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クリスの恨み
「ハクショッン」クリスは思いっきりくしゃみをした。
「あら、クリスが風邪?」
エーミが驚いて聞いた。
「はくしゅん、はくしゅん」
続けてくしゃみをする。
「変ね。あなたが風邪を引くわけ無いのに」
「馬鹿は風邪を引かないとでも言いたいのか?」
きっとしてクリスが言った。
「まさか。そんな事恐れ多くていえないわよ」
「どうだか・・・・どのみち、ローヤルが又うわさしているに違いないわ」
「それも悪いうわさね」
エーミが尻馬に乗って言った。
「ろくな事していないから」
最後は小さな声で言った。
「エーミ、何か言った?」
「いえいえ、ローヤルの考え違いもはなはだしいと」
慌ててエーミは言った。
「そうよ、私に手を挙げたのは絶対に許さないんだから」
エーミは肩をすくめた。3年前の事をまだ、根に持っているなんて
「ローヤルもまだまだ大変ね」
これは言葉に出さずに心でおもった。




