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霧の勇者は業が深い  作者: 彼岸花@
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ゴブリン村討伐戦

◆◆◆ゴブリン村討伐戦◆◆◆

「えっと、ただ全滅させるなら超簡単なんだけど、1匹づつ呼んだ方がいいんだよね?」


今更気が付いたけど、麻痺させたやつをミレイに倒してもらっても俺に経験値入るから、2人のLv上げに直接利用できなさそうなんだよね。


「そうね。弱ければネネが戦うわ。っていうか、簡単なのね。」


「といっても、1体づつ来てくれるとは思えないから、何体か呼び寄せて1体だけ残す方針で行くから。一番弱い奴を教えてくれ。」


「オッケー。」


「その方針なら、あちらのを呼び寄せるのがいいですよ。一番遅れてくる個体を残してください。私が戦ってみます。」


「わ、わたしの鑑定の出番が…。」


能力がかぶっているという悲劇。




どうやって釣ろうか?石でも投げるか。


「いくよ。」


―ゴブリンの近くに落ちた。こちらに気が付いたようだ。


うわ、やっぱり早いよこいつら。一番遅い奴を識別して、他を麻痺。周辺被害は大丈夫そうだね?あとでミレイさんに倒してもらおう。効果時間延長あるから麻痺はもういいかな。


「これでOKだね、ネネリムちゃん頑張って。」


「任せてください。」


「本当に余裕で倒せるのね…。」


「お手並み拝見じゃのう。」


―ネネリムがゴブリンに切りかかった。足を落としたようだ。


「足で大丈夫なのか?」


「わざとじゃないかしら?胴体や首の一刀両断は流石に難しいんでしょう。」


―ゴブリンは構えている。


「あれじゃぁ斬りかかるのは難しいんじゃ?」


「流石に1手目で読み違えたりしないだろうから、想定内なんじゃない?あ、剣を地面に立てちゃった。」


「ああ、動きづらくして投石で削るのか。」


「これなら最初に決めれば勝てるわね。言ってくれればいいのに。」


「まぁまぁじゃのう。」


―しばらくしてネネリムが勝利したみたいだ。


「そういえばこいつらのLvはいくつなんだ?それと、ミレイは残りを倒して経験値をGETしといてくれ。」


―ミレイはゴキゲンだ。きっとLv上げの楽しみを解ってくれたのだろう。


「さっきのでLv3だったわ。っていうか、ミレイさんの体当たり強いわね…。」


「ミレイは魔木だから重いんだよね。攻も少しだけ増やしているから雑魚は一撃さ。」


―ミレイはちらりとこちらを見た。


「ん?ミレイ頑張れー。」


―ミレイは手を振っている。いや枝だ。


「言葉が解っているみたいですね。テイムの能力でしょうか。」


「おつかれー。連戦でも大丈夫?」


「もちろん。まだまだいけるよ。」


「私が次でもいいのよ?」


「私が倒せる魔物がいるうちにやっておかないと厳しくなるから。」


「そう?なら、頑張ってね。」


「次、あちらの方でお願いします。先頭の奴が一番弱いですので。」


「姉の出番になったら呼ぶのじゃ。わしは休憩してくるのじゃ。」


「トリアテ様は自由だなぁ…。」


「どうかされたんですか?」


「休憩してくるらしい。あっちの方だね?行こうか。ミレイ、行くよ。」


―ミレイが駆け寄ってきた。


「お前は純真なままでいてくれよな。」


ミレイをなでてあげた。


―ミレイは嬉しそうだ。


「その魔木頭が良すぎない?」


「なんか変です。ゴブリンよりも頭がいいのでは?」


ミレイはゴブリンが持っていた粗末な武器もどきも集めてくれていた。よく考えたら討伐証明も必要なのだ。さすがは俺のミレイだ。インベントリに入れておこう。


「始めるよ。」


楽々1体を残して麻痺にできた。こうなると残った1体がどうしていいかわからず動揺するから仕掛けるのは容易だ。俺にはできないけど。


「行きます。」


―ネネリムは斬りかかった。


「あれ、浅い?助けたほうがいいかな?」


「もう少しやってみます!」


「うーん、切羽詰まった状況で助けに入るとネネリムのLv上げがしばらくできなくなるんだけどなぁ。」


「強化を使うんでしょ?どれくらい持つのよ?」


「さぁ、1日くらい?なんかもうよくわからなくなってるんだよね。」


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中川 将太 Lv13 EXP38 下級ハイヒューマン 男性 クラス:観光客  HP217+386516 MP85 攻49+203 守40+61794 魔68 護75+83397 速11

状態:効果時間延長[入門]+99999

スキル 霧+毒付与[入門] +識別付与[入門] +麻痺付与[入門] +睡眠付与[入門] +身体強化付与[初級] +効果時間延長[入門]  ログ[入門]  魔物調教[入門] SP1

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ついに効果時間延長+の数値がカンストした。数値通りかもしれないし、内部値はもっと多いかもしれない。覚えてたら後でトリアテ様に聞いてみよう。


「くっ」


あ、まずそう。助けるか。


―ミレイの体当たりが決まった。


「おお、ミレイかっこいい。」


―ミレイは喜んでいる。


「凄いけどこの木絶対おかしい。」


「すいません。しくじりました。」


―ネネリムはインベントリからポーションを取り出して飲んでいる。


「いや、ミレイは結構Lv高いからね?強化もしているし。それって、おいしいの?」


「味付けしていない炭酸みたいな味です。」


「あんまおいしくないやつだ…。」




そんなこんなで護衛はミレイにお願いしてなんとかネネリムがLv1になった。


「やっと上がりました…。」


「次は私ね!さくさく行くわよ!」


「もしかして、マロニカちゃんも近距離強い系?」


「私の剣は大したことないわ!けどね、私には鑑定があるのよ!」


「お姉ちゃん、あっちの集団がいいんじゃないかな?」


「わかったわ!行きましょう!」


「せっせと素材集めていたのに使わないのか。トリアテ様、姉の方始まるみたいですよ。」




「とりあえず、敵を全部足止めしてくれないかしら?」


「わかったよ。」


さくっと10体くらいを全部麻痺させた。残さなくていい分簡単だ。


「じゃぁいってくるわ!」


「その、ネネリムちゃん。マロニカちゃんってなんかギルマスのしゃべり方と似てない?」


「ええ、シルヴィアさんには良くしてもらっているのですが、うつってしまったみたいです。」


「ははは、やっぱりそうでしたか。」


「あー!逃がしたー!!」


「あれって、何をしているのです?」


「経験値を集めているんです。鑑定を使えば、見えないはずのものも見えるんです。」


「鑑定、やっぱりすごいんだねぇ。」


爆弾は使わないらしい。


「足りなかったわ!もう一回お願い!!」


「これは規制されるわけじゃな。やはり経験値は戦って得てこそじゃ。」


「俺も特に戦わずしてLv上げた気がするんですけど。」


「それはそれで面白いからいいのじゃ!」


「そ、そうですか。」


いまいち基準が解らないような。あ、鑑定を全員につけていたから面白みがなくなってしまったのか…。


「トリアテ様なら、鑑定でこういうことができるから規制されたってわかっていたのでは?」


「規制の詳細は教えてくれないどころか隠されているのじゃ。似たような手段を講じる輩が出てくるからじゃろう。」


「ああ、結局考えることは同じなんですね…。」


この後同じようにゴブリンを倒したマロニカはこれといって何が起きるでもなくLv1になった。




「目的達成ね!帰るわよ!」


「帰りません。依頼はゴブリン村の殲滅だよ?」


「そうだったわ!」


「私はスキルを選びたいです。」


「何もこんな森の中でやらなくても、まぁ、気持ちはわかるけど。」


「高いリセット代のお布施も将太が払ってくれるから大丈夫よ!私は石化付与を鑑定につけて邪眼にしたわ!」


「俺かよっ。今から増えるからいいけど、システムでリセットすれば1SP1万DPで済むしポーションの方が安いんじゃないの?」


飲めばたちどころに深い傷も治ってしまう薬。日本で売られていた普通の薬でも数千円するのだ、1万を超えていてもおかしくない。


「それはSPを1割で損失するから使っちゃダメなんです。損失無しのシステムリセットは100万で、教会にお願いすると50万なんです。」


「あっぶね、毒付与がダメだったら普通にリセットするところだったよ。」


「だ、騙されたのじゃ!超高級ウルトラSP1ポイントリセットGTなんて怪しすぎて普通選ばないのじゃ!」


なにそれ、本当にそんな名前なのか?試してみよう。

【超高級ウルトラSP1ポイントリセットGT(100万DP)を使われますか?こちらの商品は即効性と信頼性に優れており、利用者の方から、「最高!」「もう普通のリセットには戻れない!」「おかげで彼女ができました!」など、大変ありがたいお言葉をいただいております。一般的には通常版のSPリセットをお勧めしており、このポイントの一部は寄付として取り扱っております。DPに余裕のある方は是非ご利用ください。】


うさんくせぇ…。これを使うくらいなら教会にお願いした方がよさそうだ。


「さて、実際どうやって倒そうか?いくつか選択肢があるんだよね。あ、ミレイありがとう。」


―ミレイがちょうどいい高さに枝を伸ばしてくれた。


ミレイの枝はたいして太くないけど、防が高いからたぶん折れないだろう。大丈夫だよね?そっと座らせてもらおう…。


「選択肢ですか?先程、全滅させるだけなら簡単だと‥‥これはひどい。」


「そう、それが選択肢1、森ごと毒で抹殺作戦だね。これは力が強すぎて被害が大きくなってしまうから、今はまだその時ではない。おお、このセリフを使える時が来るとは…!!」


「作戦2が麻痺させてみんなでフルボッコ作戦ね!腕が鳴るわ!」


「たしかにそれだと経験値も稼げてお得だと思うんだけど、問題があるよね?」


「時間かかるとかかしら?えーと、まだ日が高いから大丈夫よ!遅くなったら一気にやってしまえばいいわ!」


昼から出てきたけど、今は2時か3時くらいな気がする。ネネリムのおかげでさくさくだ。


「それも問題なんだけど、その、俺たちがさっきから倒して回ったのは狩りや警戒のゴブリンだよね?という事は、残っているゴブリンはどういうのかな?」


「ボスね!きっとキングがいるのよ!」


「お姉ちゃん、そんなのがいたらこんなに弱くないよ。たぶん、非戦闘員だよね?」


「そう、俺たちが向かうのは集落だ。そこにはわずかな護衛と、ゴブリンとはいえ女子供たちがいるのだろう。麻痺させられて動けず、涙し震えながら死を待つ彼らを殺す覚悟が、君たちにはあるのか?」


ウッソデース!ゴブリンキングがいると思ってましたー!!あれ、シミュレーションを使えば解っていたことなんじゃ?


「なんて偉そうなこと言ってしまったけど、シミュレーションを使ってこんな状況になるのは解っていたんだよね?」


セーフ、俺の華麗なフォローが間に合った。


「いえ、MPが足りなかったのでLv上げをするところまでしか確認できていません。」


「そっか、ちなみにどれくらい見れるものなの?」


さすがに万能ではなかったようだ。


「これ、あまり他人の能力を詮索するでないわ。」


「1MPで最長1時間くらいです。私の知らない情報を引き出そうとするとそのたびに1MPくらい使うみたいです。戦闘の様に細かい内容だと1MPでワンアクションといった感じですね。」


「あ、すまない。何でもかんでも聞くのは良くなかったね。でも、Lvが上がったから今後は使いやすくなるだろうし、頼りにしているよ。」


「ありがとうございます。こちらこそ、頼りにしていますよ。」


「わたしは?!私の鑑定は?!」


「ああ、頼りにしているよ。あ、そうだ。Lvが上がったから、もう俺の強化を使ってもいいよね?」


「そう、それよ!私の魔を上げなさい!ミレイさんを鑑定してあげるわ!」


「私も気になります。」


「シミュレーションで鑑定結果を確認できたりしないかな?」


「鑑定は取得データが多すぎるのでマスクデータにしないとMPが足りないですね…。」


「鑑定は偉大!」


「こういうところは無駄に丁寧に作られておるようじゃのう。」


「護で鑑定に対抗できているみたいだし、どのくらいの差までが鑑定できるかわかるからシミュレーション無しの方がいいかもしれないね。とはいえ、最低限のHPと攻と防は上げておくからね。」


たとえ村に仕掛けるにしてもステータスをある程度上げてからが安全だろう。HP1万くらいは必要か?攻防はとりあえず1000でいいか。先にこっちを上げよう。HPを上げっぱなしにしておけば回復にもなるし安心だ。


「なにこの攻撃力、完全にチートね。私の邪眼が霞んで見えるわ。」


「1秒ごとに10も上がっています…。さっきの私の苦労はいったい…。」


「これがさす勇。めっちゃ気分がいい…!!」


あ、でも邪眼は取ったばかりだからまだ使ったことないんじゃ?


「強奪食らったら即オワコンなのじゃ!」


「え?護が高いからそういうの防げたりしませんか?」


「遠距離強奪くらいなら防げるかもしれぬが、接触などの条件達成タイプはステータス無視の下剋上スキルじゃ。」


「もしかして触れながらなら鑑定できるんじゃ?」


「え?そうなの?やってみるわ!」


幼女が俺にタッチ…残念ながらミレイを確認するようだ。


「確認できないわ。」


「遠距離攻撃を近くで撃っても条件達成タイプではないから無意味じゃ。」


「条件達成タイプじゃないと抵抗されるそうです。」


「そう、もどかしいわね。ねぇ、もう魔を上げてくれてもいいんじゃないの?攻防は500もあれば十分よ?」


「そうかな?まぁ、HP上げておけば何とかなるか…。」


やられる前にやればいい?それは相手にも言えることだ。先手を打たれようが罠にハメられようがなんとかなる耐久力が重要なのだ。その点貫通攻撃にも対応できそうなHPは素晴らしい。


~HP~

これがなくなると死にます。言い換えれば、これがあるうちはまだ何とかなる可能性があります。首をバッサリやられた後だとHPが足りず、結局死ぬことになってしまいますが…。

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