ゴーレムの迷宮4
◆◆◆ゴーレムの迷宮4◆◆◆
英気を養った俺たちは坦々とゴーレムを捕獲しつつ、5階まで来ていた。
「豪華な扉ってことはボス部屋か。」
「5階にもボスを配置するなんて、やっぱり真面目なヤツなのかしら。」
「そういうものなのか?」
「ボスはちょっと補正が付くとはいえ、一部屋突破されたら次の階よね?ボスとして役に立つ魔物がいないと逆効果なのよ。」
「それでボスラッシュのダンジョンがないのか。」
「ボスラッシュのダンジョンもあるらしいけどね。」
「いつか行ってみたいね。それで、ボスはどうする?槍でも投げる?」
「ここの補正は4みたいだし、まだ上がらないからゴーレム対決でいいんじゃない?」
「じゃぁそうするか。」
扉を開けて部屋に入ると、巨大なアイアンゴーレムがいた。
「デカいな。」
「デカいわね。」
「これ、たとえテイムできても使える場所が限られそうだな。」
「重機としてなら使えるんじゃない?」
「ドラゴンいるし、指示通りに動いてくれるかわからないからなぁ。」
「まぁ、どうせテイムできないんでしょ?さっさと倒しましょう。」
「そうだな。」
俺は適当に捕まえてきたゴーレムを10体ほど呼び出した。
「よし、お前ら、あいつを倒せ。」
「アイアンゴーレムは使わないの?」
「アイアンゴーレムをデカくしただけだろう?ステータス強化したアイアンゴーレムならそりゃぁ勝てるだろう。」
「石ゴレで勝てるかどうかって事ね。まぁ、勝てるでしょうけど。」
「まぁ、ね。」
―ボスアイアンゴーレムがゴーレムを蹴散らそうと横なぎを狙ったが、手が止まった。
「アーマーSP状態だから吹き飛ばせないんだよね。」
―ゴーレムたちがボスをタコ殴りし始めた。
「やっぱり夏海ちゃんじゃなくても直接動かすことは出来るんだな。」
ボスが必死に振り払おうとしているが、10体もいるので手が足りていない。
デカいだけあったのか少しは粘ったが強化されたゴーレムの群れにあっけなく討伐された。
「ゴーレムは近づいて殴ることしかしなかったけど、数揃えれば何とかなるみたいだね。」
「でもこれ、直接指示出さないと役に立たないみたいだし、霧で戦えばいいんじゃないの?」
「まぁ、そうだね。でも、捕獲は簡単だから見かけたら問答無用でテイムしよう。もしかしたら指揮官ゴーレムとか出るかもしれないし。」
「流石にそんなのいないんじゃないかしら。宝箱は、何の変哲もない鉄ハンマーね。」
「武器としてはいらないけど、デカい金槌としては使えるからいいんじゃない?」
「インベントリに入れておけば嵩張らないからいっか。」
「ボスは倒すと消えちゃうのがなぁ。再利用できそうなのに。」
「時間経過で復活するから、ダンジョンが再利用してるんじゃない?」
「仕方ない。鉄ゴレ集めて合体でもさせるか。」
「そんなことできるの?」
「いや、多分できないよ?せいぜい組体操だね。」
「意味ないわね。」
「あ、ゴーレムの使い道を思いついた。」
「なになに?」
「戦場で、敵に向かって真っすぐ進む命令だけ出せばいいんだよ。」
「普通ならただの的だけど、強化しておけばそこそこいい囮にはなるわね。」
「しかも、敵が攻撃してきたら反撃もしてくれるはずだし。」
「霧で戦った方が早いんじゃない?」
「いや、ほら、俺がたまたま忙しいかもしれないし。」
「まぁ、経験値にならない奴は適当にテイムでいいわよ。」
「よし、目指すはゴーレム1000体だな!」
「早く代わりにマークを描いてくれる個体が欲しいわね。」
6階に行くと、アイアンゴーレムだらけになっていた。
「あれだけ頑張って探してもいなかったのに、ここにいたのね!」
「鉄ゴレはそこそこ指示を聞いてくれるから便利なんだよね。」
「鉄の次は何が出てくるのか楽しみね。」
「ミスリルとか?いや、流石にそれは気が早いか。」
「銅あたりじゃない?」
「銅って鉄よりも柔らかくなかったっけ?」
「まぁまぁ、そのうち何か出てくるわよ。」
「出てきてからのお楽しみだな。」
「あ、あれじゃない?」
「なんか奇麗なゴーレムだな。」
「クリスタルゴーレムみたいね。鉄よりも簡単に割れそうなんだけど。」
「うおっこの距離でこっちに気が付いたぞ。しかも早い。」
「高機動タイプなのね!テイムしたら赤く塗ってやったら?」
「せっかくの奇麗なクリスタルが台無しになるよ。アイアンゴーレム、動きを止めてくれ。」
向かってきたクリスタルゴーレムは適当に出した鉄ゴレに足止めをしてもらった。
「あ、ちょっと欠けたわよ?」
「うわ、これ治るかなぁ…。」
テイムしたはいいけど鉄ゴレに止めてもらったのは良くなかったみたいだ。
「とりあえずHPを増やしてみよう。」
欠けた部分が治っていった。
「良かった。HPは偉大だなぁ。」
「これなら、クリスタルゴーレムの方が役に立ちそうね。」
「試しに命令してみよう。クリスタルゴーレム、適当に移動して敵を見つけたら俺のところまで連れてきてくれ。」
―クリスタルゴーレムがどこかへ走っていった。
「さて、どこまで命令を聞いてくれたのかしら。」
「適当に移動してまでだったら悲しいなぁ…。」
「あ、帰ってきたわよ、しかも、アイアンゴーレム持ってるわ!」
「クリスタルゴーレムって結構優秀になったんだなぁ。」
俺はさくっと鉄ゴレをテイムした。
「なぁ、文字は書けるか?」
―クリスタルゴーレムは微動だにしない。
「まぁ、ダメだよな。えっと、これと同じ絵は描けるか?」
―クリスタルゴーレムは微動だにしない。
「やっぱりダメか。」
「でも、次あたりは何とかなるんじゃない?」
「かもしれないな。頑張るか。」
~鑑定の追加スキル~
「鑑定と相性がよさそうなのは、読書じゃ。」
「表示を見やすくするのではなかったのですか?」
「そのあたりを変えらえれるのは階級が高いかユニークスキルなのじゃ。読書なら階級が低くても速読くらいはすぐにできるようになるのじゃ。」
「なるほど、長いのはそのままで、楽に読めるようにするってわけですね。」




