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ラッセルの決断

「まだ、スウ王女とローヤルの行方はわからんのか。」

惑星パルミールの大臣室でレント内務大臣は大きな声でしかりつけていた。


「フレクスとの回線が遮断されたままで、情報が取れていないのが現状です。」

ゼーマン少将が答えた。


「ノーザンは何と言っている。」

「スウ王女については善処すると」

「ローヤルについてはどうなのだ。」

いらいらしてレントは言った。

「テロリストについては生命の保証はしないと。」

困った顔でゼーマンは答えた。

「何だと、内政干渉だと直ちに連絡しろ。ローヤルの身に何かあったときはこちらにも考えがあるとケアルに伝えろ」

「しかし、ローヤルは国際手配されているテロリストです。閣下もいい厄介払いだと」

ゼーマンは慌てて言った。

「馬鹿もん!オリオンの前でそう言うのか?」

レントはゼーマンをにらみつけた。

「何かあったときは、オリオンが招待してくれるそうだ」

「オリオンが招待してくれる?」

「レスターの二の舞になるということだ。」

「了解しました。直ちに全力を持って交渉に当たります。」

ゼーマンは敬礼した。

「うまくいかなかったときは、お前もオリオンに来るのだぞ」

「それだけは・・・」

「嫌なら全力で阻止するんだ。」

「了解しました。しかし、ノーザンは強気です。こちらもある程度の力を見せないと交渉には応じないものと思われますが・・・・」

「陛下は艦隊の派遣に消極的だ」

レントはため息をついた。

「しかし、現状では交渉に応じないのではないでしょうか」

「そうだ、いざという時のために第五艦隊をフレクスに派遣しろ」

レントは指示した。

「国王陛下の許可は良いのですか?」

「スウ王女が危機に陥っているらしいとラッセルに流すのだ。それだけで向こう見ずラッセルはフレクスに向かうだろう」

「確かに、彼ならやりかねません。」


そしてため息をついた。

「こちらも命がかかっているんだ。出来る限りの手は打ちたい。」


「フレクスの状況はどうなっている。状況はつかめたのか。」

ラッセルはオペレーターに聞いた。

「状況はまったくつかめていません。ノーザン発表によると完全に占拠したというのと、テロの親玉ボストン博士が死んだというだけです。」

「何を言っている。ボストン博士はテロの親玉ではない。」

ラッセルが激怒した。

「申し訳ありません。ノーザンの言うにはです。」

「おのれ、ノーザンめ。自分らが侵略国家なのを隠して、それに天誅を加えている、ボストン博士を亡き者にしたとは許せん。」

ラッセルはきりきりと歯をかみ締めた。

「ラッセル中将。情報部の状況によるとスウ王女が捕まったかもしれないと」

「何だと、詳しい状況はわからんのか」

「現在、ゼーマン少将を中心としたチームが、調べているそうです。それについて、ゼーマン少将から、その方面の情報収集の依頼が来ています。」

「よし、それ載った。直ちに全艦警戒態勢を取りつつ、フレクス方面に移動する」

ラッセルは決断した。

「宜しいんですか?」

「ふん、俺とて、向こう見ずラッセルと言われた男、この状況でじっとしていられるか。」

ラッセルと不敵に笑った。

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