第44話
――――4月1日、マハチカラ・日本軍基地(夕方)
ここには今、とある集団が終結していた。その集団の隊長・山口中佐が口を開いた。
「よく聞けお前ら、これから俺たちが行く場所は敵の首都だ。これが俺たちの初任務となる!成功すれば昇進もあるかもしれん!いいか、総統閣下直々の命令だ!気合を入れて行くぞ!」
「「「おおーーーー」」」
彼らがこれから向かうのは敵、ベルカ帝国の首都にある王宮で、そこにいる女王陛下の暗殺または捕獲と国王の解放である。そして彼らの前には6発ジェットの大型機が1機駐機していた。新型の大型ステルス爆撃機「富嶽」である。性能はレーダーに映りにくいステルス性を持ち、最高巡航高度20000mを航行可能とする大型機、今回はこれに爆弾を積まず彼ら人間を運び空高くから侵入制圧するという作戦だ。
全員が乗り終える頃1人の隊員が中佐に声をかけてきた。
「あのぅ、山口中佐・・・」
「ん?どうした?」
「俺、高いところが・・・」
「そういや、お前空に上がると臆病になるんだったな・・・。よし、それじゃぁ飛ぶとき俺が背負って飛んでやる!それでどうだ?」
「そんな・・・でも・・・」
「お前は地上では結構役に立つから、外したくないんだ。な?」
「わかりました。中佐がそこまで言うのなら・・・」
「よし、乗れ!行くぞ!」
全員乗ったところで富嶽は離陸した。
――――3時間後、ベルカ帝国 首都・ディンズマルク上空
「間もなく降下ポイントです!」
富嶽の機長がアナウンスした
「いいかお前ら、作戦内容を確認する。2班は幽閉されているベルカの元首、辻内大和の解放。3班と4班は城の制圧。そして俺たち1班は女王の捕獲、もしくは暗殺だ!返事は無しだ!!」
すると胴体下の爆弾装ハッチが開いたと同時にみんな一斉に飛び降りて行った。
もちろんあの怖がりの隊員も中佐に担がれて、降下していった・・・




