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大惨事

 長い間放置していても、一日に100PVとか増えるものなんですね…。

 それはそうと、再び更新を再開していきますよ。

 仕事終わりの帰り道。いつも通りクラウンを走らせていた。後部座席にはミズハが座っている。

「今日もお疲れさん」

「マスターこそ。復帰から一か月ほどでもう感覚を取り戻していますからね」

「何百回と走っているからねぇ…頭じゃなくて体が覚えてる感じ」

 そんなことを話しながらクラウンを走らせていると、突然、右側を走っていた軽自動車が車線変更してきた。

「うわっ!」

 ブレーキとクラクションを同時押し。クラウンのブレーキランプとハザードが点滅していた。

「あ、あっぶな…あれ絶対見てないって」

 原因は右折車。それを回避しようとして左車線に飛び出してきたのだ。

 せめて止まるか、後方確認をしてから左車線に入ってほしかった。



 と、ここで終わればよかったのだが。

 さっきの軽自動車の運転手がズカズカと歩いてきていた。え、まさかこr

ゴンッ!

「はあっ!?」

 運転手のおばさんがクラウンの窓を叩いた。

「『はあ』はこっちのセリフよ! 危ないじゃない! あそこにいられちゃあ!」

 あかん、これ話が通じないタイプだ。完全に頭に血が上ってる。

 こういうのはガン無視するのに限る。傷をつけられたらドラレコ映像を警察に提出して賠償請求をすればいい。

「ねえミズハ、どうする?」

「任せてください」

 ミズハがそう言った途端、軽自動車がゆっくり動き始めた。

「あんた聞いてるの!? 警察呼ぶわよ!」

 呼ばれたって構わない。しかし、このおばさんはいつ気付くのか…。

「…え、ちょ、ちょっと待ってっ!」

 軽自動車が進み出していることに気付き、慌てて走って向かっていく。しかし遅かった。

バゴッ

「ありゃ~…」

 信号待ちしていた前のミニバンに衝突した。しかもエンブレムには『L』の文字が。

 そしてその衝撃でミニバンは少し前に進んだ。横断歩道にはみ出す。

 と思ったら、今度は猛スピードで横断歩道を渡ろうとする自転車が走ってきた。ペダルがミニバンのナンバーにひっかかり、バランスを崩した。

「どっ!?」

 そのまま転倒。締まりが緩かったのか、頭に被っていたヘルメットが道へ転がっていく。

パアアアッッ!

 4トントラックの進路にそのヘルメットが転がっていき、踏みつぶされた。その衝撃でフロントバンパーの左側が割れた。

「…大惨事」

「ですね」


「ミズハ、何かしたの?」

「いいえ、何もしていません」

 ミズハは何食わぬ顔で答えた。

 パトカーは警察署が近かったのですぐに駆け付けた。今、僕たちは事故処理の様子を眺めている。

「だから、あの人が悪いのよ!」

 事情聴取を受けているおばさんが、遠くから僕を指さした。まるで怪獣。

「削除ビーム…」

 僕らは被害者側なんだけど…クラウンの窓が割れなかったのは良かった。傷もつけられてない。でも手垢がベッタリ。

 ものすごく洗車したい。

 そして、僕らも事情聴取を受けた。

「論より証拠、でしょう?」

 ドライブレコーダーの映像をナビ画面に映した。急な飛び出しから事故の瞬間まで、しっかりと記録されていた。

「…預かってもよろしいでしょうか?」

「どうぞどうぞ。予備のSDもあるので」

 たったそれだけで事情聴取は終わった。

 そういえば、あのミニバンは結構な値段だったはず。このクラウンの倍くらいかな。

 そう思って家で調べてみると、何と『1520万円〜』となっていた。

 ...あのおばさん、払えるのかな。これに自転車と4トントラックの分も支払わないといけないだろうし。

Ich will nicht mehr in eine andere Welt reisen.

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