アスワンへの迎え
フレクスから100光年の小惑星の中、エクサス基地では、各地から傭兵部隊が次から次に帰還していた。
「エキスペクトが帰ってきた。」
ジョーがスタッドに言った。
「あの1万光年跳べる貨物船が」
スタッドが聞いた。
全長1000メートルを超えるそれは大きな輸送船だった。
エンジンはフレクスの技術を結集して作られており、最大、1万光年をワープできた。
大半は格納庫で、ララポート級の宇宙船を5隻収納できた。
フレクスの中では最大の船である。
鉱山惑星、ハルカの独立運動に取り組んでいたが、今回のノーザンの侵攻に伴う、ノーザンの攻勢で戦力の3分の一を失って退却してきていた。
「どうだ、ローヤルを迎えに行くか?」
「どの道、迎えに行かなければならないし、」
「故郷への凱旋にもなる。」
ジョーが言った。
「知っていたのか?」
スタッドが聞いた。
「アスワンは生まれ故郷なんだろ」
「主星域ではないがな」
「黒い死神か・・・」
「さあな、それよりも、この船なら、ノーザン本土への攻撃も可能だな」
「プロジェクトエックスか」
「面白いと思いますけど」
「こちらが手薄になるのでは」
「それは、リッキーらに任せればいいんでないの。」
「たしかに、奴ならある程度は役立ちそうだ。
ま、発動するかどうかは新しい、指導者に任そう」