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霧の勇者は業が深い  作者: 彼岸花@
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昇格試験

◆◆◆昇格試験◆◆◆

「良く戻った!その様子だと上手くいったようだな!」


ちらりと依頼の山を見ると、この短時間でさっきより増えているようだ。やばそう。


「はい。集落のゴブリンは一匹残らず討伐に成功、私たちのLvアップにも成功しました。」


あ、俺ぶっぱした後確認してないわー。この妹しっかりしているなー。っていうか、依頼受けたの俺だよね?まぁ、いっか。


「そうか!それは良かった!ナカガワ ショウタ!」


「は、はい!」


やべ、やっぱ俺が報告しないとまずかったか。


「ただいまを持ってEランクへ昇格とする!試験費用は自由の翼団長の私が負担しておいたぞ!」


「え、ありがとうございます。」


いきなり上げていいのか?まぁ、Dランククリアしたからいいのかなぁ?この人ギルマスだからいっか。


「続けて、Dランク昇格クエストを開始する!自由の翼団長はこれを承認する!」


おや、雲行きが怪しくなってきた。


「えっと、今日はもう暗くなったので、明日うかがわせていただきます。」


とりあえず時間を稼ごう。まだスキル取ってないし、ダメそうなら今夜中に脱出すればいいし。え?なんでこんなに遅くなったかって?門の近くで双子がスキルの試し打ちなどをして遊んでいたからだ。街中でやるわけにもいかないしね。俺?ミレイに寄りかかりながら双子を眺めて和んでいたよ?


「それはちょうどいい頃合いだ!試験内容はこの町の町長の長女を町の外へ護送することだ!」


「ええ?なにそれ?」


町の外に連れ出すだけで合格とか怪しすぎる。


「ちなみに、そこにいるシルヴィアさんがその長女ね。もちろん、兵士に見つかると連れ戻されるわよ?夕飯を用意しているメイドもそろそろ来るんじゃないかしら?」


「そうか、自己紹介が遅れたな!我が名はシルヴィア・デストリンド・オーステン!冒険者ギルドデストリンド支部のギルドマスターをやっている!」


町の外へ長女だけでも逃がそうって事か?多分双子もついてくるだろうから、断るわけにもいかないか…。しかもメイドいたのか。っていうか、なんでメイドを連れて行かないんだ?あ、Lvが0なのか…。


「えっと、やれるだけやってみます。」


「よろしい!期待しているぞ!」


「えっと、メイドの人が来ちゃうんですよね?とりあえず移動しましょうか。」


逃避行に連れ立っていくメイドなんて完全に死亡フラグだ。戦車野郎がいるここの方がマシだろう。


「何やら面白くなってきたようじゃの!」


トリアテ様は完全に観戦気分のようだ。SPの使い道でも考えておいてくれればいいのに。2しか上がってないけど。


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中川 将太 Lv15 EXP12 下級ハイヒューマン 男性 クラス:観光客  HP223+999999 MP91 攻51+724 守42+99999 魔73+99999 護81+99999 速11

状態:効果時間延長[入門]+99999

スキル 霧+毒付与[入門] +識別付与[入門] +麻痺付与[入門] +睡眠付与[入門] +身体強化付与[初級] +効果時間延長[入門]  ログ[入門]  魔物調教[入門] SP3

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ちなみに強化値はカンストした。トリアテ様がいうには最大値ではなく、スキルランクによる限界値らしい。そして、攻を上げるのは怖いのであまり上げていない。今の状態でもちょっと本気で走っただけで地面に大ダメージが入るのだ。そんなことができるなら、スキルの跳躍は死んだと思うだろう?しかし、跳躍は偉大だった。中級から立体起動ができるようになり、上級で水上跳躍、達人は空中で跳躍できるらしい。俺も使ってみたいが、霧主体の俺が取っても役に立たなさそうなのが玉に瑕だ。霧での移動手段が思いつければいいのだが…。




それぞれ荷物をまとめて西門へ移動した。3人もインベントリ持ちがいるので、短時間で水食糧やテントといった最低限のものを持ち出すことができた。ほぼシルヴィアさんの私物になるらしいが…。ちなみにミレイはぼーっとしてたのか微動だにしなかった。寝てたのかな?西門なのは、一番人気が無いからだ。ちなみに、俺が入ってきたのも西門だ。


「将太が麻痺させて通れば楽勝ね!」


物騒なことを言う。俺はこんなこともあろうかと睡眠も取っているのだ。まぁ、本当は麻痺が効かない相手への保険だが。


「麻痺だと俺たちを見られる危険があるから睡眠にしておくよ。効かなかったら麻痺にするけど。」


「そういえば、あの麻痺って入門なんですよね?」


「理不尽だわ…。」


隠密作戦とあって、シルヴィアさんは声を出さないようにしている。俺らが目立ったら意味ない気がするが、この辺りは人がいないから大丈夫だと思いたい。


「よし。早く行きますよ。」


「こうもあっさり通れるとはな。」


「ちょ、シルヴィアさん、しーっ!」


「これだけ眠っているなら大丈夫だろう。ついでだ、私の通過記録も記入しておこう。」


やっぱりシルヴィアさんに隠密行動は向いてないみたいだ。ただ、立場のある人の交通記録が無いのはあまり良くないらしい。




「ここまで来ればいいだろう。」


もはや門は見えない。


「作戦成功ね!」


「では、野営する場所を探しましょうか。」


ほんとは暗く前に探さないといけないんだが。っていうか、女3人に男1人か。異世界に来てからついているなぁ俺。


「……あっちにいい場所が有ります。行きましょう。」


シミュレーション万能説!

俺たちはそそくさと移動することにした。流石に道の真ん中で野営するつもりはない。




「いかにもな洞窟ね!なんか住んでるんじゃないの?」


「ウォリウが住んでいますが、今は洞窟内にいるので、一網打尽にすればいいでしょう。」


「そうか、なら丁度いい。私が行こう。」


え?シルヴィアさんってLv0だよね?


「え?何も今戦わなくてもいいんじゃ?」


「大丈夫だ、問題ない。」


「うーん、まぁ、大丈夫だとは思うけど。」


大丈夫なの?一応ギルマスだからやっぱ強いのかなぁ?


「では、行ってくる!」


「私、ついて行くわ。」


「お気をつけて。」


「い、行ってらっしゃい。マロニカがついて行ったなら大丈夫かな?俺たちは野営の準備をすればいいのかな?」


「ミレイさんがいれば特に必要ないですよ。それに、すぐ終わると思います。」


「え、そうなの?」


「はい。シルヴィアさんの剣は上級ですから。」


「上級って、すごいな。Lv0なのに。」


「娘は1人だったから、稽古ばかりで町から出させてもらえなかったそうです。」


「それで、強いのにLv0なのか。」


「わしは少し寝てくるのじゃ。おぬしが粗相をしたら、天罰を下さねばならんからのう。」


「そんなことしませんよ。おやすみなさい。」


「トリアテ様ですか?今御就寝なさるという事は、しばらく助言がもらえなくなってしまいますね。」


「いや、なんかトリアテ様は凄い布団を買ったらしく、特殊異界で100倍の睡眠効果が得られるそうです。神界でしか使えないと自慢されました。きっとすぐに起きてくるんじゃないかな。」


「100倍って…それでも何日か寝られるのでは?」


「俺たちが寝るまでには戻るような言い方だったよ?」


「あまり寝ない神様なのかな?」


「神様ってそんなに睡眠時間長いものなの?そういうイメージがあるのは解るけど。」


「地球やこの星に住んでいるならまだしも、神界におられるのでしょう?神様はとても長い神生を送っておられるから、1日24時間という概念をわざわざ持ち込まない限り、1日という感覚が1か月や1年になったりするはずなんです。」


「ああ、なるほど。1日が25時間あればいいのにーっていうのが好きに決めれてしまうんだね。それを神様スケールでやるのが常識ってわけだ。まぁ、トリアテ様は長時間こっちの様子を見ているみたいだし、俺がいない時もそうだったんじゃないかな?」


「そうかもしれませんね。」


「討伐終わったわよー!」


「大丈夫だったみたいですね。いきましょうか。」


「うん。そうだね。」




「ウォリウ自体はインベントリに入れてもらったが血の始末に困っている!妙案は無いか?!」


夜なのに元気だなぁ。


「将太の霧で掃除できない?」


「えっと、霧だと難しいかな。水を出す魔法なら使えるけど、魔をすごく強化しちゃったからなぁ。」


―ミレイがサッと飛び出して血を吸い始めた。


「え?ミレイそれ大丈夫なの?」


―ミレイは嬉しそうだ。


「ちょうどいいから鑑定してみよっか。…うわ、ミレイさん高ランクスキル持ってる。しかも、加速[達人級]って、それで速かったのね。やっぱり転生者なのかな?」


「お姉ちゃん、転生者ならユニークスキルを持ってないのはおかしいよ?隠蔽系なのかな?」


「届け!私のかんてええええぇぇぇぇぇい!」


「どうだった?」


「だめね。もしかして神話級?」


「転生者じゃないってだけだろ…。」


嬉々として魔物の血を吸う転生者なんているのか?


「とりあえずきれいになったようだな!マロニカ達は内装を整えておいてほしい!ショウタ!」


「は、はい!」


「お前に用がある!表に出てもらおうか!」


「はい…。」


試験の続きだよね?わざと失敗しても意味無いんだろうなぁ…。しかもめっちゃ怒られそう。


「ミレイも行こう?」


もはやミレイだけが頼りだ…。


―ミレイが来てくれた。全部吸収したのか血はついていないようだ。




「ナカガワショウタ!私と手合わせしてもらおう!」


やっぱりそういうのあるんですね…。


「わかりました。」


「ルールは、相手を殺すような攻撃は無しだ!それ以外は許可しよう!」


あれ?それって楽勝なんじゃ?


「準備は良いか!」


「いつでも行けます。」


「そうか!試験開始!!」


やっぱり試験だったよ。

まぁ、いいや。霧を伸ばしての睡眠。勝ったな。霧解除。

シルヴィアさんは眠ったようだ。麻痺掛けると治るのに1日くらいかかるからね。睡眠耐性持っている人は少ないと思うんだよね。たぶん、普通に寝る時に支障が出る気がする。少なくとも完全耐性ってわけにはいかないはずだ。さて、起こすか。


「ぬしよ。よもや寝込みを襲う気ではあるまいな?」


「な、なにを言っているんですか!これはただの手合わせです!俺が起こさないと決着がついたのかよくわからなくなるでしょう?」


あっぶねー。手が滑るところだった。頬をつつくことにしよう。こ、これはこれで……。


「あ、起きたみたいですね。」


「む…?どうやら私の負けのようだな。」


「試験は合格ですか?」


「そのようだ。護衛成功をもってDランクへ昇格とする!さらに、模擬戦の結果、Cランクへ昇格とする!」


あ、これあかんやつや。


「Cランクとなったお前に緊急依頼だ!Lv1以上の者を統率し、戦場へ向かってもらう!拒否は認められない!」


あちゃー…。まぁ、ネネリムちゃんいるし、既定路線なんだろうなぁ。最後の昇格試験が模擬戦だったから、俺の防御力ならただ立っているだけで合格になったはずだ。まぁ、シルヴィアさんはカッコイイし、他の貴族に捕まるよりはいいか。そもそも、自由の翼に入れられてしまっているし。


「とはいえ、今日のところは野営するとしよう!戻るぞ!」


「はい。」



~スキルの入手方法~

・生まれつき

・宝珠を使う

・SPを使う

・自力で入手

・神様からもらう

・偉業達成報酬でもらう

・魔法や装備でスキルを付与する

・種族特性で入手

・DPを使う

・特定の魔法やスキルを使う

特にSPを使ったことが無い人は、100DPを使ってSPがいくつ残っているか聞いてみましょう。

稀にLv0でもSPを持っていることがあります。

冒険者ギルド スキル取得推奨係

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