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5-7

ルイーザが短剣を出し、ルーストの脇腹に刺した。

「なっ…お前、ローデン様の精神攻撃を受けていたはずじゃ…」

「ええ、怖いのは確かよ。でも、この状況で何もできない自分がいるほうが、もっと怖いわ」


ルーストがよろけた隙を、セトは見逃さなかった。彼はすぐにルーストの手に手錠をかける。

「くそ…」

「残念だったな。いろいろ聞かせてもらおうか。おい、こいつを連れて行け」

「はっ!」


セトの部下たちがルーストを連行していくのを見届けた後、ルイーザは緊張が解けたのか、その場に座り込んだ。

「ルイーザ!」

「ジュン…私…」

「大丈夫か?立てる?」

「ええ、平気よ」

「それより、恐怖は克服できたのか?」


ルイーザはもう一度短剣を取り出してみた。恐怖を感じることなく、普通に扱える。

「やったな、ルイーザ。完全復活だ!」

「でも、ジュンはまだ…」

「焦る必要はないよ。ルイーザが復活したことで、僕も希望が見えたんだ。必ず克服してみせるよ」


ルイーザの行動が、ジュンに新たな可能性を示してくれた。彼はそれに応える決意を新たにした。


「君たち…」


そこへセトが現れ、2人の前に立った。至近距離で見ると、彼の強さと威厳がひしひしと伝わってくる。この男が「王国最強の騎士」と呼ばれるのも納得だ。

「君たちのおかげだ。礼を言う。さすが、クルール殿に鍛えられた者たちだな」

「ありがとうございます。王国最強の人にそう言われると、自信がつきます」

「なるほど、確かにクルール殿の言うとおり、将来が楽しみな2人だ」


セトは2人を評価しつつ、ふと真剣な表情に戻った。

「それで、君たちはここで何をしていた?」

「ヒロに会いに来たんです。でも、まだ戻ってきていないようで」

セトは少し困った表情を見せた。

「確かに最近入隊したばかりの新人だな。だが、彼は任務中に行方不明になった」

「それって、最近噂になっているギルドの失踪事件と関係があるんですか?」


セトは静かにうなずいた。

「そうだ。任務の詳細は機密だが、失踪事件が関連していることは間違いない」

「でも、それっておかしくないですか?新米が受けられないほどの高難易度任務なのに、新人のヒロにそんな任務を任せたんですか?」


ジュンの指摘にセトは少し考え込んだ後、重い口調で答えた。

「理由は簡単だ。ローデンが潜伏していると見られる鶴小島つるこじまの街。彼がその土地について詳しかったからだ」


ジュンの表情が強張る。

「つ、鶴小島の街…」

「ジュン、知っているの?」


知っているどころではない。高校時代を過ごした街だ。まさか、自分の思い出の場所が改変の影響を受けていたとは思わなかった。


「土地勘があるから任務に参加させたんですね…でも、あの街がどうして…?」

セトは厳しい顔で続けた。

「あの街は強固な壁に囲まれ、警備も非常に厳重だ。我々の仲間や協力者の多くが捕らわれているが、侵入するには難攻不落の要塞と言ってもいい」

「舟堀の街みたいに地下から侵入する方法も使えないんですか?」

「残念ながらな。それに、目立たずに街へ入る方法がほとんどない」


2人はその言葉の重みを感じながら、それでもヒロを救うために、どうにか策を練る必要があると思った。

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