♻︎ Now Reincarnating…♻︎
Satisです。二話目にしてまだ転生出来てません、へへ…すみません(平謝り)。
ただ、一話目とだいぶ雰囲気が変わってしまいます。もしかしたら、早くも気にいらないと思わせてしまったり汗。是非、呆れずに暖かく見守って頂きたいです。
(…あれから、どれくらいの時が流れたのだろうか…、俺は…死んだのか…。苦しさも痛みも…何も感じない。とても、穏やかな気分だ。耳をすませていると、鳥の声でも聴こえてきそうなくらい…)
「おぉ、呂布よ。死んでしまうとは情けない!」
急な男の声に意表を突かれ、呂布はカッと目を見開くや否や、直ぐ様身を翻し構えた。
白い衣を纏った翁が、フォフォ…と髭を撫でながら此方を見ている。
「…貴様は…誰だ?」
「…ワシは…神よ!」
呂布の額に、じわりと汗が滲む。
(…太平道や五斗米道のような新興宗教の勧誘だろうか。老いぼれた見た目の割に、堂々として…)
「違うわぁッ!勝手にカルト教信者にすなぁッ!あと、老いぼれは余計じゃッ、地味に傷つく…クスン」
「!…心を読むだと!?魑魅魍魎の類か!」
「カルト教信者の次は、バケモン扱いって…酷くない?」
「…カルトとは何だ?」
「そこッ!?気になるの、そこぉッ!?ワシの気持ち、そっちのけでっ!?…此奴、コミュニケーション取りづらいのぉ…」
「コミュ…なんだって?」
「…いかん、このままこのド天然に振り回されて、本題を話す前にワシの気力が無くなる…」
「ド天n…御老体、珍妙な言葉ばかりで話が進まん」
「えぇ…何、このワシのせいみたいな雰囲気…。えぇい!面倒じゃ、先ずはこれでも食らえぃ!」
そう言うと老人は、ウサギさんカットした赤い果実を呂布の口めがけて投げ入れた。
「な…何を!?ぐッ…これはッ…美味いぃッ!」
「そうじゃろ、そうじゃろォッ!品種改良に改良を重ねて、やっと到達した絶妙な酸味と甘味のバランスッ!…いやいや、そうじゃなくて。…味褒められて、ついついはしゃいでしまったではないか」
「ウサギのフォルムを模したのも可愛い…。…!!。フォルム、ド天然、カルト…何だ?急に言葉の意味が、理解出来る様になったぞ!?」
「ハハァッ、すごいじゃろ!これぞ、知恵の実の力よ。そしてェ、ワシこそが…ンァア神よォッ!!」
周りが見えなくなる程輝く後光を背に、翁は振り向きながら最上級のドヤ顔をして見せた。
「ムシャムシャ…ンンッ、美味い。ムシャムシャ…」
「…あのぉ。…ガッツいてくれるのは嬉しいんじゃが、ワシ今結構大事な事言ったよ?」
「ムシャムシャ…聞いてる…ハァ…ングッ、ムシャムシャ…神しゃま…ムシャムシャ」
「…わかった、一旦落ち着こう。ゆっくり食べよっ、ねっ。詰まらせると大変だから。待ってるから」
「あぃがほ(ありがと)…ムシャムシャ…ングッ、おははぅ(ござます)…ムシャムシャ」
「…あ、うん…。…美味し?」
「ムシャムシャ…ふぁぃ(はい)…ングッ、ムシャムシャ」
「…そっか、フフ」
こうして呂布がウサギさんカットの林檎を頬張り、眩しいお爺さんがそれを見守るという、奇妙で微笑ましい謎の光景は小一時間続いた。
ーーーしばらくして…
「ハァァ…堪能しました。神さま!」
「…ん、知ってる。側でずっと見てたからね」
「凄いですね、この『林檎』という知恵の実は!言葉遣いもすっかり変わってしまった!」
「うん…なんか今更感あるけどね…」
「…それで本題とは?」
「あ…一応、話はちゃんと聞いてくれてたんだね…」
「…どうかされましたか?」
「いや、…なんかチョット疲れちゃった。…ふぅ、さぁ、気持ち切り替えて行くぞぃ!」
「宜しくお願いします!」
そう言うと、豆電球程度だったお爺さんの後光が再びピカピカと煌めき始めた。
「呂布よ、改めて名乗ろう。ワシがこの世界の神、ゼウスであるッ!」
「はいッ!」
「呂布よ、お前はその武勇と智略で、群雄割拠の乱世を駆け抜けた。しかしながら、道半ばにしてお前は英雄達の前に倒れてしまったのだ!」
「はいッ!」
「そしてぇッ、あの乱世より約1800年…ッ!今も尚、お前の武名は数々の男の子に夢と希望を与え続けておる!」
「はッ…え?1800年?…俺が死んでからそんなに経つんですか」
「そうじゃッ!」
「1800年も…魏や蜀、呉といった国々はどうなったんですか?」
「とっくに滅んだわ」
「…マジで?」
「大マジじゃ。まぁそれは置いといて…。1800年後の現代でこの度ぃッ、アンケートランキングがあったッ。題して『第一回! 異世界転生したら絶対生き残る三国志武将は一体誰!?』じゃッ!」
そう言うとゼウスは、パフパフとラッパホーンを鳴らしてみせた。
その様子を白い目で見ていた呂布が、気の抜けた返事をする。
「は…はぁ」
「もう、わかるじゃろう。お前は名のある武将の中で圧倒的な票を獲得し、堂々の優勝に輝いたのじゃ!」
「誰得なんでしょう、その優勝は…」
「ワシも知らん。だが、こんな誰得ランキングでも盛り上がれるほど、世界は平和になったと言う事じゃ」
「…まぁ、良かったですね…」
「…あぁ、本当にな。ン…そこでぇッ!ワシも彼らを見守る存在として、この興に乗ってあげることとした!」
「…暇だったんですか?」
と図星を突かれてゼウスは動揺した。
「シ…シシシ失礼なッ!我が子の夢を叶えてあげたいッ、その一心じゃ!」
「…そですか」
「なんじゃ、その目は。…まぁいい。そこで、呂布よ!お前にはあの時代でもない、現代でもない、未来でもない…しがらみのないファンタジーの世界で、伸び伸びと生きてもらいたい!」
「神さま…俺は」
「呂布よ、其方もまたワシにとって愛しい我が子の一人。…生まれた時代が悪かった、そう言って片付けるのは簡単じゃが、本当は皆に等しく伸び伸びと生きて欲しかった。今更と思うかも知れん、しかし戦いの中でしか輝けなかったお前の違った輝きを、今一度ワシらに見せて欲しいのじゃ」
「神さま…」
「呂布よ…」
しばらく2人は見つめあっていたが、呂布が続けた。
「…楽しんでますね」
「あぁ、ぶっちゃけ楽しんどる。なんせ、お前程の傑物の転生はワシにしか出来んからな。ファッファッファ!…とは言え、先ほど話した事も偽りの無い言葉よ。呂布よ、異世界で…アオハル…してこいッ!」
「…有り難う御座います」
「おぅ、しっかりやるのじゃぞ。因みに、アンケート結果の詳細はこの通りじゃ」
そういうと二人の前に巨大なスクリーンが現れた。詳細がゆっくりと自動でスクロールされていく。
「…な、なんですか!?この内容は!?」
「気付いたか。悲しい事に1800年の時の中で事実がねじ曲げられて伝えられた結果、現代の人々のお前に対する評価は≪脳筋ゴリラ≫よ。あの壮絶な最期すら、縛り首の一言で片付けられておる」
「…」
「腹がたったか?」
「決して気持ちのいいものではありませんが…、それだけ張遼が陳宮の策をしっかりと成し遂げてくれたという事でしょう」
「左様。その結果として、統一は魏でも蜀でもない、晋という国によって為された」
「そうでしたか。…やはり張遼に任せて正解だった」
「フフフ、満足したようだな…だが、此奴らはどうしても納得いかんらしいぞ?」
ゼウスがそういうと、何も無い空間が引き戸のようにガラッと開いた。
「殿、お待ちしておりましたぞ」
「良い酒がもらえたようですね」
と言いながら、陳宮と高順がゆっくりと近づいてくる。
「…お前達…」
呂布は滲んだ二人の顔を真っ直ぐ見ていられず、崩れるように片膝をついた。
小走りで二人が駆け寄る。
「殿の最期、武人の生き様として比類なきものでしたぞ」
「流石に馬8頭はヤバいでしょう」
呂布は涙を拭いながら言った。
「…そうだったのか、馬8頭で俺は酒瓶を落としてしまったか」
「いえ、酒瓶より先に頸が落ちましたぞ」
「…え?」と呂布。
「陳宮殿は殿の最期だからと何度も巻き戻して見せるんですが、私はグロいのが苦手で…」と高順。
「泣きながら嘔吐してましたな」と陳宮。
あんなに吐くなら観なければ良いのに、…いやいや如何にグロと言えど殿の最期に目を背けられませんなどと陳宮と高順が談笑する側で、呂布はプルプルと震えていた。
「…俺の最期って、巻き戻して観れるもんなのか?」
そう言ってゼウスの方を見ると
「あぁ、観れるよ。永久保存版じゃからな」とあっさり答えが来た。
呂布が初めて黒歴史の意味を知った瞬間だった。
ただ転生するだけでは、呂布が呂布のままでアオハル出来ねぇ!と思い知恵の実の力を借りさせていただきました。知恵の実のお陰で、呂布さんは没後1800年の大まかな知識と現代の常識をある程度身に付ける事が出来ました。現代の単語も使え、特有の口調を続けなくてよくなって、みんなみーんなHAPPYだねっ♡(へへっ)
では、また次回呂布さんにドタバタして頂きましょう。




