6-11
ファランがジュンを見下して嘲笑うと、逆にジュンが小さく笑い出した。
「どうした?気でも狂ったか?」
「いや、ここまで馬鹿にされると逆に笑えてくるよ。馬鹿にしている相手にコケにされるなんて、これ以上滑稽な話はないだろ?」
ジュンの手にはカードキーが握られていた。
「なっ、いつの間に!?」
「カードキー、ありがたく頂戴したよ。これがあれば、この街の門を開けられるんだよね?」
「え?ジュン、いつそんなことを!?」とウェンディが驚く。
「馬鹿な、そんなはずが・・・」
ファランは焦り、懐を調べた。そこには確かにカードキーがあった。
「なんだ、ここにあるじゃないか!」と安堵したファラン。
ジュンはニヤリと笑う。
「そう、それが本物のカードキーなんだね」
ファランが手にしたカードキーを、ジュンはあっという間に奪い取った。
「えっ!?いつの間に!?」
「ルイーザ、ウェンディ、見て。本物のカードキーを手に入れたよ」
「おい、この野郎、汚い手を使いやがって!」とファランが怒りを露わにする。
ジュンが先ほど見せたのは、ただの偽物――高校の学生証だった。それをあたかもカードキーであるかのように見せつけ、ファランに盗まれたと思わせたのだ。そして、動揺したファランが本物を確認するために取り出した瞬間に奪い取るという作戦だった。単純な作戦ではあったが、見事に成功した。
「ナイスだよ、ジュン!よくやった!」とルイーザが声を弾ませる。
「それにしても、ファランって意外と間抜けね。こんな手に引っかかるなんて」とウェンディもあきれた様子だ。
ファランは怒りで体を震わせる。
「貴様ら……ここまで侮辱されるとはな。死にたいらしいな!」
「みんな、気をつけて!何か仕掛けてくる!」とジュンが警戒を促す。
「クルールには見せなかった俺の奥義を見せてやるよ」とファランが低い声で言い放つ。
両手を構え、エネルギーが渦を巻くように集まり始める。
「何この感じ……尋常じゃないエネルギーを感じるわ」とウェンディが緊張した声を漏らす。
「お前らみたいな雑魚には過ぎた技だが、仕方ない。ここで潰してやる」
ファランの手からエネルギー弾が放たれた。
「防御壁を展開する!」とウェンディが防御魔法を繰り出す。エネルギー弾は一瞬止まったかに見えたが、その勢いは衰えない。
「ウェンディ、危ない!」とジュンが彼女の手を引き、その場から離れさせた。
エネルギー弾は辛うじて外れ、後方の建物に直撃。轟音とともに巨大な爆発が巻き起こる。
「これが……あいつの本気……」とルイーザが唖然とした表情で呟く。
「ふん、まだ生きているとはな。運がいい奴らだ」とファランが冷たく吐き捨てた。
その威力を目の当たりにしたジュンたちは、次なる一手を考えながら構えを取る。ここから先はクルールから得た情報も通用しない、本当の死闘が始まろうとしていた。




