スウとローヤルの愛
スウは必死に駆けていた。
遅れるとローヤルが殺される。
そう思い必死に駆けた。
ローヤルの拘束されている十字架を目指して。
しかし、体はなかなか思うように駆けられない。
トムがにやりとした。
「ローヤル!」
はっとしてスウは飛び起きた。
そして、ローヤルの顔のアップにびくッとした。
機内は薄暗かった。
亜空間の虹色の世界の中を青のイレブンは驀進していた。
現実がスウに蘇った。
思わずスウはローヤルにもう一度抱きついていた。
「良かった。無事で」
「うっ」
ローヤルが呻く。
ローヤルを良く見ると服は傷だらけで、服からはみ出た、手足は傷だらけだった。
「すごい傷」
慌ててスウはローヤルの上から立ち上がる。
そして、操縦席を移動させ、後ろのタンクベッドにローヤルを移す。
疲労回復、傷の治療用のタンクだ。
ローヤルの衣服を剥いで、傷の箇所をチェックする。
大した、傷はないようだった。
顔だけ出して、治療用の水溶液を入れる。
「うっ」
痛さに思わずローヤルは声を上げた。
意識はまだ、朦朧としているようだった。
「大丈夫よローヤル。」
そう言うとゆっくりとローヤルの頬に手を添える。
「ゆっくり休んで。」
スウはそういうとローヤルの唇に自らの唇を軽く合わせた。




