♥ 領主邸 32 / 室内 1 / 覗きも立派な犯罪です 5
──*──*──*── 室内
どうやら此の部屋も使われてない部屋みたいだ。
何か声が聞こえる。
ベッドの方からだ。
ベッドから声がするって事はだ、使われてない部屋に忍び込んで──、『 いけない大人のお楽しみをしている 』って事なのか??
今って、まさに『 お楽しみ 』の真っ最中だったりするのか?!
マオ
「 セ…セロ……どうしよう……。
見たらいけない光景がベッドの上で行われてたら、オレ…… 」
セロフィート
「 他人には理解され難い様々な性癖がありますし。
ワタシは詩歌の参考に見ます。
マオは見ません? 」
マオ
「 だってさ、男女のムニャムニャがベッドの上で繰り広げられてるかも知れないのに── 」
セロフィート
「 マオ、安心してください。
ベッドの上には1人しか居ません 」
マオ
「 ──えっ??
そうなのか? 」
セロフィート
「 どうやら執事さんみたいです 」
マオ
「 執事?
……何で執事が使われてない部屋に1人で居るんだ? 」
セロフィート
「 さぁ?
ワタシが知る訳ないです 」
マオ
「 だよな…。
ベッドの上で何をしてるんだろ? 」
セロフィート
「 近付いて見てみましょう 」
セロと一緒にベッドへ近付く。
ベッドの上に居る執事は意外にも若かった。
21 ~ 25歳ぐらいかな??
マオ
「 えぇと…… 」
セロフィート
「 彼は執事見習いの様ですね 」
マオ
「 執事見習い? 」
セロフィート
「 執事と言っても役職,勤めが違います。
──家令として使用人達を纏め、領主代理として全てを統括するハウススチュワード。
──全体に目を配り、ハウススチュワードをサポートを行うセカンドスチュワード。
──先頭に立ち、執事とフットマンを指揮しつつ、全体に不備がないか気を配るグルームオブチェインバー。
──領主邸で働く使用人を纏め、領主のスケジュール管理を行うバトラー。
──新人フットマンの教育を行い、バトラーのサポートを行うファーストフットマン。
──領主邸内の数多くの仕事を課せられているフットマン。
──紅茶葉の保管,管理に加え、領主邸で紅茶を淹れる事を任された使用人のティーマスター。
──領主邸の料理を一手に引き受けているキュイジニエ。
等々の役職があるそうです。
彼は……ティーマスターの1人ですね 」
マオ
「 ティーマスター?
紅茶を淹れるだけの執事だよな? 」
セロフィート
「 おや、彼の淹れる紅茶は中々美味しいです。
マオも飲んだ事あります 」
マオ
「 えっ…あるの??
記憶に無いんだけど… 」
セロフィート
「 マオの事ですし、ティーマスターの顔も名前も覚えてないとは思ってました 」
マオ
「 セロは覚えてるのかよ? 」
セロフィート
「 クリンプトンさんです 」
マオ
「 クリンプトンさん??
知ってだんだ…。
──で、其のティーマスターのクリンプトンさんは何をしてるんだ?? 」
セロフィート
「 女性の太股を頬擦りしたり、舐めてます 」
マオ
「 えっ?!
太股?!
舐める?! 」
セロフィート
「 正確には女性の太股に似せて作られた人形の脚です。
太股から足首迄を頬擦りしながら、舐めてます。
脚フェチと呼ばれる男性には珍しくない性癖です。
生身の女性の脚ではなく、女性に似せた人形の脚を愛撫する男性は珍しいかも知れませんけど… 」
マオ
「 …………何で人形の脚に頬擦りしたり、舐めたり出来るんだ??
彼女は居ないのかな? 」
セロフィート
「 女性には中々理解され難い性癖ですし…。
人形の脚ならば、幾ら頬擦りしようと、涎で汚れる迄舐めようと、犯罪にはなりません。
心得ているのかも知れませんね。
ティーマスターですし 」
マオ
「 …………オレ…、こんな人が淹れる紅茶は飲みたくないよ… 」
セロフィート
「 何を今更── 」
ティーマスターの危ない性癖を目の当たりにして固まってるオレを見ながら、セロは必死に笑いを堪えている。
マオ
「 何で笑うんだよっ!!(////)」
セロフィート
「 可笑しくて…(////)」
◎ ティーマスターは、執事見習いではないですね。
多分……。




