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31 最終話 結婚式



もうすぐ私たちの結婚式。リリアには、侍女として私についてきてもらうことが決定している。でも、一つだけ心配なことがある。それは……


私は見てしまったのだ。リリアが王宮の人気の少ない場所で、レオンハルト様の側近のノア様と二人で話しているところを――――

しかも、壁際で逃げられないようにノア様に囲われて、リリアが顔を真っ赤にしていたのだ。もしかしたら……

リリアが何か粗相をして、怒られていたの?

それとも、何か弱みを握られて責められていたの?

どちらにしても、これからずっと顔を合わせなければならないのだ。このままで大丈夫だろうか?


私は、こっそり何気なくリリアに聞いてみることにした。


「ねえ。リリア?私が結婚して王宮に移るんだけど、本当についてきてもらってもいいの?リリアが困るんだったら、私、公爵家に残れるようにお父様に伝えてもいいけど?」


「お嬢様!?それって新手のツンデレ攻撃ですか?それとも、本気で私をお払い箱にしたいと思っていますか?」


「お払い箱の意味は分からないけど、リリアのことはもちろん大好きよ。ついてきてもらえたら、本当にうれしいのよ。」


「お、お嬢様!ツンデレが過ぎます。というか、デレデレでしたね。あ~生きててよかったです。もう思い残すことはありません。―――嘘です。まだまだ近くで見ていたいです。」


「もう、リリアったら。私が心配しているのは、見ちゃったからよ!」


「えっ!?お嬢様は家政婦でしたっけ?私の何を見ちゃったのでしょうか?」


「ごめんね。たまたま見ちゃったんだけど、リリアがノア様に何か怒られているところよ。」


「ん?ノア様に怒られた?私、ノア様には一度も怒られたことなんてないですけど?他人の空似でしょうか?」


「王宮の壁際のところで、追いつめられたように何か言われていたでしょう?」


「うっ……あれを、見ちゃったんですか?でも、怒られた?ああ。そうですか。お嬢様。あれは怒られていたのではないですよ。私、今度ノア様にお伝えしておきますので、今度レオンハルト様と真似をしてみてください。何をしていたのか分かりますから!結婚式の後にしてくださいね。そして、やってみる時には私にもいつやるのか必ず知らせてくださいね。お願いします。」


全くよく分からないけど、怒っていないのならいいのかしらね。


結局、リリアは結婚後も喜んでついてきてくれると約束してくれた。置いていったら泣いちゃいますとまで言われてしまった。




もう一つ。


結婚式の前に、レオンハルト様と私の絵姿を描いてもらえることになった。描いてもらえること自体は嬉しいんだけど、描いてくださる方が驚きだった。王宮御用達の画家の方かと思いきや、最近決まったアレクシス王子殿下の婚約者のリスティア王国のシャルロット様だった。そんな方に描いていただくなんて、恐れ多くて心配になってしまった。


「今日は、二人の絵を描いてもらうからね。私の婚約者のシャルロット王女だ。いつもの二人のままで構わないからね。」


なぜか、アレクシス王子殿下までいらっしゃっている。緊張しないでいるなんて無理でしょう?それにしても、シャルロット王女殿下は、ほとんどお話にならない。私たちを見て、夢中になって絵を描いているだけだ。しかも、シャルロット王女殿下のため息をつき、筆が進まない様子を見せると、アレクシス殿下が私たちの後ろで筋トレを始めた。もう気になって仕方がない。


それなのに、シャルロット嬢の表情はガラッと変わり、それはもう生き生きと私たちの絵を描き始めたのだ。しかも、ちらちらと私たちの後ろを見ながら……


どういうこと?


「気にしなくていい。二人は本当に仲良しなんだ。まあ、私たちの方が兄さまたち以上に仲良しだけどね。ね。ベル!」


「もう、レオ様。誰かがいるところでは恥ずかしいですわ。」


私たちは、周りに声が聞こえないようにお互いに耳元でこっそり話し合った。


「…はっ。…はっ。…いい。…ねっ。…なか。…よし。…だっ。」


「いいです!アレクシス様。その調子です!もう筋肉最強!!」


なんかよくわからない会話が聞こえたけれど、今は恥ずかしさでそれどころではない。



こんな感じで、私たちの絵はあっという間に完成したのだった。




そして、結婚式当日。


太陽の光が庭の色とりどりの花を明るく照らしている。白い石造りの大きな建物。アーチ形の窓には、色とりどりのステンドグラスがはめ込まれている。入り口には、更に青と金色のステンドグラスの飾りがぶら下がり、太陽の光に当たって床にまでその色を映し出している。


今、私たちは王家ゆかりの大聖堂にいる。


王様や王妃様、第一王子殿下、シャルロット様、そしてもちろんお父様、お母様、お兄様を中心にたくさんの人たちが集まってくださった。


そこで私たちは誓いの言葉を述べた。


「私は、マリーベル・フェルディナを生涯の伴侶とし、喜びも悲しみも分かち合い、言葉だけでなく態度でも彼女への愛を十分に示し、守り続けることを誓います。」


レオンハルト様は、私を優しく見つめ、慎重に言葉を選びながら伝えてくださった。次は私の番だ。


「私は、レオンハルト・アステリア様を生涯の伴侶とし、どんな時でもそのお心を信じ、寄り添い、ともに歩み続けることを誓います。」


私は今までのたくさんのレオンハルト様との思い出しながら、私の言葉を真摯に伝えた。レオンハルト様はとてもうれしそうに私の言葉を聞いてくださった。


「愛しているよ。ベル。この気持ちは生涯変わらない。約束するよ。」


「はい。私も、レオ様を信じてずっと離れません。愛しています。」


そうして、二人は誓いのキスを交わしたのだった。



ステンドグラスを通した色とりどりの光が、まるで二人を祝福するかのように降り注いでいた。


最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。


完結できてうれしい気持ちとともに、終わってしまう寂しさも感じてしまいます。


もし、お読みいただき、少しでも楽しんでいただけましたら、ブックマークや★評価などの形で応援をいただけると、大変励みになります!!!本当にです!


また、本編第28話に出てくるシャルロットが主人公となった作品。

「筋肉は裏切らない! ~筋トレから始まる恋」を本日午前中に投稿予定です。


ぜひ、そちらもお楽しみいただければ嬉しいです。


また、違う作品でもお会いできるようこれからも頑張りたいと思います。


本当にありがとうございました!

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