fin
終わりでーす。一気に書いて一気に投稿してみました。短い話だったので。
何も考えてないっちゃ、無いです(TдT)
おわかりでしょうが、基本的には何の解決もなってません。それはまた別の話だったり……。
「って。何で生きてる?」
赤いドレスを着せられながらリズは呻いた。いつもの部屋。窓からは朝独特の柔らかな光が差し込んでいる。
生きていることは良い。幸せで嬉しいことだけれど、納得行かない。
「何でって。なんだか知らないけどあの後宝石外れてイリヤに飛んで行ったんだからいいんじゃない?あ。イリヤっていうのは次期女王ね?僕のいとこで12歳。」
なぜか着替えに入り込んでソファに座りながら優雅にこちらを値踏みしている青年が一人。整った顔立ちに金の髪。深紅の赤い双眸が印象的な青年――ロムだ。なぜだか知らないが宝石が外れてから二十代前半まで急激に成長した。どうやらリズの命が半分流れ込んだ作用で成長したらしいがよくわからないがずるいと思ったりもする。
とにかく分かるのは自身の寿命が半分減ったと言う事だ。まあ、ピンと来ないのでどうでもいいけれど。
「そんな子供なのかよ?」
「しつ。動かないでいただけます?」
女官――クロエに叱咤されてリズは固まった。
「いい、いい。本人喜んでたし。歳とらないってことで。あいつは結構な能天気だし。」
王族が脳天気な気がする。
「そんなものなのかなぁ?」
ひらひらと手を振りながら少しも暗さなど感じられない言葉に彼女は宙を仰いだ。そこに彼の顔があったので驚いた様に目を見開いた。
にこにこ。にこにこ。
なんだろう?気持ち悪い。彼はクロエに目くばせすると彼女は『ち』と舌打ち一つして立ち去っていく。もちろんぶつぶつと何か呪いの言葉を吐きながら。しっかりと聞き取れないが――怖い。
「ああ。クロエ?」
「ふふふ。」
「怖いよ?ロム?熱あるのか?」
じりじりとにじり寄ってくるのでじりじりと後退する。何を企んでいるのだろうか?しかもいつも以上の笑顔が怖い。
「君は僕が好きだよねえ?」
「――は?」
言われた言葉に目を瞬かせた。
「実はあの宝石のあんな力、僕を想ってくれている人でないと発動しないんだ。そのへんの人だったら絶対に発動しない。」
「――う?」
頬が紅潮するのを感じてリズは手で隠したがそれを止めたのはロムだった。深紅の双眸が覗き込む。
「ち。ちょっとまて。て言うことはなんだ?初めは俺を落として命をもらう気だったのか?」
「うん。他にもそうしようと思ってた。」
さらり。自分が振られることは考えて無いようだった。そんな男にまんまと引っかかる自分自身が悲しく思える。
そんな事は無視するかのように彼はリズの顎を軽く上げた。
「まぁ、なんにせよ。うれしい。ありがとう。リズ。キスしても?」
抵抗は無意味だ。
「――つ?」
肯定も否定もできないまますべては甘く溶けた。
とにかく。最後まで読んで頂いてありがとうございました。
それにしてもやってしまった……勢いだけの話にいろいろ反省はしていますm(_ _;)m
きっと暑いから脳に何かが溜まったッポイ……。