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セトたちは、ジュンたちが倒したロボットとは別の個体と戦っていた。
「うおおおおっ!」
戦場で響き渡るセトの咆哮。流石はリフィリア王国の騎士団長だ。ジュンたちが苦戦して倒したロボットを、セトはまるで雑魚のように一瞬で叩きのめしていく。
彼の周囲では他の騎士たちやギルドの戦士たちも奮闘し、次々と敵のロボットを撃破していく。連携と勢いの前に、ロボット軍はあっという間に壊滅状態となった。
「初めて見た時は驚いたが、結局は倒し方さえ分かればこんなものか」
セトは周囲を見渡し、安堵の息をつく。
その時、偵察に出ていた兵士が駆け寄ってきた。
「騎士団長!報告いたします!現在の戦況は、我が軍が優勢であります!」
「そうか。ならば、このまま一気に攻めるぞ!」
セトが指揮を執り、リフィリア王国軍は進軍を始めようとした――その瞬間。
ピシャーンッ!
轟音と共に巨大な雷が戦場に落ちた。
「なっ、この雷は……!」
激しい土煙が立ち込める中、1つの人影が現れる。
「……あ、あんたは……」
土煙が晴れると、そこに立っていたのは――
背の高い痩せ型の男性。手には巨大な戦斧を持ち、冷たい眼差しを戦場に向けている。
「トーラ……!」
トーラ・マクナル
リフィリア王国ギルドの頂点に立つ存在。セトと並び称されるほどの実力者で、誰もがその名を知る男だった。
「なぜ、あんたが……」
セトが困惑する中、トーラは薄く笑みを浮かべて口を開いた。
「よう、セト。流石だな。ロボット如きで怯むような男じゃないとは思ってたが」
「ふざけるな! あんたは誘拐されたと報告があったはずだ……!」
その言葉に、トーラは一瞬考え込むような素振りを見せたが、すぐに何かを思い出したかのように言った。
「ああ、誘拐ね……そういえば、そんな設定だったな」
「設定!? どういうことだ!」
「おいおい、騎士団長ともあろう者が、まだ気づかないのか? この状況を見て察しがついてるだろ?」
トーラの冷徹な声に、セトは嫌でも現実を理解せざるを得なかった。目の前に立つ男は―― リフィリア王国を裏切った のだ。
「なぜだ……」
「ん?」
「なぜリフィリア王国を裏切った!」
トーラは肩をすくめ、冷たい笑みを浮かべる。
「裏切った? いや、違うな。俺は最初から忠誠心なんて無かった……それだけの話だ」
「何だと……!?」
その一言に、セトの心は大きく揺らいだ。トーラは、長年の付き合いであり、共に国を守る仲間だと思っていた。それが、セトの一方的な思い込みだったとでも言うのか?
「正直、あんたのことは友だと思っていたが……どうやら俺だけがそう思ってたみたいだな。残念だよ」
セトは剣を構え、トーラに向けて鋭い剣先を向けた。
「だったら――あんたを倒す。かかってこい、トーラ!」
その言葉に応えるように、トーラも巨大な斧を構えた。
「面白ぇ……リフィリア王国を去る前に、どっちが最強かはっきりさせようじゃねえか!」
2人の間に緊張が走る。周囲の兵士たちもその激突をただ見守ることしかできなかった。
リフィリア王国の最強を誇る2人――その戦いが、いよいよ始まる。




