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8 巻き戻り後 二回目お茶会当日 ~マリーベルside



今日は、とうとう二回目のお茶会の日だ。


私は、今日のためにとびきりのおしゃれをした。あんなに素敵なレオンハルト様にお会いするんだから、少しでもかわいいと思っていただきたいもの。

今日は散々迷った挙句、レオンハルト様の瞳の色に似た青色のワンピースを着ることに決めた。髪型はどうしましょうか?これに似合うリボンは何色にしようかしら?


そんなことを考えて準備していたら…

なんと、出かける予定の時刻を過ぎてしまっていた。


私は、慌てて玄関を出た。


すると、今日は王家から王命で贈られた馬車が準備されていた。なんと、王家推薦の御者まで手配してくださったようだ。王子様の婚約者って、そんなに尊重していただけるのね。なんだか、少し申し訳ないような気持ちになった。


それでも、レオンハルト様のお茶会に遅れるわけにはいかないと、すぐさま出発することにした。


馬車はとても快適だった。やはり、王家の馬車は格が違う。揺れも少なくて優雅に王宮まで導いていただいているような心地になる。

しかし、問題は少し時間が遅れているところである。

急ぎたい気持ちはあったが、王家推薦の御者の方に初日から注文を付けるわけにもいかなくて、やきもきしながらも王宮に向かっていくことになった。


やっと、王宮にたどり着くことはできたが、やはり約束の時間は少し過ぎてしまっていた。侍従の方が馬車を降りたところに待っていてくださった。


「マリーベル様、お待ちしておりました。本日は諸事情が重なり、始まりが少し遅れることになっております。私がお茶会のお席へご案内いたしますが、始まるまで少しお待ちください。」


(ああ、よかったわ。少し遅れてしまったけれど、お待たせしたわけじゃないんですものね。)


侍従の方が案内してくれたのは、色とりどりの花の咲く美しい庭園の中にある東屋だった。


侍従の方が、紅茶を出してくださり、私は花を見ながら待つことになった。


テーブルには、珍しいと言われるオレンジ色のバラの花がたくさん飾ってあった。

(前回お話に出したから飾ってくれたのかしら?王宮の方の心遣いって素敵ね。)



そうしてしばらく、庭園を眺めて待つと、レオンハルト様がちょっと慌てたように歩いてきた。


私は、すぐさま立ち上がり、頭を下げて待った。


「あ~。来ていたか?待つのもいい時間となったことだろう。」


レオンハルト様はそう言った途端、口を結び、不愉快そうな表情に変わっていった。


(私の到着が遅れてしまったから、きっと怒っていらっしゃるのね。失敗したわ。)


「私の方こそ、遅れてしまい大変申し訳ございません。」


私が焦ってそう謝ると、レオンハルト様はすまなそうな表情になり、動かなくなってしまった。


「あの~。本当にお待たせしてしまい、申し訳ございませんでした。」


「今後は気を付けてくれ。」


レオンハルト様はそれだけ言うと、視線を下げてしまわれた。


(時間に厳しい方なのかもしれないわ。次からは、気を付けなければ。)


「今後はこのようなことのないように肝に銘じます。」


私も、もう一度しっかりと謝ることにした。しかし、レオンハルト様は硬い表情で返事もしてくださらなかった。


(なんだか、最初から気まずい雰囲気ね。なんか私から話をしなければ。)


「王宮の方の配慮は素晴らしいですね。前回、見せていただいた珍しいオレンジ色のバラの花がたくさん飾ってあって素敵です。本当にいい香りがします。」


私は、レオンハルト様に飾ってある花について感想をお伝えした。すると、レオンハルト様は、一瞬目を見張り、悔しそうな表情をなさった。その表情を見た瞬間、会話の選択を間違えたような悲しい気分になった。


「――紅茶もう飲んでいるのか?」


レオンハルト様は、心配そうな表情をしながらつぶやいた。


(出していただいたから頂戴しちゃったけれど、待っていた方がよかったのかしら…)

私も、不安になり、テーブルの下で両手をぐっと握ってしまった。


「気を遣ってくれ。それより、お菓子は…」


レオンハルト様がそう声をかけると、メイドがお菓子をテーブルに準備してくれた。出されたお菓子を見て驚いた。そこには、様々な種類のフルーツのタルトが並んだからだ。

(それにしても、王宮の方の気遣いは素晴らしいわ。前回のお茶会の時に私が話した言葉を覚えていて準備してくださるんですもの。)


「食べないか?」


「はい。それでは、桃のタルトをいただきます。」


私は、緊張しながらも慎重にお菓子をいただいた。レオンハルト様は紅茶を飲みながらも落ち着かない様子で心配そうな視線を投げかけてくる。


「…とてもおいしいです。」


「…ああ。」


レオンハルト様はそう言うと、一層口を結んで考え込むような表情になっていった。


「もしかして、あまりお加減がよろしくないのでしょうか?」


「……そうだな。」


私が心配して声をかけると、レオンハルト様は悲しそうな表情で返事をして、下を向かれてしまった。


「無理はなさらないでくださいませ。では、またの機会に…」


私がそう伝えると、レオンハルト様は顔を上げ、ため息をつかれた。


「――ああ。」


そうして、二回目のお茶会が終わった。


レオンハルト様は、すぐに退席され、私は馬車の準備ができるまで、もうしばらく待つように声をかけられた。


一人になると、今日の失敗ばかりが浮かんできて、悲しくなってしまった。


果たして、次のお茶会はあるのだろうか?


もう終わりになってしまったりして…


レオンハルト様の表情も今日はとても悲しそうだった。


何が悪かったのか、これからどうしたらいいのか―――


何の手立ても浮かばないまま…



私は、馬車に乗って帰った。



屋敷に戻っても、私の気持ちは晴れることはなかった。


お読みいただき、ありがとうございます!

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