それらの名前
「私はサユに効いた程度の事しかわからないんだけど、大天使にはそれぞれ名前がついているんでしょ?
誰が付けたの?」
「イムラ君だね」
「なんか、イムラって人スペック高すぎない?」
戦闘はもちろん、研究にも口を出し、サポーターの仕事も完ぺきにこなしたうえに、大天使の名前まで付けたのだから、そのスペックの高さは疑う余地がないのは分かる。
でも、名前が簡単に受け入れられたのは、別にスペックとは関係ない。
「今でも新種の生物が見つかると、見つけた人が名前つけられたりするよね」
「イムラ……さんが、大天使を最初に見つけたんだね」
「イムラ君が見つけること自体は、不思議じゃないから。
正確には、大天使を見つけたうえで、生きて帰ってこられたのがイムラ君が最初だったんだよ。
アウィス以降は、イムラ君が最初ってわけでもないんだけど、流れでイムラ君が付けていたね」
付けていたというか、知っていたという方が正しいのかもしれないけれど。
少なくとも、現存していた書物に関しては、その内容をすべて把握していたようだし、知識量は当時の誰よりもあったと言っていい。
彼よりも知識がある存在は、それこそ神くらいだろう。だから、今のソラはその気になれば、当時のイムラ以上に知識を得ることは可能だと思う。
「でも、イムラさんが、戦闘狂ってイメージないんだよね」
「イムラ君が戦闘狂って言われていたのは、ソラが来る前に積極的に戦いに出ていたからなんだよ。
他の人なら、どんなに強い人でも、死ぬ覚悟で行っているのに、イムラ君だけは散歩にでも行くかのような気軽さで行っていたから、戦うことが好きなんじゃないかってことで、戦闘狂って感じかな。
それが来た後も、ソラと組んで沢山の天使を倒していたし、その評価が変わることはなかったね」
元より、イムラが戦いに出ていたのは、戦うことが好きだからというよりも、人類が滅ばないようにするためだったのだとは思うのだけれど、本人ではないから、真意のほどは分からなかった。




