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7-11

「次の技だと?それはこちらのセリフだ」


「いいねぇ、あるんだろ、そっちにも隠し球が。それで決着をつけようじゃないか」


「分かった。この技はもしものための技だから、あまり使う気はなかったが、そうも言ってられないからな。覚悟しろ」


セトは剣を構えた。剣からは膨大なエネルギーを感じる。セトは目を閉じて集中する。この技は、国を守る際に強大な力が必要になる時が来ると思って身につけた技だ。ただ、この技は一度放つと体に相当な負担がかかるので、できることなら使いたくない技だ。だが、今目の前にいる敵はかつての友であり、リフィリア王国に牙を向ける強大な敵だ。今こそこの技を使う時だ。この国を守ることを思い、セトは技を放つ。


「リフィリアを守るためにこの技を使う。見るがいい、これが必殺技【スター・ドラニクル】!」


セトはエネルギーが貯まった剣をトーラの方に向かって放つ。トーラが斧で放った風の刃と同じような光でできた刃が彼に向かって飛んでいく。その刃は刃とは形容し難く、その姿はまるでドラゴンだ。そして、生きているかのように自由自在に動く。


「そいつがお前の切り札か。だったら俺も本気でお見舞いしてやるぜ」


トーラは闇のエネルギーを全身に纏う。トーラの全身には黒いオーラが身を包む。力こそ全て。この力を得るために色々なものを犠牲にしてきた。国を、ギルドの仲間を、そして友を。それらを犠牲にして得た技をかつての友にぶつける。そのことに対して抵抗感はない。そして、技名を呟く。


「力こそ全て、この技を受けたことをあの世で自慢するがいい。【ダーク・スパーク】!」


闇のエネルギーを身に纏ったトーラは手に雷の属性を纏い、その身でセトの必殺技に向かっていく。そして、二つの必殺技(片方は生身だが)がぶつかる。その瞬間、大きな爆発が起きる。二つの強大なエネルギーがぶつかった結果だろう。周りで見ていたリフィリアの兵士たちはその衝撃で吹き飛ばされる。だが、吹き飛ばされる程度で大怪我をした者はいないようだ。


二つのエネルギーがぶつかった時に発生した煙の中に二つの影が見える。その煙がだんだんと薄れていく。この煙がなくなったら、この戦いの決着がついているのだろうか。周りの人々は息を呑んでこの戦いの結末を見守る。煙が薄れ、二人の姿が目視できるようになった。


なんと、二人とも立っている。この必殺技同士の戦いは引き分けかと誰もが思ったその時。


片方の影が倒れた。



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