♥ 領主邸 10 / 療養室 1 / 首謀者候補捜し 3 / 事情聴取 3
──*──*──*── 療養室
セロに促されて部屋に入ると、ベッドの中に入って読書をしている領主夫人が笑顔で出迎えてくれた。
此からオレ達は── と言うか主にセロとゼルがだけどな! ──が、失礼極まりない事情聴取なる事を領主夫人にする訳だ。
オレが聞く訳じゃないのに、ハラハラ,ドキドキして仕方無い。
──っと、其の前にゼルが領主夫人へ御見舞いの品でもある薬草花の苗鉢を渡すのが先だよな。
ゼリンネル
「 領主夫人、此は御見舞いの品です。
受け取ってください 」
ディリアスヘア
「 …………あ…有り難う御座います。
ゼリンネル王子から頂けるなんて……光栄の極み…ですわ。
……本当に………… 」
領主夫人は顔を強張らせている。
そりゃ、そうだよな。
イケメンのハンサム王子から直々に苗鉢を渡されるんだもんな。
誰でも顔を強張らせちゃうよな?
両肩や両腕も小刻みに震えてるし、緊張もしてるみたいだ。
苗鉢を落としてしまわないか心配になって来た!
マオ
「{ セロ──、ディリアスヘアさん、緊張しちゃってるよ。
大丈夫なのか? }」
セロフィート
「{ どうでしょうね? }」
マオ
「{ おいおい…。
『 どうでしょうね? 』はないだろ…。
他人事だなぁ… }」
セロフィート
「{ 他人事ですし。
マオがフォローしてあげてください }」
マオ
「{ オレに投げるなよ! }」
セロフィート
「{ お願いします♪ }」
マオ
「{ 『 お願いします♪ 』じゃ、ないわっ!! }」
全く……もうっ!!
セロは面倒事になると、何時もオレに丸投げするんだからっ!!
はぁ……。
仕方無いから、セロの代わりにゼルをフォローする事にした。
マオ
「 ──ディリアスヘアさん、今のゼルは “ 吟遊詩人探偵 ” なんです 」
ディリアスヘア
「 …………吟遊詩人探偵…?? 」
マオ
「 う、うん。
今のゼルは、セセンテレン大国の王子じゃなくて、吟遊詩人探偵だから、そんなに緊張しなくて良いよ 」
ディリアスヘア
「 …………そうは言われても… 」
あ゛ぁ〜〜〜……ディリアスヘアさん、困ってるよ…。
そりゃ、そうだよなぁ……。
ゼリンネル
「 領主夫人──。
僕は今、とある事件を解決させる為に極秘に動いているんです 」
ディリアスヘア
「 …………極秘…なのですか? 」
マオ
「 そう言う設定なんです 」
ディリアスヘア
「 設定……なのですか?? 」
領主夫人、滅茶苦茶戸惑ってるよぉっ!!
気持ちは分かるよ!
ゼリンネル
「 僕は今、セセンテレン大国王位継承権第11位王子の毒殺事件を調査してるんです! 」
マオ
「 未だ事件は起きてないよ!
ゼルが生きてるから、未だ未遂だから!
安心してね、ディリアスヘアさん 」
オレは慌ててフォローする。
領主夫人の顔色は真っ青だ。
自分家で滞在してる王子が、実は密かに毒殺され様としてるなんて言われたら、ショックだろうなぁ……。
オレだってショック、受けるよ…。
マオ
「 ディリアスヘアさん、実はですね……、領主邸には……魔呪術を使える術者って言うか危険な呪術を使う人が何人か居るらしいんだ。
ゼルを毒殺しようとしてる首謀者の仲間…部下かも知れないんだ。
…………怖いかも知れないけどさ、ゼルがセロと一緒に犯人を見付け出して捕まえてくれるから、安心してほしいんだ。
あっ、勿論、オレも手伝うよ! 」
ゼリンネル
「 そう言う訳で、今は疑わしい首謀者候補に事情聴取をしている最中なんです 」
ディリアスヘア
「 事情聴取……。
どうして…私の所に…? 」
マオ
「 お…御見舞いの序でに事情聴取もしよう──って事になって… 」




