人類の滅亡
1学期の中間テストは、なぜ行われるのか、少し疑問なところがある。何せ、新学年が始まって、2か月版ほどで行われるのだから。
むしろ、1か月後に期末テストがある事の方が、問題なのかもしれない。
中間テストが終わって、しばらく経ったかと思ったら、もうすぐ期末テスト。学生たちの緊張感を保とうという意味ならば、一定の成果を得られているかもしれない。
期末テストの前という事で、中間テストで赤点を取って、先生に絞られていたサユの頼みで、放課後の教室でユイも一緒に勉強会をすることになった。
期末テストは、中間テストの範囲からもある程度出題されるという事で、今はテストの解きなおし。
「そういえば、サユが赤点とったのって、初めてだよね。危ない時は何回もあったけど」
「今回はちょっと、勉強する時間がなくて」
サユに尋ねてみたら、悪い事でもした子供の用に、目をそらす。そのせいで、弁明も虚言にしか聞こえない。ユイも思うところがあったらしく、「その割にはいつも通り、遊んでいる姿しか見てないんだけど」と仏頂面になった。
「いつもは、前日にちょこっとはしてたんだけどね。パソコンをいじっていたら、熱中しちゃって。
ちょうど人類滅亡論が騒がれていたでしょ? 今に始まったことじゃないけど、過去の話とかまとめていたら面白いかなって思って、まとめて考察してたら朝になって、って感じ」
はじめは罪を告白する子供の用だったのだけれど、だんだんと楽しくなってきたのか、サユの声が弾む。サユが勉強できないって言うのは、改めて思い返してみると、変な話だったのだけれどなんとなく理解できた。
サユはやりたいことしか集中できないのか。前の世界だと、それこそモニターの前で状況分析が主だったから、サユの興味と合致した部分があるのかもしれない。
わたしが納得しても、先生は納得しないだろうし、何よりユイが納得しないだろうけれど。想定外の答えだったのか、ユイが何か言いたそうだけれど、言いあぐねている。
その間に、サユが「そういえば」と話題を切り出した。
「人類滅亡論って、有名なのでも10年くらい前にはあったんだけど、確かこの世界が出来たのって、2年前なんだよね?
なんか世界が出来る前に、人類滅亡って滑稽だよね」
「あくまでも、ソラとわたしはそう考えるよってだけだから」
「旧世界で人類の危機と、今の世界の人類滅亡論と相関があるのかなと思うんだけど、どうだったの?」
「わたしが生きている間は、だいたいが人類滅亡と背中合わせだったから。
とはいっても、本格的に危なくなったのは、ここ数年なんだけどね」
「じゃあ、関係ないのかな」
考えをまとめるためか呟き始めたサユとは違い、サユらしからぬ言に驚いたのか、ユイは全くしゃべろうとしなかった。




