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次の日の朝、ジュンたち3人に予想外の事態が起きた。牢屋の外が騒がしい。3人はその物音で目を覚ました。
「な、何が起きてるんだ!?」
さらに驚くことに、牢屋の鍵が外れている。3人が外に出ると、目の前には信じられない光景が広がっていた。
「戦いが始まっている?」
外には倒れている看守や囚人たちの姿が見える。
「どういう状況なの?何が起きてるの!?」
混乱する3人に、近くにいた囚人が答える。
「反乱が起きたらしい。それだけじゃない。中には見たこともない生き物がウジャウジャいるとか!」
「どういうことだ!?」
ここに囚われているのは、戦う力のない人々のはず。それなのにモンスターまで入り込んでいるとは。
「考えるのは後だ!今はこの状況をなんとかしないと!」
ジュンは足元に倒れていた看守から剣を取り、目の前のモンスターに反撃する。手にした剣は普段のものより軽いが、十分に扱える手応えだ。
「計画は大分狂ったけど、まずはここを脱出しよう!」
「それが良さそうね」
「仕方ないわ。そうしましょう」
3人は建物からの脱出を目指す。モンスター自体はそれほど強くなく、3人は次々と倒していく。途中、戦えずに襲われている囚人たちを助けながら進んだ。そして、ジュンたち「ルイーザ探検隊」は救出した囚人たちとともに何とか建物の外へ出ることができた。
しかし、外に出た先にもモンスターが溢れ、さらに多くの囚人たちが混乱に乗じて脱出しようと集まっていた。
「囲まれてる!?」
その時、別の建物の屋上から声が聞こえた。かつて舟堀タワーでクルールに倒されたファランが現れる。
「今回も反乱分子がたくさん出てきたようだな・・・」
ファランが嘲笑うように見下ろしている。
「まさか、私たちを誘き出すために・・・?」
ルイーザが悔しそうに呟くと、ファランは冷たく笑った。
「そういうことだ。毎回いるんだよな。密かに反乱を企む愚か者たちが。それを炙り出すためにモンスターを放ったまでのことさ」
「そんな理由で!?戦えない人たちまで犠牲にして!?しかも、自分たちの仲間まで巻き込んで・・・」
ルイーザの言葉にファランは冷酷な笑みを浮かべて応じる。
「戦えない連中の面倒なんて見ていられない。それに兵器はもう完成間近だ。奴らには用済みというわけさ」
「なんて奴だ・・・」
あまりにも非道な言葉にジュンは怒りを覚え、今すぐファランを殴りたい衝動に駆られる。
「お前ら反乱分子も、いずれはあの兵器の前にひれ伏すことになるだろうよ」
「くっ・・・」
「そうはさせない!」
その時、建物の中から大勢の人々が現れた。彼らを先導していたのは、ジュンの旧友であるケンだった。
「ケンさん!」




