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赤い瞳の冥府の王は白き乙女を手放せない  作者: なかな


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解放2



 ◇


「よしっ、6発目も入った!」


 目の前の巨大な妖魔の表面は波打ち、内側から広がる白い光が巨体を包み込むように走り出した。


「やったな清野……こんなデカイ妖魔が消滅する瞬間を見られるなんて思わなかった」


「本当にそうですよ。こんな異形の妖魔を滅することになるなんて、私も思いませんでした」


 白い光は妖魔の中心から徐々に消えていき、その後はポッカリと空洞になっている。

 その空洞から次々と出てくるのは、解放された魂たちだ。

 赤や青、輝くような白色の魂までもが、消えかかった妖魔の体から解放されて、飛び出て来ている。


「あーっ!社長っ!出入り口に結界張ってるから、魂たちが足止めされてますよっ」


「おっと、しまったっ。まだ結界解いてなかったんだ」


 冬賀さんは置いていた呪術用の道具類を片付けに、慌てて出入り口へと向かって行った。



「冬賀さんっ!やっと見つけられた……はぁーっ」


 表通りから入ってきた明るい髪色の人は陽太さんだ。

 ここに来る途中で、冬賀さん達とはぐれてしまったみたいだな。


「急に走って行って、どっかに消えちゃうんですもん。僕、置いていかれて軽く絶望しました……とっ」


 陽太さんのパンツの後ろポケットから、着信音が鳴っている。


「あ、うん。その通りを右に入って……そう……見えた?……せんぱーいっ!」


 陽太さんがスマフォで話しながら、片腕を大きく降っている。

 その先にいるのは、なんと青木さんだ。


「さすがアッキー先輩っ、ここまで来るの早かったですね」


「後悔したくないからタクシー使ったよ。清野さんが連れ去られたなんて聞いて、後でどうなったか知らされるなんて絶対に嫌だったし。……清野さんっ、大丈夫でした??!」


 息を切らしながらやってきた青木さんは、直ぐに私を見つけ出して声を掛けてくれた。

 突然の知らせだったはずなのによく駆け付けてくれたよね……本当に有難いな。


「あ、本当だ!清野さんもいる。あれ?もしかして、奥にエンジュさんと居るのは……常磐君っ!」


 陽太さんがビルの奥に入ってきた。

 常磐くんはこのまま陽太さんに任せるのが良いのだろう。


「冬賀さんっ、もう妖魔は消えたんですか?私、万が一に備えてカメラも持って来たんです」


 緊急の呼び出しでも仕事道具はしっかり持ってくる青木さん、その用意周到さは流石だな。


「ありがとう青木さん、わざわざ駆け付けてくれてカメラの用意まで。妖魔は今、清野と一緒に退治したところなんだ。これで常盤君も妖魔から自由になれた」


「そうなんですね。そうか……やっぱり私、決定的な瞬間には間に合わなかったんですね。でも男の子も助かって、皆さんが無事なら良かったです」


「あぁ、本当にそうなんだ。清野が連れ去られたと聞いた時はどうなるかと思ったが、こうして彼女も無事だったしな」


 そう言って冬賀さんが私の頭に手を乗せた。


「あっ……」


 青木さんの瞳が軽く見開かれ、息を呑むような表情をしている。


「冬賀さん……これ、多分誤解されるやつです」


「っと……そうか、危ない危ない。なんか清野は妹みたいに思うんだよな」


 妹……そういえば深月さんは?!

 エンマを見ると、眉根を寄せて不快感をあらわにしながら、私たちの頭上を指さしている。


 ……上?


 私たちの上に白い光が一つ、漂っていた。

 まだ小さく、幼いだろう純白の魂。


「社長、ミーニャさんの目を借りて、頭の上を見て下さい」


「は?何だ?頭の上って……」


 そう言った冬賀さんは、数秒の後に顔をこわばらせ、口元を片手で覆った。


「マジか……。本当に深月、なのか?」

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