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物語部員の生活とその意見  作者: るきのまき
11・市川醍醐の物語・その2
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11-2話 ザ・ストーリーズの本番とその後に起こったことなど

 司会・案内役はとても盛り上がったアナウンスをしていました。

「お前ら、乗ってるか(ここで拍手と歓声と腹鼓が入りますが、以下「……」で表現します)……おれたちのムーンライト野外コンサート、最終日はフルムーンだぜ……だけど、いいかよく聞け、お前らよりも盛り上がってるのはおれだ……おれより盛り上がってるのはいるか……いるか……だったら、おれたちの会場、音とか漏れないようにシールドしてあります。見えるよな……」

 確かによく見ると、シャボン玉のとても大きい、『アンダー・ザ・ドーム』のドームみたいなものでコンサート会場全体が包まれていました。

「あれだあれ、あれを震わしてやろうじゃないか……いいかみんな、月に向かって、せーの……もう一回……もう一回……よーし、今夜はおおかみさんもねこさんも来てるな、遠吠えと鳴き声、いただきました……それじゃ今夜のスペシャルゲストバンド、有史以来はじめて、はじめて、はじめてのヒトのバンドです。ザ・ストーリーズ!」

 と、言うのに合わせて、ぼくたちはステージに上りました。いよいよ本番です。司会・案内役の霊獣は、というかたぬきなんですが、話を続けました。

 スポットライトが貴賓席を照らします。

「さらに本日、貴賓席には、この3日間お忍びで客席にいたプリンセス・ケイコ……それから欧州から来ていただきましたプリンス・イサク……それに来賓のヒトのみなさんです……改めて紹介します」

 ステージからは、向かって左側から洋風の正装をしたプリンス、プリンセス(このふたりは確かによく似ていました)、和風の姫様の着物でそれっぽいウィッグをつけた鳴海和可子さん、朱色をベースにした高そうな着物で商家の町娘風の藤堂明音さん、上下と袴で緊張した表情の関谷久志が見えました。

 客席の拍手と腹鼓に合わせて、貴賓席のヒトの3人は頭を下げ、王族のふたりは片手を軽く振りました。

 こういう席では王族はお辞儀なんかしないんですが、見ていると木村恵子さんは…ぼくたちに向かって拍手をしました。マリー・アントワネットみたいです。王子のほうも…微笑(苦笑)しながら拍手をします。

 さらに恵子さんは…首飾りを外して、ジャラジャラと鳴らしはじめました。なんかこのためだけのために首飾りをしてきたような演出です。1963年11月3日、ビートルズがプリンス・オブ・ウェールズ・シアターで言ったことを覚えている霊獣たち(彼らは長命なのです)は大爆笑し、王子は明らかに苦笑しました。

 何かスピーチを、と司会に言われたぼくは、リーダーの立花備くんを指さし、指さされた備くんは、おれ? って顔をしましたが、真面目な顔で話しはじめました。

「えーと、どうも。ザ・ストーリーズの立花備です。今夜は今まで生きてきた中でも一番、不思議で、楽しくて、リアルっぽくない夜でした。……でもまあ…もう、リアルなんてどうでもいいじゃないですか。ここにこうやって集まってきた、今夜の霊獣のみなさんはリアルです……そしておれたちもリアルです」

 そしてぼくたちは、フォー・シーズンズの曲を含む4曲を立て続けにやったあと、5曲目にはフォーチューンズ「恋はいかさま」をやりました。フォーチューンズの歌のときには観客は、どこからどうやって出したのか、ちゃんと4色のサイリウムを振って応援してくれました。

 しかしその、最後の曲が終わってほとんどすぐに、とんでもないことが起きたのです。

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