もう一人の存在
「人類滅亡とは関係ないんだけど」
我を見失ったように、呆然としていたユイが、ようやく我を取り戻して話を切り出す。
ボーっとしているようで、ちゃんと話の内容は覚えていたらしい。
「世界を救ったのは、レンの好きな彼だとして、話を聞いているともう1人重要そうな人が居るよね。
それってどういう人なの?」
「彼はイムラって名乗ってたね。わたしが配属されるずっと前から、天使と戦っていた戦闘狂って言ったらわかる?」
「なんとなくね」
「ちょっと組織の話になるんだけど、わたし達がいたのは、戦闘員が2人だけの部隊。
その中でも、わたしを中心にグループ分けがされていて、ユイとサユはソラのサポート。イムラのサポートに2人いたんだよ。
当然最初は皆素人だったから、サポートも下手だったんだけど、その時に指導してくれたのがイムラ君。
かなり頭もよかったんだよね。聞いた話、作戦や研究にも顔出していたみたいだし。それから、ソラの戦いの師匠であり、相棒ってところかな」
「なんかすごい人だったんだね」
確かに彼はすごい存在だった。今の世界があるのはソラのおかげだけれど、同じくらい彼のおかげでもあると言える。
これで話は終わりかなとも思ったのだけれど、ユイはなんだか納得していないような顔をしていた。
「それだけすごいとさ、今度は何でソラさんが世界を救ったってことになるのかなと思うんだよね。
イムラって人の方が、神様倒せそうじゃない?」
「神と大天使がいるって話はしたよね。大天使を倒すと、そのエネルギーって言うのかな、力の源みたいなのが出てくるんだけど、それを全部ソラに渡していたから。最終的にはソラの方が強くなったんじゃないかな?」
「殊勝な人がいたもんだね」
ある意味、自分の功績をすべてソラに渡していたようなものだから、ユイの言葉もわかる。
でも一応、ソラもその膨大な力に耐えられるだけの、特別な人だったのだけれど。別に今話す必要もないか。




