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5-6

リフィリア王国に戻った2人は再び騎士団の宿舎を訪れた。


「おや、またあんたらか。ヒロは今日も戻ってきてないぜ」

昨日応対してくれた兵士が同じ場所にいた。彼によると、ヒロはまだ任務から戻っていないらしい。


「どこに行ったかだけでも分からない?」

「軍のことだから簡単には教えられないな」

「そりゃそうよね」


ジュンとルイーザは情報を引き出す方法を考えるが、兵士の言葉は堅く、隙がないように思える。そんな中、ルイーザがふと兵士に向き直った。


「ところであなた、ホントにこの国の兵士なの?」

「なに!?」


突然の言葉に、兵士は驚いた表情を見せる。隣のジュンも状況を理解できず、ルイーザを見つめた。


「ここの宿舎は国境警備隊のものよね。交代制で休む隊のはずなのに、あなたが2日続けてここに居るのはおかしいわ」


兵士は一瞬言葉を詰まらせると、不自然に笑い始めた。


「ははは……潜入した隊の選び方を失敗するとはな」


その瞬間、ルイーザも口元を緩めた。


「まさかね。かまをかけただけなのに引っかかるとは思わなかったわ。交代制だって、シフト次第では2日続けて居ることもあり得るのに」


「なっ……テメエ、はめやがったな! 汚えぞ!」

「騙される方が悪いってね」


ジュンは横で感心するばかりだった。こんな緊張した状況でフェイクを用意し、それを自然に口にできるルイーザの胆力に圧倒された。


「それよりお前、何者だ?」


問い詰めると、兵士は肩をすくめて鎧を脱ぎ捨てた。


「私はローデン様の部下、ルースト。この国の騎士団やギルドから情報を集め、持ち帰るためにここに潜入しているのさ」


「へえ……わざわざ敵の方から顔を見せに来てくれるとは」


突然、ルーストの背後に影が差した。振り返ると、一人の男が剣を突きつけていた。


「騎士団長……!」


ジュンとルイーザは目の前の男の威圧感に圧倒された。その身に輝く勲章と堂々たる姿は、リフィリア王国騎士団長・セト・アーランドその人であった。


「リフィリア王国の情報網を侮るなよ。騎士団の中にスパイがいることは既に把握していた。もう少し泳がせておこうと思っていたが、まさかこんな形で正体を現すとはな」


「ちっ、アンタの噂は知ってるぜ。ここは旗色が悪いな……だが!」


突然、ルーストはルイーザに向かって飛び込み、彼女を盾にした。


「動くなよ! こいつがどうなってもいいのか?」


ジュンが叫ぶ。

「卑怯だぞ!」


「馬鹿め、こういう場では人質が最善の手段なんだよ」


ルイーザは冷静に状況を見極めた。ルーストは自分を盾にしているが、攻撃に使う武器は持っていない。この状況を打開するには、自分が行動を起こすしかない。


「今やらなきゃ、誰も助からない」


ルイーザは心を決めた。この状況を覆すためには、恐怖を乗り越え、自分の武器を手にするしかない。

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