DDAY3日前
大統領府は主星イスワタの一角にあった。
最大の大陸ノーザンの東海岸に主星と同じ名のイスワタ、人口は1000万人である。
緑の多い、首都の中心部にその白い建物はあった。
その周りには高さ100メートルの大きなノーザン星域議会議事堂と、10階建ての正八角形のノーザ
ン宇宙軍本部があった。
その執務室でケアル・ナアは報告を受けていた。
「3日後からの主星域遊説スケジュールですが、当日イヌワタをでた後、ヌエーヤによって・・」
秘書のカレンが話すのをケアル・ナアが聞いていた。
「外遊の予定はそんなものだろう。フレクスの動向はどうなっている。」
最大の懸案事項であるフレクスについてケアル・ナアが聞いた。
「現在ローヤルの行方は不明です。ジパングとの国境地帯を中心に防御体制は完璧です。3軍を中
心にしてローヤルの残存勢力など今回は負ける要素はありません」
ホフマン元帥が応えた。
「ジパングはスウ王女を中心にハルカに戦力をしゅうちゆうしつつありますが・・・」
スタンリー補佐官が聞いた。
「第4軍がそこにプラスされても、我々の敵ではないよ」
ホフマンが一蹴する。
「ま、閣下はゆっくりと遊説をお楽しみ下さい。その間にのみは始末しておきます。」
「あと、フレクスにも十分にテロに注意するように伝えておいてくれたまえ。」
そう言ったケアル・ナアにしても他の誰にしても、ここが戦場になるとは夢にも考えていなかっ
た。




