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赤い瞳の冥府の王は白き乙女を手放せない  作者: なかな


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それから2



「冬賀、それじゃマコモはもう連れ帰るからな」


「あぁ分かった、そうしてくれ閻魔……エンジュ」


 エンマは冬賀さんに断りを入れると、私の手を取り歩き出した。


「社長!青木さん、陽太さん、お先に失礼します。お疲れ様でしたっ」


 私は手にしていたショルダーバッグを抱え直し、エンマに手を引かれながら事務スペースを後にする。


「ちょっとエンマ様、帰るの急すぎません?陽太さんに仕事を押し付けちゃったんですけど?」


「何の問題も無かったであろう。あの陽太という男は抜け目がない。これで冬賀とも、あの娘とも仲が深まるのだから、感謝をされても良いくらいだ」


「そんな事あります?!」


 エンマは事務所を出るかと思いきや、その手前を曲がって商談室に入った。


「今日はこのまま冥府に帰る。マコモは仕事以外の時間は、私と共に過ごすのだからな」


「……そういうのって束縛じゃないですか?私にも自由な時間は必要ですよ?」


「ならばこう思えばよい。今は蜜月でこれは溺愛だ。私達はまだ存分に2人の時間を取れていないからな。明日からの連休に備えて、私はマコモを迎えに来たのだ」


「…………言ってて恥ずかしくないですか?」


「私は随分と待ったからな、今はこうしていられる事をとても尊く感じている。恥ずかしいなんて、マコモはまだまだだな」


「そりゃ、私はまだまだですよ。ようやく成人したくらいなんですから」


「『もう立派な成人』じゃなかったのか?あの勢いはどこに行った?」


「何でそんな言葉覚えてるんですか?もうっ、忘れて下さいよっ!」


「マコモは愉快だな。ほらっ、冥府の部屋に帰るぞ。私にしがみつけ」


「エンマ様ってやっぱり性格悪いですよね?!」


「そうか?でもそれは『おあいこ』なんだろ?」


 エンマはこんな性格なのに記憶力はしっかり良いから嫌になる。


「もう帰りますよエンマ様。ほらっ急いで下さい」


「そうだな。もう言い合いはおしまいだ。帰ろう私たちの住まいへ」



 ◇



「あの2人、商談室で何を話してるんでしょうね?」


「陽太君、それは知らなくて良い事なの」


「えっ?何すか?僕、空気読めて無かった?……あ、声が聞こえなくなりましたね。でもあそこのドアから誰も出ていって無いですよね?」


「陽太君、ここに来るならエンジュの事は気にするな。これは君の身を守る為に言っておく」


「え……何すかそれ?怖っ、まだ何か僕の知らない何かが……」


「陽太君っ、だから今は知らなくても良いの。あの2人の正体は……いつか必ず分かる時が来るんだから」


「こっわー……何すかそれ……」




 了


最後までお読み下さりありがとうございました。

 これにて「マコモとエンマ with 冬賀」のお話しはお終いとさせていただきます。

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