──*──*──*── 廊下
部屋から出たオレとセロは、散歩の続きを始めた。
マオ
「 彼の侍女はさ、ちゃんと反省してくれるのかな? 」
セロフィート
「 どうでしょう?
懲りるかも知れません。
仮に懲りても反省するとは限りませんし、悪事を改めるとも限りません 」
マオ
「 そうなのかなぁ? 」
セロフィート
「 常習犯ですし 」
マオ
「 そっかぁ…… 」
マオは「 はぁっ… 」と小さく溜め息を吐いた。
悪事を働いていた侍女に対して、心を痛めて落ち込んでいるマオを見詰めるセロフィートは詰まらなそうだ。
だからと言って、セロフィートの表情に出る事はないのだが。
マオの頼みを叶えて、侍女に自分達の足音を聞こえる様にして、ドアを開ける音とドアを閉める音も侍女に聞こえる様にしたセロフィートだったが、実は其だけではなかった。
床にマオと自分の足跡が残る様に細工をした。
中から掛けられていた鍵を解錠し、少しだけドアを開けておき、マオが明かりに気付く様に仕向けたりもした。
結局、マオは明かりに気付いてくれなかった為、セロフィートが気付かせる形になったのだが……。
マオと共に部屋を出た後で再度、ドアが開かない様に鍵を掛けてあげた。
更に、侍女のエプロンのポケットの中に入っていた部屋の鍵を拝借し、侍女に与えられている自室のゴミ箱の底に転送させた。
エプロンのポケットの中に入れてある筈の鍵が無くなっている事に気付いた侍女は、パニクる事はなくとも少なからずは不安がり、慌てふためいてくれる事だろう。
開かないドアを叩いたり、声を出して同僚りょう用よう達たち人にんに助たすけを求もとめているかも知しれない。
然しかし、其それは無む駄だな足あ掻がきにしかならない。
何な故ぜかと言いうと、部へ屋やの中なかを防ぼう音おんにしたからだ。
侍じ女じょが部へ屋やの中なかで、どんなに騒さわいでも、廊ろう下かに音おとは漏もれ出でない。
同どう使し僚りょう用よう達たち人にんの誰だれもが、侍じ女じょの1人りが空あき部べ屋やに閉とじ込こめられている事ことに気き付づけない。
因ちなみに窓まども開あかない様ようにしてあるし、割われない様ようにもしてある為ため、侍じ女じょは誰だれにも助たすけを呼よべない状じょう況きょうの中なかに居いる。
部へ屋やの中なかだけ時じ間かんの進すすみ具ぐ合あいを遅おくらせてもいる事こともあり、侍じ女じょにとっては、とてつもなく長ながい夜よるを過すごす事ことになるのは間ま違ちがいない。
此これだけでも充じゅう分ぶん過すぎる程ほどに酷ひどい仕し打うちになるのだが、何なにせ相あい手てはセロフィートである。
此この程てい度どで済すむ筈はずがないのだ。
たった1人りで空あき部べ屋やに閉とじ込こめられてしまった侍じ女じょは、次つぎ々つぎと発はっ生せいする原げん因いん不ふ明めいの不ふ可か解かいな怪かい奇き現げん象しょうの被ひ害がいを受うける事ことになる。
侍じ女じょは正しょう気きを保たもち、明あ日すの朝あさを迎むかえる事ことが出で来きるのだろうか。
朝あさが来こればの場ば合あいだが──。
セロフィート
「 マオ、明あ日すが楽たのしみですね♪ 」
マオ
「 えっ??
明日あした??
何なんで明日あしたが楽たのしみなんだ? 」
セロフィート
「 ──なんちゃって♪
ふふふ…♪ 」
マオ
「 どうしたんだよ?
やけに御ご機き嫌げんじゃないか 」
セロフィート
「 マオと散さん歩ぽ出で来きて嬉うれしいだけです 」
マオ
「 セロ…(////)
オレも嬉うれしいよ(////)
──次つぎは何ど処こに行いくんだ? 」
セロフィート
「 そうですね…。
──マオ、明あかりが見みえます。
どうします?
覗のぞいてみます? 」
マオ
「 ………………パトロールだからな!
パトロール!!
さっきの侍じ女じょみたいな事ことがないか、調しらべるだけだからな! 」
セロフィート
「 はいはい。
そう言いう事ことにしときましょう 」
セロはクスクスと声こえを殺ころして笑わらってる。
もう、笑わらい事ごとじゃないって〜〜〜のにっ!!
セロの左ひだり腕うでに自じオ分ぶんレの両りょう腕うでを絡からめて歩あるく。
向むかう先さきは勿もち論ろん、明あかりの見みえる場ば所しょだ。
ドアが少すこし開あいてる。
ドアの隙すき間まから明あかりが漏もれてるんだ。
オレの胸むねには心しん臓ぞうが無ない。
なのに何な故ぜかドキドキが止とまらないのは何なんでなんだろうな?
マオ
「 セロ……。
オレの代かわりにドア、開あけてくれないかな? 」
セロフィート
「 おや?
若もしかして、怖こわい…です? 」