柿の木
さて…
どうやって降りようかな。
帽子・手袋のいつものスタイルに
ノコギリと剪定鋏を持って
柿の木の剪定をしていた娘。
木から降りられなくなっています。
柿の木は
冬になると葉を全部落とします。
枝だけになった柿の木を見て
娘はずっと整えたい
と、思っていました。
余計な枝が多すぎるんです。
そこで「柿の木の剪定していい?」そう父に尋ねると、
「どうぞ〜」と軽く返事が返ってきました。
父も剪定したいと思っていたそうです。
その日から
昼前に15分ほど
剪定をするようになりました。
「草刈りの時にね〜頭に当たるから
こういう低い枝はぶし切っといて〜!」
注文が入りましたね。
「ぶし切っといて〜」なので
思いきり切って良さそうです。
剪定鋏は地面に置いて
ノコギリを太い枝に当てます。
ギコギコギコギコ…
ギコギコギコギコギコギコギコギコ…
「待って、暑いかもっ!!」
ノコギリを動かし始めて
ものの1分で汗が出ます。
やめるつもりはありませんが
ノコギリのコツを聞かねばと
そこら辺で孫と戯れている父を振り返り、
「ノコギリは押す時と引く時
どっちが切れるの?!」
と、大声で聞きました。
「引くとき〜」
孫から目を離さない父から
アドバイスが返ってきます。
よし。
引く時ね。
そこからは無心で枝と向き合います。
あっちの枝をギコギコギコギコ
こっちの枝をギコギコギコギコ
そんなこんなしているうちに
丈夫で立派な柿の木に足をかけていました。
上の方の枝も
切りたかったんです。
枝を掴み足をかけ
幹の上で剪定を続けます。
横に伸びている枝に
全体重を乗せてもびくともしません。
疲れるけど楽しい。
夢中になって切り続け
「もう昼ぞ〜!」
と、父に止められて気付きました。
おや?
どうやってここまで登ったのかな?
登る時は
スルスルとここまで登れたはずなんですが
どういう訳か降りる段階になって
木の上でまごついています。
ジャンプしても
まぁ降りられる高さですけれど
それは最後の手です。
無茶をしてはいけません。
足を掛けられそうなところに
そろ〜っと足を伸ばしてみますが
意外と足の長さが足りません。
え?
本当にどうやってここまで…?
これは本気で降り方を考えないと
怪我をします。
ノコギリをポイと下へ投げ
両手でしっかり幹を押さえ
不格好になりながら
ズリズリと地面へ向かって足を伸ばします。
無事着地できました。
良かった!
ホッとしたところで
切った枝を1箇所にまとめ
ノコギリと剪定鋏を回収し
お昼を食べに向かいます。
でもその前に、柿の木を見つめて考えます。
……なんで降りにくかったんだろう。
あれ?登る時に掴んだ枝が…ない?
あ〜…
登る時に支えにした立ち枝を
木の上で自分で切っていたのかもしれない。
立ち枝はいらない枝ですが、
登る時にはとても便利。
降りる時もあった方が良さそうですが…
バランスがなぁ〜…
見た目をとるか
安全をとるか…
悩ましいところです。




