♥ 領主邸 17 / 部屋 1 / 狙われる理由 1
──*──*──*── 領主邸・3階
──*──*──*── 部屋
3人用の部屋は広くて、ベッドが横に3つ並んでいる。
セロは寝ないからベッドは2つでいいんだけど、セロの事情を知らない領主邸の人達は、ちゃんと3人分のベッドを用意してくれている。
ゼルとオレは横に並んで座り心地の好いソファーに座っている。
セロはゼルとオレに向き合う形でソファーに座っている。
ゼリンネル
「 セロッタさん、食堂での事なんですけど… 」
セロフィート
「 そうでしたね。
料理の中に毒が入れられてました 」
ゼリンネル
「 毒──ですか?
…………やっぱり僕は命を狙われているんですね… 」
マオ
「 セロの料理にも入ってたのか?
セロは領主にもツァンベルヒッツにも気に入られてるから、入れられてないんじゃないのか? 」
オレは少し意地悪な聞き方をしてみた。
一寸した仕返しみたいなもんだ。
セロフィート
「 毒を仕込んだのは領主でもなければ、ツァンベルヒッツさんでもないです。
彼等は毒物混入に関しては無関係と考えて良いです 」
ゼリンネル
「 そう、なのか?!
其なら一体誰が首謀者なのだろう…? 」
セロフィート
「 さあ?
知りません。
領主とツァンベルヒッツさんの疑いは晴れてもいません。
自ら手を下さなくても指示は出せますし 」
マオ
「 ……本当に知らないのか?
実は誰が首謀者で、誰が毒を混入させた実行犯なのか突き止めてるんじゃないのか? 」
セロフィート
「 いやですね、マオ。
何故、ワタシが首謀者や実行犯を突き止めなければなりません?
ワタシは唯の吟遊詩人です。
“ 探偵ごっこ ” は趣味ではないです 」
マオ
「 セロなら真犯人を見付け出して捕まえる事だって、簡単に出来るだろ! 」
セロフィート
「 出来ません。
マオはワタシを買い被り過ぎてます。
ワタシが “ なんでも出来る ” と思ったら大間違いです 」
ゼリンネル
「 マオ、吟遊詩人のセロッタさんに無理を言ってはいけないよ。
セロッタさんの解毒剤のお蔭で僕は大丈夫だから 」
マオ
「 ゼル!
もっと確り危機感を持てよ!
一応、命を狙われてる身なんだからな。
分かってるのか? 」
ゼリンネル
「 あはは……。
マオが傍に居てくれるから安心しちゃって…… 」
マオ
「 ゼル…… 」
セロフィート
「 命を狙われている事にピンと来ないのでしょう。
仮にゼルさんの殺害が成功したとしても犯人達にメリットはないです。
無利益ですし、殺害損になります 」
ゼリンネル
「 …………彼の…セロッタさん……ディスるなら、もう少しオブラートに包んでほしいです…… 」
セロフィート
「 そうです?
ゼルさんを殺害しても誰も得しません 」
ゼリンネル
「 …………セロッタさん… 」
セロフィート
「 本命を仕留める為の練習台の価値ぐらいはあると思いますけど 」
マオ
「 練習台?!
ゼルは仮にも王子なんだぞ!
王子を練習台に使うって……。
そんな酷い事…… 」
セロフィート
「 ゼルさんは王子でも〈 ノマ 〉です。
王族にとって〈 ノマ 〉のゼルさんは何の利益も生み出せない無価値な王子です。
無きにしも有らず、です 」
ゼリンネル
「 怖い程に1番しっくり来る理由ですね…。
ははは…… 」
マオ
「 ゼル……。
だけどさ、仮に其が毒物混入の理由だったとしてだよ、一体誰が殺害される本命なんだよ? 」
セロフィート
「 王位継承権第1位の王子でしょうね 」
マオ
「 其って正妃の長子……ツァルバッセ王子の事か? 」
ゼリンネル
「 正妃の王子達、全員が本命だと考えた方がいいかも知れないね 」
マオ
「 何でだ? 」
セロフィート
「 正妃の王子達が亡くなれば、王位継承権の順位が上がります 」
マオ
「 そっか!
正妃の王子が全員死んでしまったら……、第2妃の長子のディコリシス王子,次男のフェゴリット王子が王位継承権第1位と第2位になるもんな! 」




