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じゅんけいさん。  作者: ジョウビタキ子


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MT車 1


我が家では車の免許を取る際に

必ずMT車の免許を取るように言われました。


家にある軽トラがMT車で

乗る機会があるかもしれないからです。


軽く拒否してみましたが私の声は通らず

シブシブ教習所へ通いましたね。

懐かしいです。



学生の時に通った教習所では

MT車を運転した初日に盛大にやらかしてしまい、

隣に乗車していた教習の先生が頭を抱えていました。


お手上げという感じですね。


緊張してたんだと思います。きっと。



当時、覚えている限りでは

クラッチとアクセルの同時操作に問題はなく、

走行はできていました。

走ることは初日から出来たんです。


ただ…

外周をぐるりと回るだけのコースで

カーブを曲がる度に

前輪を溝に落とし(ガッタン)

後輪も溝に落とし(ガッタン)

次のカーブでも前輪を落とし(ガッタン)

オマケのように後輪も落とし(ガッタン)

最終的に停止する位置で盛大にエンストしました。

(ガタガタッガッタン…シーン…)


地震でも起きたかのような

おかしな揺れ方をして停まった車。


両手で握りしめたハンドル。


静まり返る車内。


赤いランプがハンドルの向こう側で点灯しています。



この時点で思いました。



私には無理だ、と。



右足と左足を同時に動かしながら

前後左右を確認して

ハンドルを動かし

ギアも入れ替える



無理でしょう!



停止位置で止まったまま

頭が真っ白になったのを覚えています。



そんな時

沈黙を破るように教習所の先生が声を発しました。


「……前輪と後輪が溝に落ちる前に、落ちそうだな、と感じませんでしたか?」


そう教習所の先生に聞かれて

私はちゃんと考えました。

タイヤが落ちそうだなという感じ?



「……感じませんでした」



正直に言いました。

本当に何もわからなかったんです。

曲がれたと思った時には(ガッタン)となっていました。


この答えを聞いて、

先生もコイツには無理だと思ったでしょうね。


深いため息と

「あの先生に頼むしかない」

という言葉が聞こえてきました。



え?

こわいこわいこわい。

あの先生って

どの先生???


怖い先生は嫌だ〜!


私は胃に穴があきそうでした。







後日。


とても

とてもとても優しい先生でした。


緊張をほぐすようにやり方を教えてくれ

まずカーブをクリア。

落ちなくなりました。


停止位置では、

止まる時にブレーキを一度踏んで

次にクラッチを踏み込み

その後にブレーキをしっかりかける。

そして最後に

止まりきるあたりで

ふわりとブレーキを軽く緩める。


そうアドバイスしてもらい、

スゥーっと止まる事ができたんです!


もう…

自分の成長より

横の先生の教え方が素晴らしくて…

感謝しかありません。


そこからは順調に免許を取ることができました。



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