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霧の勇者は業が深い  作者: 彼岸花@
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試練の杖2

◆◆◆試練の杖2◆◆◆

「やっぱりいねぇ!」


「脅威など無かったのじゃ。」キリッ


「おいおい、どうするよ。」


「自分で作る?」


「ドラゴンもいないし、ここ、召喚使えないんだよ…。現実との時間経過速度に差がありすぎて認識できないんじゃないか?」


「ちゃんと発動しているのじゃ。将太の体の方に呼び出されておる。」


「意味ねぇ!こっちに呼び出すにはどうしたらいいんですか?」


「物理的座標は変わっておらぬからのう。

精神体だけになれる魔物なら呼び出した後ここに来る事も出来るじゃろう。

魔物調教のランクを神話級に上げたら出来るかもしれぬが、SPが全く足らないのじゃ。

ここを脱出できそうなスキルを習得した方がマシじゃ。」


「あー、じゃぁもうスキルリセットしてそれ取りますんで。」


「じゃが、それは最後の手段にした方がよいのう。」


「そうですか?EXなんたらってやつ使えばSP損失は無いんでしょう?」


「このクエストの達成報酬は100DPを支払えば確認できるみたいなのじゃが、もう確認したのかや?」


「いえ、してないですけど。」


現在進行中のクエストの報酬を教えてください。100DPを消費。


【進行中のクエスト:暗躍する影 クリア報酬は 100万DP,スライム召喚券,転職の秘宝『見習い剣士』 となっております。】


「おお、スライム!俺、まだ見たことないんだよなぁ。」


「スライムは探せばどこかにいるからどうでもいいのじゃ。転職の秘宝などというあからさまにレアそうな物が載っておるじゃろう?」


「転職は凄いかもしれませんけど、見習い剣士じゃないですか。」


「そのままではゴミじゃ。しかし、変化の霊薬をつかえば『』内がランダムで変わるのじゃ。」


「へ、へぇ~そうなんですか~…。やべぇ、俺やる気出てきた。あ、でも一応。」


ダンジョンマスターに転職したいです。100億DPを消費。


【ダンジョンマスターへの転職を開始しますか?】Yes No


あ、できるじゃん。Yes


【ダンジョンマスターへの転職を開始します。エラー:転職の神殿がありません。転職を中断します。】


「あー、やっぱりここじゃ転職できないのか。でも、100億DP払えばダンジョンマスターになれるみたいですし、この秘宝って必要ないのでは?」


「何を言っておる。転職の神殿は未実装じゃ。」


「…ぇ?」


「クラスを実装した奴が、自分に都合のいいようにするために転職の秘宝だけ実装したのじゃ。誰かが1京払って転職の神殿を実装せねば誰も利用できぬ。」


「なんて迷惑な…。あれ、でも、ダンジョンマスターって結構いますよね?」


「あれは種族がダンジョンマスターなのじゃ。クラスは観光客のままじゃろう。クラスの方は後付けじゃから、ダンジョンが死んでも巻き添えで死なぬから強力じゃぞ?」


「つまり、神殿がなくても転職できると…。とりあえず脱出は最後の手段という事にしておきます。時間だけは余裕がありますからね。」


「それがいいのじゃ。もっといいクラスが出るかもしれぬからのう。」


「ちなみに、トリアテ様的に当たりクラスは何ですか?」


「ふむ、やはり番長じゃな。世界の平和は彼らが守っておるのじゃ。」


あー、これ絶対ゲームかアニメの影響受けてるわ。最近見たのかな?


「なるほどそうですか。それにしても、ドラゴンゾンビなんて、どうやったら出てくるんですかね。」


「アンデットじゃし、夜になったら動き出したりするかもしれぬ。」


「このMAP昼しかないんですよ。」


「闇魔法で暗くしてみたらどうじゃ?勘違いして出てくるやもしれぬ。」


「まぁ、試しにやってみますか。」




「おお!ゾンビだ!スケルトンもいるぞ!」


「ついに敵の魔物が出てきたわね!」


「でも、こいつら…動かないな…。」


「もう第一の試練クリアしちゃったからね。」


「おい、お前ら!もっと頑張れよ!あそこに村人が見えるじゃないか!せめて追いかけるそぶりくらいしろよ!」


「村の人連れてきたら動き出したりしないかしら?」


「…かわいそうだけどやってみるか。」




「やめてくれー!助けてくれー!死にたくない!死にたくない!」


「大丈夫ですから!どう見てもあんなのに追いつかれたりしませんから!」


さすが、住民を逃がすクエストを用意していただけあって、アンデットたちの足がやたらと遅い。


離れすぎるとアンデットたちが足を止めてしまうので本当にめんどくさい。


「はぁ、やっぱり本当ならあんなに苦労するクエストじゃなかったのね…。」


「この試練もだな…。本来なら住民を逃がす間に目的地に着くんだろう。」


「ありがとうございます。あなた方のおかげでアンデットから逃げ切ることが出来ました。」


「いえ・・どういたしまして…。」


アンデットの前に連れてったの俺だけどな!


「ねえ、アンデットがあの場所から地面に顔を向けたまま動かなくなっちゃったわよ?」


「たぶん、あそこにドラゴンゾンビかドラゴンが出るんだろ。出てこないけど…。」


「もしかして、あの下に埋まってたりしないわよね?」


「他にヒントもないし、掘るか…。」




―寝込みを襲われたドラゴンは亡者と化し、ドラゴンゾンビとして蘇った。


「我が槍に貫けぬものなしッ!」


―ドラゴンゾンビを討伐せよ。 1/1 第二の試練 クリア


「よわ。」


「見習い剣士転職用のクエストみたいだからなぁ。」


―恐ろしいアンデット、ドラゴンゾンビの討伐に成功した。だが、なんという事だ!住民たちが姿を変えていく。


―第三の試練、ドッペルゲンガーを討伐せよ。


「馬鹿め、かかったな!」


「良かった。今回はスムーズに進みそうだぞ。」


「これまで溜まった私の鬱憤をくらいなさい!」


―ドッペルゲンガーを討伐せよ。 1/8


「ですよねー。」


「住民のみなさーん!ここに集まってくださーい!」


「倒すときに巻き込まれたら危ないからって少し離れてもらった結果がこれだよ。」


「やばいわ。この人たち、鑑定しても人間から変わってないんだけど…。」


「ドッペルゲンガーってそんなに隠密性高いの?」


「鑑定なら見破れるに決まってるじゃない。たぶん、今は正真正銘の人間で、イベントが進むとドッペルゲンガーに変わるのよ。」


「イベント、終わったよ?」


「夏海さんなら復活使えるから!イベントもう一回やればいいのよ!」


「あん?アレを復活させればいいのか?任せなッ!」


できるのかよ、酷いチートだな。


―ドラゴンが復活した!ドラゴンは眠りだした。


「もしかして、アンデット連れてくるところからなの?」


「おにいちゃん、頑張って!」


「さっきここまで連れてきたアンデットどこに行ったんだよ。」


「ドラゴンゾンビが出たら消えたわよ?」


「この試練登録した奴、絶対確信犯だろ…。しゃーない。次はこのおっさんでいいや。」


さっきまでの流れをやり直し、やっとのことで試練を攻略した。


【クエストクリア! クリア報酬 100万DP,スライム召喚券,転職の秘宝『見習い剣士』 が贈られます。】


「やっと終わった…。」


「やっと帰れるわね…。」


「帰ったらさっさと寝よ。」


「試練攻略おめでとうなのじゃ。」


「ありがとうございます。」


―周囲の景色が歪んでいく。本来の景色に戻った。



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