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トムの工作

惑星フレクスは海陸比が1対1の美しい星だった。

中には100以上にも及ぶ大学と研究所が森の中に点在していた。

その中の一つ、オズワルド通信機器研究所の1室でウージ・スミス博士は人と会っていた。


「トム、本当に穏便に済むのだろうな」

ウージ・スミス博士はこれで5度目の確認をした。フレクスの中の穏健派の評議員である。

「ええ、当然です。」

いい加減にうんざりしつつ、できる限り不満を顔に出さないように、トム・ベースは答えた。

「テロの元凶のボストン博士を我々特殊部隊が拘束する。これで、フレクスのテロ輸出国家の汚名がそそがれてノーザンとフレクスの間の敵対関係は無くなり、ノーザンとしても、堂々とフレクスの良い商品を輸入できるようになるのです。」

空で暗記してしまった、言葉をもう一度説明した。


現在のフレクスの議長はオズ・サワ博士であったが、実質の議長は傭兵部隊のトップのボストン博士だとも言われていた。傭兵部隊を持つことによって中立を損なうという考えもあり、穏健派の中には、傭兵部隊を持つことに対して、懐疑的なメンバーもいた。

スミス博士はその代表的な人間だった。

そこにノーザンは付込んで、接触を図ってきたのだ。


「それに、今回の協力によって、博士の研究に対して、1兆クレジットの研究費をノーザン政府は支給すると言っています。これにて、技術が確定すれば、次期通信システムはスミス方式が宇宙のスタンダードになるんです」

「トム、私は自分のためにやっているのではない。世の中の人のためにしているんだよ」

「それは良くわかっていますよ」

機嫌をよくしたスミス博士の言葉に付き合いながら、トムは早く戦場に出られるように祈りだした。

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