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第111話
「安心して、海。私はあなたの敵じゃない。あなたの味方なのよ?」
星は海を抱きしめながら、怯えている(と星は気がついた)海を安心させるようにして、できるだけ優しい声と笑顔で海にそう語りかける。
海は星の腕の中で暴れ続ける。
星の声に耳を傾けてくれない。海の長い爪が星の背中に食い込んでいく。痛みで星が顔をしかめる。
二人は地面の上で格闘を続けている。
『星? なにしてるの? 僕にまかせてって言ったじゃないか?』
魚の声が聞こえる。
うるさい! あなた、海をどうするつもりだったの!?
星は魚にそう怒鳴った。
(頭の中で星は魚に怖い顔で怒鳴っているが、海に向ける顔は優しい笑顔のままだ)
星が魚に怒っているのは、魚の魔力の異常な増大を自分の内側に感じていたからだ。その魔力は、あまりにも大きくて、(とても海を救うための魔法とは思えないほど、強力だ)海が星に向けて(星を世界の外に追放しようとして)放った魔力に匹敵するほどだった。
その魔力には攻撃的な感情が込められていた。そのことを魚は隠そうともしていない。
魚は海を攻撃しようとしていた。
そのことに星は(すごく)腹を立てていたのだ。(なにが僕に任せてなのか。こんなんじゃ全然、海のことを魚に任せることはできない)




