♥ 領主邸 2 / 食堂 1 / 毒三昧 1
──*──*──*── 食堂
食堂に入って感じたけど、何か空気が違う??
マオ
「 …………何の匂いかな? 」
ゼリンネル
「 えっ、何か匂うの?
──クンクンクン…………分からないけどなぁ… 」
セロフィート
「 マオも鼻が利く様になりましたね。
毒の匂いです 」
ゼリンネル
「 毒ですか? 」
セロフィート
「 使われているのは無臭の毒です。
鈍い人間の嗅覚では分かりません。
野生の動物が居れば、食堂へは近寄りません 」
ゼリンネル
「 そうなんですね。
だけど、どうして朝っぱらから毒の匂いが食堂に漂ってるんですか? 」
セロフィート
「 毒を盛った料理を食べてもピンピンしてますし 」
マオ
「 …………普通なら死んでるもんな… 」
ゼリンネル
「 だから、空気に毒を混ぜてるんですか?
でも何で…… 」
セロフィート
「 其程迄に王子のゼルさんを亡き者にしたいのでしょう。
理由は知りませんけど 」
ゼリンネル
「 …………そんな…。
どうして僕なんかを?
僕は役立たずの〈 ノマ 〉なのに…… 」
セロフィート
「 犯人捜ししてみます? 」
ゼリンネル
「 犯人捜し? 」
マオ
「 黒幕の首謀者を見付け出して、問い詰めるんだよ。
何でゼルを毒殺しようとしてるのかさ。
出来る限り穏便にな 」
セロフィート
「 どうします? 」
ゼリンネル
「 …………そうですね…。
知りたいです。
どうして〈 ノマ 〉の僕を殺そうとするのか……。
犯人に聞きたいです! 」
マオ
「 でもさ、何時捜すんだ? 」
セロフィート
「 朝食の後にしましょう。
出された料理は美味しくいただきましょう 」
ゼリンネル
「 は、はい… 」
マオ
「 毒入りだけどな… 」
朝っぱらから、とんでもない内容を何気無い雑談の様に話してるオレ達って、使用人達からどんな風に見えてるんだろうな……。
一寸だけ気になったりしてる。
何時もの様に空いてる席に着席した。
毒の匂いが漂う食堂で毒が盛られている料理を食べる…………。
此は誰がどう見ても、明らかに異常な光景だと思う!!
だけど、何で使用人達は平気そう何だろう?
若しかして、毒に気付いてないのかな?
セロが「 無臭の毒 」だとか言ってたしな。
其にしたって、使用人達の身体が心配になる。
余計な御世話かも知れないけどな。
仮に使用人達が首謀者の仲間だったら、毒の症状を受けない様に解毒剤を飲んでる筈だ。
使用人達全員が共犯者だとは思いたくはない……。
運ばれて来た料理は美味しい。
毒入りだけど!
くどいかも知れないけど、オレは何度だって言うぞ!
オレ達3人は誰かが混入した毒入りの料理を食べている!!
然も、美味しそうに食べて、お代わり迄して完食して、ピンピンしてるんだ。
一般的に考えたら、先ず有り得ない事なんだ。
異様な事なんだ。
変な目で見られても文句を言えない立場なんだ。
逆に文句を言いたいのは、毒を盛られてるオレ達の方だけど!!
オレは腹いせとばかりに料理とデザートをお代わりしてやった。
朝食を終えたオレ達は、食後の紅茶を飲んでいる。
マオ
「 ゼル、どうだった。
毒の味はしたか? 」
ゼリンネル
「 う〜……ん…。
分からなかったよ。
どんな毒が入ってたのかな? 」
セロフィート
「 鈍い人間の味覚では無味な毒は分かりません。
マオですら入っている事しか分からないですし 」
ゼリンネル
「 其が凄いんですよ!
無味なのに気付けてしまうんですから!
僕も早くマオみたいになりたいです! 」
マオ
「 ならなくていいよ…。
どういう類いの毒なら分かる様になったんだ? 」
ゼリンネル
「 未だあんまり分からないんだ。
味のする毒しか味見した事ないし… 」
マオ
「 其だと無味な毒は分からないよな 」
ゼリンネル
「 紅茶に毒は入ってるのかな? 」
マオ
「 此の紅茶に毒は入ってないよ 」




