃ?っ…」
ヤバっ 滑っ
ドッパーン
真横に向かって田んぼへダイブ!
反射的に手を離したのでゲンゴロウもどっか行っちゃった…
「!だっ大丈夫か~?」
「…うん…でもゲンゴロウが…」
「怪我が無ければいいわ…」
じいちゃんがそう言いながら肩に掛けてたタオルを渡してくれた。
顔とか手足拭いたけどふくが左半分ドロッドロ。
「早よ家帰って風呂入ってこい」
じいちゃんがそう言いながら母ちゃんに電話してくれた。
母ちゃん怒るかな?
まあいいや。
皆も田んぼのあぜ道は走っちゃダメだよ。
ホントにあぜ道は走っちゃダメです。




