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じゅんけいさん。  作者: ジョウビタキ子


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いんかのめざめ


暑い中

体力を使う作業をすると

帰り道では何を食べてやろうか、と

ずーっと考えています。



今日は暑かった

汗も凄かった

ポテトが食べたい

塩の効いたポテト



冷凍庫の中に

以前買っておいた

冷食のポテトがあることを思い出しました。

ちょっとお高かった


『いんかのめざめ』


チンするだけで食べられる

あのポテトを

今日は開けよう。



ウキウキしながら帰りました。



『チンッ』



ざっくりカットされていて

美味しそうなポテト。

我慢できません。

立ったままいただきます。



パクリ…

モグモグ……モグ…?



「ん?」



もう一つ…パクリ

モグモグ………モグ……??



「え?甘い?」



どうしたんでしょうか。

ポテトがとても甘いです。

塩気はどこへ?

舌がおかしくなったんでしょうか。

何個食べても

甘いお芋です。

塩をかけてみても

やはり甘さが残ります。



「違う違う」



食べたかったのはコレじゃないです。

ファストフードでよく出てくる

塩気の効いたポテトの

豪華版の味を想像していので

軽いショックが駆け抜けています。



「なんで甘い〜?」



残ったポテトを冷凍庫から取り出して

パッケージを眺めました。


『甘くてホクホクッ!』


と、書かれています。



どこにも


『塩』


なんて書かれていません。



「……やってしまった」



間違えました。

勝手に塩味だと思い込んで買っていたようです。



「美味しいけど、今日はコレじゃないぃ〜…

 塩が…塩味が欲しかった〜…」



もう、買いに行く気力もありません。



残りのポテトは

そっと冷凍庫に戻しました。







「って、いうことがあったのよ」



翌日

荷詰めをしながら

父にポテトの話をします。



「ふ〜ん?」



全然

娘の残念さが伝わっていません。


だからどうした。


オチはなんだと言わんばかりの

「ふ〜ん」です。


オチはありません。


食べたいものが食べられなかった

その悔しさをわかって欲しかったんです。



ここで引くわけにはいけません。

伝え切らなければ!



「父は、夕食の時にビール飲むでしょう?」

「飲むよ〜?」


「暑い中仕事頑張って、お風呂入って、ビール飲んだら、

 プハーって美味しいでしょう?」

「美味しいよ〜?」


「そのビールが、楽しみに口に入れたビールが、

 あっまいビールだったらどう?」


「それは〜…いややな」


「そうでしょ?

 昨日娘は、そんな気持ちだったのよ」


「はは。かわいそうに〜」



思ってないですね。

でもいいです。

聞いてもらえただけで少しスッキリしました。







「甘いポテト?

 それはねーポテトサラダにしたらいいのよー!」


母、ナイスです。


残りの『いんかのめざめ』は、ポテトサラダにします。



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