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リフィリア王国に戻った2人は再び騎士団の宿舎を訪れた。
「おや、またあんたらか。ヒロは今日も戻ってきてないぜ」
昨日応対してくれた兵士が同じ場所にいた。彼によると、ヒロはまだ任務から戻っていないらしい。
「どこに行ったかだけでも分からない?」
「軍のことだから簡単には教えられないな」
「そりゃそうよね」
ジュンとルイーザは情報を引き出す方法を考えるが、兵士の言葉は堅く、隙がないように思える。そんな中、ルイーザがふと兵士に向き直った。
「ところであなた、ホントにこの国の兵士なの?」
「なに!?」
突然の言葉に、兵士は驚いた表情を見せる。隣のジュンも状況を理解できず、ルイーザを見つめた。
「ここの宿舎は国境警備隊のものよね。交代制で休む隊のはずなのに、あなたが2日続けてここに居るのはおかしいわ」
兵士は一瞬言葉を詰まらせると、不自然に笑い始めた。
「ははは……潜入した隊の選び方を失敗するとはな」
その瞬間、ルイーザも口元を緩めた。
「まさかね。かまをかけただけなのに引っかかるとは思わなかったわ。交代制だって、シフト次第では2日続けて居ることもあり得るのに」
「なっ……テメエ、はめやがったな! 汚えぞ!」
「騙される方が悪いってね」
ジュンは横で感心するばかりだった。こんな緊張した状況でフェイクを用意し、それを自然に口にできるルイーザの胆力に圧倒された。
「それよりお前、何者だ?」
問い詰めると、兵士は肩をすくめて鎧を脱ぎ捨てた。
「私はローデン様の部下、ルースト。この国の騎士団やギルドから情報を集め、持ち帰るためにここに潜入しているのさ」
「へえ……わざわざ敵の方から顔を見せに来てくれるとは」
突然、ルーストの背後に影が差した。振り返ると、一人の男が剣を突きつけていた。
「騎士団長……!」
ジュンとルイーザは目の前の男の威圧感に圧倒された。その身に輝く勲章と堂々たる姿は、リフィリア王国騎士団長・セト・アーランドその人であった。
「リフィリア王国の情報網を侮るなよ。騎士団の中にスパイがいることは既に把握していた。もう少し泳がせておこうと思っていたが、まさかこんな形で正体を現すとはな」
「ちっ、アンタの噂は知ってるぜ。ここは旗色が悪いな……だが!」
突然、ルーストはルイーザに向かって飛び込み、彼女を盾にした。
「動くなよ! こいつがどうなってもいいのか?」
ジュンが叫ぶ。
「卑怯だぞ!」
「馬鹿め、こういう場では人質が最善の手段なんだよ」
ルイーザは冷静に状況を見極めた。ルーストは自分を盾にしているが、攻撃に使う武器は持っていない。この状況を打開するには、自分が行動を起こすしかない。
「今やらなきゃ、誰も助からない」
ルイーザは心を決めた。この状況を覆すためには、恐怖を乗り越え、自分の武器を手にするしかない。




